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理数系教員養成拠点構築事業
(CST養成コース)
◆講座紹介レポート
<2.CST理科教育法Ⅱ>

講座紹介レポート




D群

1日目のD群では、単元として「植物の養分と水の通り道(小学校第六学年)」・「人の体のつくりと運動(小学校第四学年)」・「人の体のつくりと働き(小学校第六学年)」・「生物と環境(小学校第六学年)」を扱います。これらは、生命分野のうち学習の柱「生物の構造と機能」・「生物と環境のかかわり」にあたります。それぞれの単元について、実習とグループディスカッションを通して、学習指導要領における位置付け・中学校への連結・生活との関わり・安全管理などに関して理解を深めます。そして、準備物・実施の際の留意点などにも具体的にふれ、CSTとして教員研修を実施する力を養成します。

 

「植物の養分と水の通り道(小学校第六学年)」

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野菜を用いた水の吸い上げの実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

  • 『食紅を溶いた水をセロリに吸わせ、どのくらいの時間でどれくらいの高さまで吸い上げるのかを実習しました。学校でホウセンカなどを育てていてそれを実験に使えればいいのですが、そうでない場合に、スーパーでも買えるセロリなどを使っても見やすいことが分かりました。斜めに切ったり縦に切ったりすると、よりハッキリわかると思いました。(中野区立小学校の先生)』

 

 

「植物の養分と水の通り道(小学校第六学年)」

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太陽光の波長を模したランプを用いて野菜に光合成させる実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

  • 『天気に左右される単元なので、研究授業も少ない単元なのですが、室内で結果をだせることに驚きました。これまでは、アルコール脱色ではアルコールの量をたくさん使うので、教室実験ひとつで演示をしていました。今日の実習の、チャック付きのビニール袋に入れてやるという方法ならば、かなりのエタノールの節約にもなるし蒸気も出ないので、研修を実施するときに紹介しようと思います。』(北区立小学校の先生)

  • 『自然の植物を使うなど、実験の前に制御を受けていないサンプルを使う場合には、結果が明確でないこともあるので、準備や前処理がとても大事になるということが勉強になりました。(ポスドク)』

 

 

 

「生物と環境(小学校第六学年)」

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植物と気体濃度との関係を調べる実習や、簡易ツルグレン装置を用いた土の中の小さな生物を観察する実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。それぞれの内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

  • 『呼気を満たしたビニール袋で小松菜に覆いをし、太陽光ランプを当て、中の二酸化炭素濃度と酸素濃度がどのように変化するか実習しました。その中で初めて気体検知管を使い、使い方も初めて知りました。実際に実験してみて、酸素と二酸化炭素の割合の変化や比較がはっきりできたと思います。とても勉強になりました。(お茶大の大学院生)』

  • 『気体検知管には、扱い方に気をつけないといけない点が多く、児童に注意を促すことが大事だと思いました。またピストンを引く力がとても必要だったので、その際に勢いで他の器具が倒れたりしないようにすることも注意が必要だと思いました。(お茶大の大学院生』

  • 『2リットルのペットボトルを切って組み合わせ、ツルグレン装置を自作しました。異なる場所や深さの土をとってきて仕掛け、電球の熱と光で追い出されてくる小さな生物を観察しました。思っていたより生物の種類が豊富で、インパクトが大きかったです。場所や深さによる生物の違いもよくわかりました。工夫次第で、簡単な装置でできることを知り、とても勉強になりました。(あきる野市立小学校の先生)』

  • 『ツルグレンは今回始めてやったのですが、土の中の小さな生き物がたくさんとてもよく見えました。児童にはいつも水の中の小さな生物を見せようとしているのですがなかなか探せないので、双眼実体顕微鏡の指導の時に、土の中の生き物を、ツルグレンを使って見せられたらいいと思いました。(中野区立小学校の先生)』

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E群

2日目のE群では、単元として「昆虫と植物(小学校第三学年)」・「季節と生物(小学校第四学年)」・「動物の誕生(小学校第五学年)」・「植物の発芽、成長、結実(小学校第五学年)」を扱います。これらは、生命分野のうち主に学習の柱「生物の多様性と共通性」・「生命の連続性」にあたります。


「季節と生物(小学校第四学年)」

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記録ノートを自作し野外観察する実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

  • 『切った画用紙を束ねたノートを自作し、継続観察の際の着眼点を実習しました。実際に児童がノートからまとめた1年間の観察記録を見せてもらいました。季節の移りかわりとそれにともなう生き物の変化というところだけでなく、それを作った子どもの成長の過程もそこからくみ取ることができ、とても感心しました。(ポスドク)』

  • 『グループディスカッションで先生の話を聞きながら、生物教材の維持管理や、さらには季節を見通して授業を計画していくのがいかに難しいかということを知ることができました。(お茶大の大学院生)』

 

「動物の誕生(小学校第五学年)」

小さな生き物を池から採集し観察する実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

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  • 『浮遊性ではなく、付着性の生き物に注目することを実習しました。本校では、いつもプランクトンネットを使って池で採取しているのですが、そうではなく壁面の苔などを使うことによって、ほぼ確実にいろいろなものが学習できることがわかったので、次回やってみたいと思います。研修を実施するときにも紹介しようと思います。(北区立小学校の先生)』

  • 『水の中の小さな生き物の観察について、とても詳しいハウツーをたくさん学びました。動きの速いプランクトンには炭酸水を入れるとか、簡単に作れるプランクトンネットとか、とてもわかりやすく、勉強になりました。(あきる野市立小学校の先生)』

 

 

「植物の発芽、成長、結実(小学校第五学年)」

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花を採集し花粉を観察する実習や、さまざまな葉の気孔を観察する実習、さらに、顕微鏡の簡単なメンテナンスの実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。それぞれの内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

  • 『短い時間で外に出て花を取り花粉を顕微鏡で見たのですが、セロテープを活用した手軽な方法により、多くの種類の花粉を観察することができました。普段時間があまりとれない教員研修でも同様の活動ができるのではと思いました。(中野区立小学校の先生)』

  • 『いくつかの葉を試したのですが、やはりツユクサの気孔の観察がとくによくできました。ツユクサが多く紹介されている理由を確認できました。(練馬区立小学校の先生)』

  • 『ねじのゆるみの直し方や、レンズペーパーとアルコールを使って汚したレンズを拭く方法などを知ることができました。(清瀬市立小学校の先生)』

  • 『今日一番印象に残ったのは顕微鏡のメンテナンスの仕方でした。学校でも何台かダメになっているものがあるので、戻ったらすぐに教えていただいたことを使ってやりたいと思いました。(小平市立小学校の先生)』

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F群

3日目のF群では、単元として主に「流水の働き(小学校第五学年)」・「土地のつくりと変化(小学校第六学年)」・「天気の変化(小学校第五学年)」・「太陽と地面の様子(小学校第三学年)」・「月と太陽(小学校第六学年)」を扱います。

「流水の働き(小学校第五学年)」

コンテナと板を用いた室内でできる流水実験を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

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  • 『浅いコンテナに斜めに板を敷き、土砂を盛って、ペットボトルで水を流して流水実験をしました。ふだん花壇や砂場でダイナミックな実験はできますが、代表の子どもが水を流したり教員が演示したりして終ってしまうことが多いので、今日のように4人くらいの班でできるのは、一人ひとりが体験できていいと思いました。また、作ったものを残しておけるのも、活用度が高いと思いました。(杉並区立小学校の先生)』

  • 『野外でやることが多く、天候に左右されてしまうことが非常に多かったのですが、室内でもこういう実験ができるということを、他の先生にも広めて紹介していきたいです。(品川区立小学校の先生)』

  • 『室内でできて、ポイントを押さえれば川のでき方、浸食、堆積についてなどもわかりやすく、有効な実験だと思いました。(お茶大の大学院生)』

「天気の変化(小学校第五学年)」

ペットボトルとポンプを用いた雲をつくる実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

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  • 『炭酸飲料のペットボトルとシリンジ、ポンプ、水、エタノールを順に用いて、雲を疑似的に発生させる実験を行いました。目に見えるので、児童はとても興味関心をもってくれるものと思いました。また、エタノールと水で比較した際に、エタノールで雲ができやすかったことから、地球分野と粒子分野を横断的にとらえることができて、とても勉強になりました。(お茶大の大学院生)』

  • 『気圧が下がると雲ができる、液体になる、ということをおさえると同時に、デジタルサーモテープを入れておいて温度を絡めるというのは新鮮で、中学校内容へもつながり、とても勉強になりました。(ポスドク)』

「月と太陽(小学校第六学年)」

室内で月の形と太陽の位置を再現する実習を通して、教員研修を実施する力の向上を図りました。内容と印象について、受講者のコメントから紹介します。

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  • 『集光できる懐中電灯と発泡スチロール球を用いて、児童の観察記録を再現し、地球役の人からどう見えるのか、その全体を客観的に見るとどうなっているのか、実習しました。いろいろな映像教材ももちろん有効でいいのですが、今日やったように目の前で実験を行いその結果が分かるというのは児童にとって印象に残り分かりやすいと思います。研修を実施する際には、実際に実験をどんどんやっていきましょうと伝えたいです。(中野区立小学校の先生)』

  • 『地球の自転まで再現すると、自転しながら公転するという複雑な動きになってしまうので、頭だけで考えるとわからなくなって勘違いが多いところではないかと思います。でも、体を使って皆で意見を出し合って考えることは、理解を自分のものにする上で重要で役立つということを再認識できました。(ポスドク)』

  • 『紙の上で平面でしか理解していないことを、立体的に太陽との関係でとらえさせるためにどのような実験をしたらいいかを、考えさせられました。体験的にさせるときに、いまやっている活動が1日の中での月の動きなのか、1カ月間の月の動きなのか、教員がしっかり理解したうえで活動を行う必要があると強く感じました。教員研修でも伝えていきたいと思います。(中野区立小学校の先生)』

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