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IGLセミナー “Women, Microfinance and the 2030 SDGs” 実施報告

2020年3月23日更新

2019年12月4日(水)13:30-15:00に本学国際交流学生プラザにおいて、国際基督教大学のHeather Montgomery上級准教授のセミナー “Women, Microfinance and the 2030 SDGs”が開催されました。当日は、本学教職員含め72名の参加がありました。

国連の提唱する持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals/SDGs)には17の目標項目があり、そのうちのひとつが“No Poverty”(あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ)です。全ての男性及び女性がマイクロファイナンスなどの金融サービスを利用できる権利を具体的な「ターゲット」として示しており、本セミナーではHeather Montgomery上級准教授に主にマイクロファイナンスについて研究という側面からご講演頂きました。Heather Montgomery上級准教授は経済学者であり、アジア開発銀行在職時にパキスタンをフィールドにしてマイクロファイナンスのご研究に取り組まれ、貧困に苦しむ世帯がマイクロファイナンスを利用することによって、どのような社会経済的インパクトが生じるのかを統計分析から明らかにしています。ご講演ではパキスタンの貧困世帯がマイクロファイナンスのサービスにアクセスすることで、ミクロレベルでどのような影響が生じるのか実際の分析結果とともにお話頂きました。

  • IGLセミナー“Women, Microfinance and the 2030 SDGs”

ご講演の冒頭ではGDPのみが人々の生活の豊かさを測る指標ではないとして、国連のHuman Development Indexや世界経済フォーラムのGender Gap Indexを紹介して下さり、パキスタンと日本、そして米国がこれらの指標においてどこに位置するのかということについて確認しました。またパキスタンでマイクロファイナンスを提供するKhushhali Bankの協力のもと収集した世帯データの分析から、マイクロファイナンスを受けた世帯は受けなかった世帯よりも、子どもの就学率、医療サービスへのアクセス、女性の家庭での発言権、さらにはコミュニティレベルでの女性の政治参加が高まる傾向にあるということを教えて頂きました。学生をはじめとする参加者は、本セミナーを通じてマイクロファイナンスについて知ることができ、またSDGsの17の目標がそれぞれ独立するのではなく、互いに影響を及ぼす関係にあることをより具体的に学べたのではないかと思います。セミナーの最後にはマイクロファイナンスに限らず、「学生時代に自らの専門性をどのように決定したのか」等、学生からの様々な質問を受け付けて下さり、盛会のうちに本セミナーを終えることができました。

文責 岡村利恵(グローバルリーダーシップ研究所 特任講師)

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