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能動的・自発的な行動

2017年5月17日更新

鈴鹿 規子さん 株式会社コミュニケーション
リサーチセンター代表取締役
カナダ政府館コンパニオン、KLM オランダ航空客室乗務員を経て「人と住まいを考える主婦会議」に二期生として参加。83 年、住まいと暮らしに関わるマーケティング会社、CRCを設立し専務に。98 年に代表取締役に就任。供給者と消費者のパイプ役として約18,000人の主婦の声、消費者ニーズを生かし、商品の企画・開発・セールスプロモーション活動を企業から受託し推進している。

初めて社会に出た時のことを聞かせていただけますか?

社会に初めて出てやった仕事が大阪万博でのコンパニオン。そこで、日本の常識が通用しない、必ずしも世界の常識と当てはまるわけではない、自分で考えなければならない、ということを学んだの。そうした中で、大きな世界を見たい、多くの人に会いたい、自分の可能性がどこまであるか掴みたいと思うようになって。『世界に出てみよう』と思ったのがこの時だったわね。それが達成されるのは何だろうと考えた結果、キャビンアテンダント(CA)が適切だと気づいたの。

鈴鹿さんにとってCAの面白さとは?

一番はお客様と接すること。お客様の安全を守ると同時に、どういうお客様か、どういうことを求めておられるかを推測することがとても大切でもあり、CAの面白さでもあるわね。
二つ目は仕事を通して様々な世界を見られること。世の中には知らないことが99パーセントで、私が知っていることはホントに少ないと謙虚な気持ちに毎回なることができたの。

その後、主婦を経験してすぐ仕事復帰されています。

夫は本当は家にいてほしいと思っていたの。でも、『私は二本の線路を手をつないでまっすぐ前を向いて歩いていきたい。お互いが人生の目標をもち、重なっている部分が多ければ多いほどいいけれど、すべて重なっている必要はない。だって違う人間だもの。輪として重なっていない部分はその個人の個性として大事にしていきたい。』と言って説得したの。

鈴鹿さんの経歴を見ていると、人と接する仕事が多いですね。

人って本当に興味深いの。私は人に会う時『この人から何か得よう』ではなく、『もしかしたら私の持っている何かを役に立ててもらえるかも』って考えているの。そして何より何でも自発的にやる。受身だと最後恨み節になりかねない。自分で決心したと思ってやれば、どんな結論だろうと自分に責任があるし、『やりたかったからやったんじゃないの。』 『やれてよかった。』と捉えることができる。

今のお仕事について聞かせてください。

人と住まいを考える主婦の会がスタート。その後、主婦五人で今の会社を立ち上げて二十八年間も続けてきた。最初は何も分からなかったけれど、『何とかなる。』という気持ちではじめたのよ。住宅というのは人を包む器であって、人のライフスタイルや価値観に合っていないとダメだし、器は人によって変わっていい。どんな人がどんな住居を好むか、合うかを考えるのが楽しくて二十八年間あきずにやってきたわ。

会社では女性しか採用されないそうですが、女性の強みは何だと思いますか?

女性の方が真面目に働いてくれることがうれしいわね。さぼるということがほとんどない。そして、女性は短期の目標を掲げたときに集中力をものすごく発揮する。男性はどちらかというと長期の目標で自分の進め方をする方が多いと思う。

女性がリーダーとして働く、また、会社で上手な関係を築いていくコツは何ですか?

女性にありがちなのは、テンパッてしまうこと。心にゆとりが持てずに感情的になってしまうことがある。『これは私が選んだこと、楽しくやろう』ぐらいのゆとりを持つことが重要だと思う。関係を築くためのコミュニケーションとして、基本は挨拶。挨拶の意味は、『そこにあなたがいるのを認めていますよ』ということ。挨拶をしないのは存在してないということと同じなのよ。社会人になるのをきっかけに誰よりも率先して挨拶を笑顔でやってほしい。

今まで仕事を続けてこられた要因やモチベーションの高め方は?

割と私は好奇心旺盛で、自分がやりたいからやってきた。自分なりに楽しいことを見つけ、自発性をもつの。やると決めたことは万難を排してやるし、やったらいいかやらなくていいか悩んだらやってみる。会社に勤めたら一日八時間は会社にいなくちゃいけない。一日二十四時間だから三分の一以上は仕事で残りの半分は寝ている。ということは、仕事が面白くないと人生も面白くないの。そしたら仕事をやっていく上でその仕事の楽しみを見つけていくべきだと思う。仕事を面白いと感じるも面白くないと感じるもあなたの心もち次第。仕事が面白くないんじゃないの。あなたの仕事を取り組む姿勢が面白くないの。

最後にお茶大生に一言お願いします。

あなたたちはまだまだ若い。そしてたっぷり時間がある。だから、焦らずに三十歳くらいまでに真にやりたいのはこういう分野のことだということを見つければいいと思うの。大学卒業までに一生の就職先を決めなくてもよくて、もちろん自分の力がいかせる企業を選ぶことは大切だけれども、もしそれが間違っていても焦る必要はないの。自信・勇気が必要なの。『自分がやりたくてやった。』と思えばいい。

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