JICA横浜海外移住資料館見学 参加体験記


(学芸担当の小嶋さんの、移住先の国への「参加と貢献」
 についての講義)

 2013年11月23日、JICA横浜海外移住資料館の見学に参加しました。はじめに学芸担当の小嶋さんによる、日系人の歴史に関する講義を拝聴した後、ボランティアの鏑木さんの解説を伺いながら、展示を見学しました。日本からの海外移住は、明治期に盛んとなり、移住先はハワイ、北米、南米、東南アジアと、世界各地に及んだといいます。日本から渡航した人の総数は、約76万人と推定されており、今日の世界における日系人人口は、約250万人と言われているそうです。小嶋さんからは、日本からの移住者から数えて第6世代目にあたる「日系六世」までがすでに誕生しているという説明があり、大変驚きました。
 この資料館のユニークな点は、展示を順に見ていくことで、日本から世界各地へ移住した、多岐にわたる人々の歴史を網羅的に、かつ、時系列的に辿ることができることです。展示は明治期のハワイへの移住に始まり、アメリカ西海岸へ、第二次世界大戦後は南米へと、時代ごとに移住先が変遷していくことを理解できる仕組みとなっていました。そして、日系人の歴史を知ることは、日本近代史を「海外移住の歴史」という、新たな視点から捉え直すことであるのだと思いました。
 展示の中で特に印象深かったのは、現在ハワイに在住する、ある日系人家族を写した一枚の写真でした。「家族のきずな」と題する写真には、お年寄りから赤ちゃんまで、様々な世代の、40人以上の人々が写っており、家族は「日系」だけでなく、多様なエスニック・バックグラウンドを持っていると推測できました。家族写真に、まさにハワイのマルチ・エスニック文化が凝縮されていると感じました。
 今回の見学を通して、「ニッケイ」という新たな文化が、今日、世界各地で生み出されていることを実感することができました。日系人が各地の移住先に根付き、たくましく生き抜いてきた歴史を学ぶことができる良い機会となりました。

(大学院人間文化創成科学研究科ジェンダー学際研究専攻博士後期3年 臺丸谷 美幸)


(常設展示コーナーでは、鏑木さんの展示資料の解説を聞く)


(ミックスプレートに、農場で働く労働者の弁当交換から
 始まった食文化の交流が伺える)