大学間連携イベント「アフリカルチャーゲーム:アフリカの開発と農村の貧困を考える」

 2012年10月27日~28日の2日間、グローバル協力センター主催の大学間連携イベントとして体験型シミュレーションゲームの「アフリカルチャーゲーム」が実施され、本学と他大学の学生19人が参加しました。(参加大学:聖路加看護大学、津田塾大学、奈良女子大学、宮城学院女子大学)。講師兼モデレーターはアイ・シー・ネット株式会社の小林花さん、宇佐美香織さん、高山琢馬さんで、全員がアジア、アフリカ、オセアニアなどで国際協力実践に携わってこられた方々です。


(ゲームで使用したコマ、お金、収穫物など)

 ゲームは1日目にルールの説明の後に1年目のトライアル・ラウンドが行われ、2日目には第二ラウンドから第四ラウンドまでのゲームとグループ単位のまとめと振り返りが行われました。参加者は2人一組でサブサハラ・アフリカの仮想の小村「テプテプ」に住む家族(男性と女性兼子ども)の役割を割り振られました。ゲームの進行役であるマネージャー(講師)から男女別々に受けた指示と情報、現金を基に毎年の農業生産、家事、子供の教育、出稼ぎなどの戦略を立てました。他の家族との交渉によって労働力や作物を交換することや、赤ちゃんの世話や食事の準備をお願いすることもできました。村の男性の中から村長が選ばれ、コミュニティの中での共同活動も行われます。家族ごとの人数は子どもと赤ちゃんの数によってバラバラで、成人男性のいない女性世帯主家庭もあります。


(真剣にゲームに取り組む参加者たち。村内を回って
 他の家族と交渉する人も)

 各家族は栽培する作物の種類、肥料投入や除草の有無などを工夫して1年の終わりに家族の栄養状態をよい水準に保つだけの生産をすることを目指します。栄養状態が悪いと病気になり最悪の場合は死亡するリスクが増えます。病院で治療するための医療費も払わなければなりません。マネージャーによって毎年無作為にひかれるカードで天候や降雨量が決まり、作物の収穫に影響します。各ラウンド(年)の終わりには、余剰作物を販売したり、不足分を他の家族から購入したりして、記録シートにその年の農業生産と栄養摂取の収支を書き込んでいきました。中には個人でビジネスを始める家族や出稼ぎ先で病気に罹ってしまう人など、多様な活動や経験がありました。


(講師はアフリカの民族衣装で大活躍)

 4年間のシミュレーションの後、3つのグループに分かれて振り返りを行い、「家族」、「コミュニティ」、「男女の役割」などについてディスカッションを行い、結果を発表しました。
 最後にアフリカで長年の実践・研究を続けておられる文教育学部荒木美奈子先生から、アフリカの農村の現状やコミュニティの住民たち自身によるアクションの事例が紹介されました。全体で1日半という長い時間でしたが、参加者は全員集中を切らさず、積極的かつ創造的に役を演じ、考えました。今後の国際協力の勉強や実践に繋がる貴重な体験となりました。
 参加者の感想の一部をご紹介します。


(グループ発表)

●途上国開発について、開発援助側の視点ではなく、自分が途上国の人となって考えることはなかったのでとても貴重な機会だった。今回のゲームで多くの学びや課題について考える契機になった。
●ゲームを行っているときには「楽しさ」を感じたり、ただ「うまく家計をまわす」ということを考えるだけだったが、後のグループでの話し合いの中で、現実と照らし合わせて考えると心が痛くなった。
●ゲームでどこまでアフリカのことが理解できるのか疑問に思っていたが、生き抜くことがいかに大変かを本当に実感できました。
●子ども=労働力としてどうしても見てしまい、理想と現実に壁があると感じました。また、女性と男性の役割についても主観的に考えることができました。