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お茶大で生命情報を学ぶ

2016年9月13日更新

お茶大で生命情報学を学ぶ

生命情報学プログラム(大学院:平成17年度~)

 お茶の水女子大学大学院では、生命情報学をそれぞれの専門分野で生かすことによってキャリアパスを広げることを目指して、「女性リーダー育成プログラム」のなかに「生命情報学を使いこなせる女性人材の育成」サブプログラムを設置し、大学院における生命情報学プログラムを運営しています。このプログラムは博士前期課程後期課程のいずれからでも履修することができます。

  このプログラムでは、大学院共通科目の4科目(総合生命科学、生命情報学、生命情報学演習、予測生物学)を必修とし、ライフサイエンス専攻または理学専攻の専門科目でしたいの科目から自分の指導教員の担当科目以外の科目、または大学院共通科目から1科目以上を選択必修として、合計9単位以上から構成されています。本プログラム推薦の研究機関によるインターンシップを受講すると、大学院共通科目である「インターンシップ」の単位を取得することができます。

 大学院では、実践的なコンピュータ演習やインターンシップを通して、実践的な生命情報学を勉強することができます。

  参照:生命情報学を使いこなせる女性人材の育成

生命情報学副専攻(学部:平成21年度~)

 お茶の水女子大学の学部における生命情報学教育は、平成21年度から「生命情報学副専攻」として本格的に開始しました。いままでにも、お茶大では生命情報学関連の授業を開講していましたが、バラバラだったためにその存在がよくわかりませんでした。そこで、それらの授業を副専攻としてひとつにまとめ、体系的に履修しやすいようにしました。お茶大の生命情報学関連の授業を集めて比較的コンパクトな科目群を設定し、各科目には必要履修科目を例示しています。それらの科目も履修しておくことで、生命情報学副専攻の効果的な履修ができると考えています。

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 生命情報学副専攻では、「生命情報学概論」(2単位:全学共通科目)が必修です。それに加えて、次の5科目(いずれも2単位)から4科目以上を選択することで、履修を完了できます;「計算生物学」(全学共通科目)、「進化遺伝学」(理学部生物学科専門科目)「バイオインフォマティクス」(理学部情報科学科専門科目)「計算化学」(理学部化学科専門科目)、「統計学」(コア科目)。これらの科目を見ても、生命情報学がいろいろな学科に分かれていることがわかります。どこからでも入ってくることができる分野であることがよくわかります。いずれの科目も学科の専門分野に属していますので、生命情報学を勉強したい学生は、各自の所属する学科の基礎科目はちゃんと勉強してください。「進化遺伝学」を履修するためには、分子遺伝学や細胞生物学の知識が必要です。「バイオインフォマティクス」を履修するには、データ構造やアルゴリズム、プログラミングへの理解は不可欠です。「計算科学」には物理化学が、計算生物学には、線形代数や微分積分の基礎は知っていた方がよいでしょう。1年生の時から、多義に渡るために、大変に感じるかもしれませんが、専門科目と生命情報学副専攻科目とを少しずつ平行して勉強していけば、学部在籍中に履修することは決して難しくありません。

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 お茶の水女子大学では、過去においても学部4年生から各学科に点在する生命情報学関連の研究室に所属することで、生命情報学の教育を受け、研究を始めることができました。しかし、生命情報学がどのような分野なのかを、学部学生に学んでももらう機会はあまりありませんでした。平成20年度には学部学生への生命情報学の授業が始まりました。大学シラバスの全文検索において、「生命情報」「バイオインフォマティクス」それぞれの単語で授業を検索してみてください。想像よりも授業が少ないかもしれません。それは、生命情報学が従来の学問分類ではあらわしにくい学際領域で、いろいろな名称でよばれているからです。学際領域とは学問と学問の境界領域を意味します。「境界」というと物事のハシの様で妙な感じがします。しかし自然界の現象を、「これは物理現象」「それは化学現象」「これは数学」などと分類したのは人間の都合であり、自然がそのように分類されているわけではありません。そのため、生命現象のナゾを追いかけようとすると、旧来の学問体系からみると、学際領域に突入するのは当然のことです。生命情報学副専攻の科目が、多学科にまたがっているのはそのためです。

参照:シラバス

本学の生命情報学関連研究室

 お茶の水女子大学には、生命情報学に関連する研究を展開する研究室がいくつかあります。平成20年度に立ち上がったライフサイエンス専攻に所属する由良敬研究室では、タンパク質の構造情報とゲノム塩基配列情報を用いたポストゲノムの生物学を展開しています。平成17年度に立ち上がった理学専攻の瀬々潤研究室は、膨大な分子生物学測定データから有用情報を抽出する方法の研究を進めています。

 生命情報学はコンピュータだけをつかって研究を展開するわけではありません。ライフサイエンス専攻に所属する松浦悦子研究室と近藤るみ研究室では、自らの研究室で得られる実験データを、分子進化と集団進化の手法を用いて自らの手で解析しています。生命情報学教育研究センターの構成員ではありませんが、小川温子研究室では糖分子のタンパク質修飾の研究を実験と生命情報学の手法とを組み合わせて展開していますし、鷹野景子研究室ではコンピュータシミュレーションによって生体関連分子の電子状態計算など、生体分子設計につながる研究を展開しています。今野美智子研究室では、タンパク質の立体構造をX線結晶解析で測定し、タンパク質がどのようにして生物機能を果たしているのかを、原子分解能で明らかにしています。X線結晶解析の結果解析はコンピュータを用いてはじめて可能になっています。

 本学の郷通子前学長は生命情報学の先駆的女性研究者であり、様々な場面で生命情報学の講演を行っています。生命情報学の研究を女性研究者としてどのように進めているのかを知ることは、お茶の水女子大学の学生にとっては、各自の未来像を考える上で、大変参考になると思います。

参照:センター構成員の紹介

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