野々山基金によるアフガニスタン向け絵本『カメとイチジクの木』の完成


完成した絵本「カメとイチジクの木」をもつ子供たち

 グローバル協力センターは、「アフガニスタン・開発途上国女子教育支援事業野々山基金」事業の一環として、アジア諸国で子ども図書館運動を展開している公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)と協力して、アフガニスタンの子どもたちのためのオリジナル絵本の作成に取り組んできました。2014年に完成した絵本『孤児の少女』に続いて、現地の絵本作家によるオリジナル・ストーリー『カメとイチジクの木』がアフガニスタンの主要な言語であるダリ語とパシュトゥ語で1,200冊ずつ印刷・出版され、先日SVAからセンターに見本が届けられました。

 『カメとイチジクの木』は、卵からかえった一人ぼっちのカメの子がサル、ウサギ、シカ、ネズミなどの動物たちとの出会いを重ね、最後は親切なイチジクの木が落としてくれた大きな葉の下で眠りにつき、雨上りの美しい虹を見るという不思議な物語です。印刷された絵本は、SVAアフガニスタン事務所のスタッフによって東部のカブール州とナンガハル州の74の小学校(児童数約11万4,000人)の学校図書室と、7つの公立図書館に配布が進んでいます。


カブール市小学校の図書室で読書する女子児童

 国連の報告によれば、昨年1年間に戦闘やテロに巻き込まれて死亡した民間人は、国連が詳細な調査を開始した2009年以降最高の3,699人に上りました。死傷者のうち子どもは前年に比べて40%、女性は21%増加し、過去最多となってしまいました。2002年から教育省が進めてきた「バック・トゥ・スクール・キャンペーン」の下で就学率は向上しましたが、治安の悪化や反政府武装勢力の攻撃によって存続が脅かされている学校もあるそうです。『カメとイチジクの木』が厳しい状況の下でアフガニスタンの子どもたちの「本をよむ喜び」の一助となれば幸いです。

 絵本は、グローバル協力センターまたは大学附属図書館で手に取ってご覧になれます。