ベトナムスタディツアー報告


キー・ファン・トゥー・パゴダ孤児院におけるインタビュー
の様子

 2015年9月6日(日)から13日(日)の8日間(見学は7日間)にかけて、学部生10名・教員2名による、ベトナムスタディツアーが実施された。

 出発前の事前学習においては、お茶の水女子大学と東京医科歯科大学大学院在籍中のベトナム人留学生から、ベトナム社会の実情についてお話をうかがうとともに、初歩的なベトナム語について教わった。また、個々人が独自の調査テーマを設定し、文献等に基づいた調査を行い、現地での「貧困・経済格差」、「医療・公衆衛生・環境」、「教育・福祉」の3分野に分かれたグループ調査に向けての準備を進めた。

 現地では、南部の都市ホーチミン市とカントー市の2か所を訪れた。ホーチミン市においては、ベトナム味の素社、2か所の孤児院とストリート・チルドレンの保護施設、JICA事務所と関連機関であるベトナム日本人材協力センター、現地大学2校を訪問した。カントー市では、2か所の幼児学校、カントー大学等を訪問した。


手作りのランタンを運ぶタイ・ドー幼児学校の子ども達

 経済面において、ベトナムでは、ここ最近の日系企業(特に中小企業)進出の増加が見られる。ベトナム味の素社においては現地工場を見学し、説明とともに実際の製品を見せていただく中で、日系企業のベトナムでの活躍を肌で感じた。また、孤児院やストリート・チルドレン保護施設においては、発展を遂げるベトナム経済の裏にある社会の実情を目の当たりにし、地域開発という問題について考えさせられた。

 教育面では、カントー市の幼児学校で子供たちからの熱烈な歓迎を受け、ベトナムの伝統的な秋の催しに合わせた子供たちの手作りのランタンのプレゼントに感激した。また、カントー大学では学生同士が活発な交流を行った。英語でのプレゼンをはじめ、日本・ベトナム両国の文化交流が行われ、お互いのことを知るよい機会となった。同時に、ベトナム人学生の英語力・日本語力の高さ、学習意識の高さに驚いた。


現地で交流したカントー大学学生の皆さんとの集合写真

 各団体の訪問のほかに、現地では名所旧跡の観光や戦争証跡博物館の見学も行った。環境・公衆衛生の面で、現地の様子や人々から見えてくる日本との違い(特に、道路上にゴミが放置してある・水道水が飲めない等の衛生上の問題や、交通事情、街の開発風景など)を肌で感じ、発展を遂げる国の力とそれに伴う課題の両面を見た。一方で、戦争証跡博物館では目を背けてしまいそうな戦時中のリアルな写真に衝撃を受けた反面、ベトナム戦争終結から40年でアジアの中でもトップクラスの成長を遂げているベトナムという国の力強さを感じた。

 7日間の短い期間で多数の施設・機関を訪問し、非常に充実した内容であった。一部行程においては、ホーチミン医科薬科大学の学生が英語での通訳として同行し、ベトナムの社会・文化理解だけでなく語学の面でも有意義な実習であった。何よりも、ベトナムという異文化に触れる中で出会った人々やものから得たものは、かけがえのないものであると考える。日本という枠組みに留まらない多面的な思考を手に入れたことはかけがえのない経験であり、今後の活動に生かしていきたい。

(文教育学部人間社会科学科3年 古市 彩乃)