お茶の水女子大学
お茶の水女子大学-乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデルの構築<ECCELL>

講義内容の紹介(シラバス)

■平成27年度 後学期 開講科目     ⇒ 印刷ページはこちら

「子どもと家族U」 (月曜日/担当:加藤 邦子)
主題:少子高齢化社会における子育て支援の具体例を挙げながら、乳幼児期の子どもと家族に関する理解を深める。親子から仲間への移行が早まっていることを踏まえ、家族および社会的育児の協働によって子どもの発達支援につながることを理解できるようにする。また、保育の可能性と限界を踏まえて他の資源と連携できるように、政策、地域、生涯発達の視点から乳幼児期の支援のあり方を探究する。
到達目標:現代社会において、「親」を支援することは子どもの健やかな発達を考えていくための基礎となるものである。子どもと家族について、環境・心理・社会的側面から包括的にとらえられること、生涯発達の視点からとらえられること、子育て支援のコーディネートのあり方など、子どもと家族について生活基盤に軸足を置き,幅広く理解できるようになる。さらに気になる親子、虐待などの具体事例を読み理解できるようになる。家族が社会的資源と連携していけるように、きめ細かな支援のあり方について理解を広げる。各自の関心に応じて課題をもち、自らの視点を取り入れてまとめ、発表し意見交換する。

「乳幼児教育・保育政策論W」 (水曜日/担当:逆井 直紀)
 2015年4月から、子ども・子育て支援新制度(以下、新制度)がスタートし、戦後築かれた幼児教育や保育の制度が、大きく切り替えられようとしています。また地域では、子ども数の減少を受けて、幼稚園や保育所の統廃合が進行しているところもあれば、大都市部のように保育所の待機児童問題が深刻化しているところもあります。
 今まさに、日本の幼児教育や保育は転換期にあり、ここ数年で劇的な変化を遂げることになると予測されています。
 実際に幼稚園・保育所等において日々行われている保育は、政策や制度の影響を大きく受けており、その制度・政策のありようを考えることは、保育実践を主体的に行う上で不可欠な作業といえます。
 後期授業では、講義ごとに、子どもをめぐる社会状況や、施設の統廃合問題や保育所の待機児童問題など乳幼児教育・保育に関わる種々の社会的、政策的問題をテーマとして採り上げ、多彩なゲストスピーカーによる講演や、実際の保育の場を見学するなど、今後の乳幼児教育・保育のあり方をともに考えあうような内容を構想しています。

「現代保育課題研究]」 (木曜日/担当:浜口 順子 他)
 本授業では、受講生自身の関心をもとに、乳幼児の保育や教育に関する問題や、保育現場などで直面するさまざまな課題について、各自研究テーマを設定し、ゼミ形式で話し合いながら研究レポートの作成をめざします。たとえば、子どもの発達や育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援のあり方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、各自のテーマについて検討を行ったり、読書会をするなどして、問題関心を深めていきます。人数が多い場合は、研究テーマによって少人数のグループに分かれるなど、柔軟に対応したいと思います。学期末に、学習・研究結果をまとめて発表しますが、希望者には日本保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「比較保育実践研究X」 (集中講義/担当:金澤 妙子)
〜私が体験したイタリアの保育的日常、そして考えたこと〜
 我が国でイタリアの保育と言えば、古くからはモンテッソーリ、その理論を取り入れたとする実践、1991年(米国News Week誌掲載)以降は、レッジョエミリアの実践が注目される。これらをめぐる多数の論考と動きがイタリアの保育への注目度が高いような雰囲気を醸しても、傑出した理論や方法に基づく以外の保育、1.57ショックと言われた1990年以降、我が国では広がりをみせつつある子育て支援に相当する分野の研究も情報も欠落している。時間も体力も知力も限られていた中ではあるが、現地での実践の観察やそこにかかわる人々の声とすり合わせながら知り得たイタリアの保育の実際を描き、イタリアの保育に関する情報と理解をその分だけは広げられるようにしたい。

集中講義「子ども家庭支援相談W」 (集中講義/担当:安治 陽子)
 子どもと家族にかかわるさまざまな困難や課題が、乳幼児教育・保育の現場でどのように表れるのか、それらをどのように理解し、対応し、親子を支援してゆけるか、現場に即して実践的に考える。その際、効果的な支援を実現するために不可欠な園内連携や保育者自身のメンタルヘルスの維持・向上、中長期的な視野に立った機関連携や地域資源の活用などにも触れ、保育の専門性を生かした親子・家族支援の展開を具体的に考える。

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■平成27年度 前学期 開講科目     ⇒ 印刷ページはこちら

「乳幼児教育・保育政策論V」 (水曜日/担当:逆井 直紀)
 2015年4月から、子ども・子育て支援新制度(以下、新制度)がスタートし、戦後築かれた幼児教育や保育の制度が、大きく切り替えられようとしています。また地域では、子ども数の減少を受けて、幼稚園や保育所の統廃合が進行しているところもあれば、大都市部のように保育所の待機児童問題が深刻化しているところもあります。今まさに、日本の幼児教育や保育は転換期にあり、ここ数年で劇的な変化を遂げることになると予測されています。実際に幼稚園・保育所等において日々行われている保育は、政策や制度の影響を大きく受けており、その制度・政策のありようを考えることは、保育実践を主体的に行う上で不可欠な作業といえます。
 前期授業では、非常に複雑な新制度の概要を理解することを中心課題にしますが、制度解説にとどまらず、子どもに関わる法令や、政策や制度に関わる基礎的・原理的な事項の理解を深めるとともに、政策・制度の歴史的な動向を整理します。また、社会問題としてクローズアップされている子どもの貧困の問題や、大都市部で深刻な待機児童問題など、折々に保育の現状をリアルにとらえられるような情報等を織りこんで、抽象的な学びにならないような工夫をしていきたいと考えております。

「現代保育課題研究\」 (木曜日/担当:浜口 順子 他)
 本授業では、受講生自身の関心をもとに、乳幼児の保育や教育に関する問題や、保育現場などで直面するさまざまな課題について、各自研究テーマを設定し、ゼミ形式で話し合いながら研究レポートの作成をめざします。たとえば、子どもの発達や育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援のあり方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、各自のテーマについて検討を行ったり、読書会をするなどして、問題関心を深めていきます。人数が多い場合は、研究テーマによって少人数のグループに分かれるなど、柔軟に対応したいと思います。学期末に、学習・研究結果をまとめて発表しますが、希望者には日本保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「音楽実践療法U」 (集中講義/担当:下川 英子)
 子どもの音楽療法の視点から音楽の拡がりを考え、障がいの有無に寄らず子どもの発信を受けとめ、コミュニケーションや自己表現を大切にする音楽活動を体験し、柔軟な即興力を身につけることを目的とします。能動的音楽療法は子どもの発するものを大切にして、表出を促したり、他者とのコミュニケーションを深めたりしながら、色々な問題の改善へ向けてゆきます。保育指針にも音楽療法の目的に近似した内容が書かれています。目ざましく発育・発達する子どもにも、ゆっくりな歩みの子どもにも、この時期に大切な物が何なのかを考えて行きましょう。

集中講義「生活リズムと保育T」 (集中講義/担当:堤 ちはる)
 乳幼児期の栄養状態はその後の肥満、2型糖尿病、高血圧や循環器疾患などと関連があることが近年報告されています。そのうえ、味覚や食嗜好の基礎も培われ、それらは将来の食習慣にも影響を与えるために、この時期の食生活や栄養については、生涯を通じた健康、特に生活習慣病予防という長期的な視点からも考える必要があります。しかし、今日は食の外部化、朝食欠食、孤食や個食などの食習慣の乱れや、不適切なダイエットに起因する低体重(やせ)の増加など、健康を阻害する要因も多く存在し、その影響は小児にまで及んでいることから、子どもに関わる仕事をする者には、これらを認識し、解決していくことが求められています。
 本講義では、妊娠期・授乳期から乳幼児期に至るまでの身体的、精神的特徴を理解した上で、食生活・栄養の課題を明確にし、それぞれ実際の場面に展開していきます。さらに、現場で子育てを支援する保育士や幼稚園教諭には何が求められているのか、また、その求めに応じられる人材となるために、どのような学びをしたらよいのかについても「保育の現場」の視点で考えていきます。

集中講義「保育メディア論U」 (集中講義/担当:坂上 浩子・坂井 滋和)
 インターネットに代表される新しいメディアの普及によって、我々を取巻くメディア環境が大きく変化しつつあります。本講義では、こうした状況の下で子どもたちのメディア・リテラシーの土台となる家庭や保育環境をどのように捉え、構築・実践してゆくかについて、乳幼児向けコンテンツ制作の専門家の立場から解説を行ない、受講者間の意見交換を通じて論考を深めていきます。

集中講義「子ども家庭支援相談V」 (集中講義/担当:安治 陽子)
 子どもと家族は、保育の場と家庭を行き来し、その両方を基盤として生活し、さまざまなことを経験しながら成長しています。日々の生活の中には変化や波があり、それまでの親子の歴史や現在の課題、保育のあり方などと複雑に絡み合って、その育ちと課題はそれぞれに多様な表れ方をします。日々の保育実践の中で、このような子どもと家族にかかわり、親子の発達と適応を支援していくことは、今後ますます必要とされる保育者の専門性です。子どもと家族の支援にかかわる理論および技法について、子どもの発達や家族機能のアセスメント、相談支援、他機関との連携なども視野に入れながら、実践的に学びます。

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■平成26年度 後学期 開講科目     ⇒ 印刷ページはこちら

「コミュニティ保育資源の活用W」 (担当:多田 千尋)
 地域との連携と協同が今や不可欠の保育及び幼児教育、子育て支援の中で、 コミュニティの中に人的資源や文化資源を見出し、計画・連携の実行を図れるよう知識を身に付け見聞を広げます。また、現場検証を重視しつつその方法を探り、コミュニティ保育資源の可能性を具体的に探り、地域コミュニティを精査できる力を育むことを目標とします。クオリティの高い学びは現場にこそあり、多くの専門家との交流の中で育まれます。こうした視点を重視した授業を多角的に、多面的に展開します。

「乳幼児発達障害論W」 (水曜日/担当:榊原 洋一)
 乳幼児期に比較的良く見られる神経、精神疾患について概説します。具体的には、てんかん、脳性まひ、筋疾患などの神経疾患、精神遅滞、言語遅滞、協調性運動障害などの発達障害、さらに心身症、不安障害、うつといった精神疾患の特徴、原因と対応について、詳しく解説します。

「現代保育課題研究[」 (木曜日/担当:浜口 順子 他)
 本授業では、受講生自身の関心をもとに、乳幼児の保育や教育に関する問題や、保育現場などで直面するさまざまな課題について、各自研究テーマを設定し、ゼミ形式で話し合いながら研究レポートの作成を目指します。たとえば、子どもの発達や育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援のあり方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、各自のテーマについて検討を行い、研究を進めていきます。人数が多い場合は、研究テーマによって少人数のグループに分かれ、複数の担当教員とともに考察を深めていきます。隔週木曜日の開講を基本としますが、受講生の予定によって柔軟に日程を組んでおり、個別指導を行うこともあります。学期末に、学習・研究結果をまとめて発表します。希望者には日本保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「乳幼児保育マネージメントW」 (集中講義/担当:安治 陽子)
 子どもの育ちは、それぞれに豊かな学びと発達に支えられています。保育の場は、そのような豊かな学びと発達を子ども自身が実現していく場であり、保育者には、それを細やかな配慮のもとに準備し、さまざまな保育・教育資源、人的資源を活用しながら保育環境を構成していく力、さらにその場に応じて―場面の展開に応じて、また子どもの育ちに応じて―柔軟にアレンジしていく力が求められます。子どもの育ちも保護者のニーズも多様化し、保育のあり方も複雑化しているなかで、しかし子どもは、実に豊かな学びを実現し、発達を遂げながら、保育という場で生活体験を積んでいます。子どもの生活体験について、その豊かな学びと発達に即して理解を深め、日々の保育の意味をとらえ直す作業を通して、保育の質向上のための取り組みを自ら駆動していく力をつけていくことを目標とします。

集中講義「子ども理解と保育の探究W」
(集中講義/担当:刑部 育子・浜口 順子・小玉 亮子)
 3名の講師がそれぞれの視点からビジュアル資料を中心に取り上げ、子ども理解を試みます。①写真を材料にしたワーク(刑部)、②戦前の幼児の教育絵本から子ども観の変化を読む(浜口)、③映画から考える子ども達の今(小玉)などの内容を予定しています。

集中講義「比較保育実践研究W」 (集中講義/担当:大和 洋子)
 「多文化化する日本の社会における子どもと多文化共生」をテーマとして考えます。日本においても様々な出自を持つ人たちが増えてきました。そこで日本の移民政策の歴史を振り返りつつ、改めて日本社会における多文化化を再確認し、正しい背景知識を持つことを目指します。そして様々な文化的背景にある子どもたちやその両親の思いに気づけるよう、主にアジア諸国の保育環境がどのようなものかをビデオ映像やドキュメンタリー、映画といった映像や出版物を通して観察し、各地域が持つ文化的背景の違いを学習します。また、宗教は生活の一部となっている国や地域もあります。宗教による生活習慣の相違も知識として理解することを目指します。教育現場において「なぜ?・どうして?」と疑問に思う行動に出る子どもや、親の要求の背景には必ず理由があります。気が付かないうちに偏見や差別のまなざしを向けることのないよう、私たちが当たり前、常識と思っている事がユニバーサルなものなのかを受講生の皆さんと再確認していきたいと思います。

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「乳幼児発達障害論V」 (水曜日/担当:榊原 洋一)
 人の子どもの発達は、遺伝と環境の相互作用によって決定されている。本講義では、生物学的・医学的な視点で、子どもの発達とその障害について概説する。前学期では、特に近年社会的関心の高い発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害など)について詳説する。

「現代保育課題研究Z」 (木曜日/担当:榊原 洋一 他)
 本授業では、受講生自身の関心をもとに、乳幼児の保育や教育に関する問題や、保育現場などで直面するさまざまな課題について、各自研究テーマを設定し、ゼミ形式で話し合いながら研究レポートの作成をめざします。たとえば、子どもの発達や育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援のあり方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、各自のテーマについて検討を行い、研究を進めていきます。人数が多い場合は、研究テーマによって少人数のグループに分かれ、複数の担当教員とともに考察を深めていきます。隔週木曜日の開講を基本としますが、受講生の予定によって柔軟に日程を組んでおり、個別指導を行うこともあります。学期末に、学習・研究結果をまとめて発表しますが、希望者には日本保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「コミュニティ保育資源の活用V」 (集中講義/担当:築地 律)
 子どもは、園(幼稚園・保育園)での時間、家庭での時間、地域コミュニティでの時間を合わせた24時間を過ごしています。ともすると「園の中にいる子ども」「3年間(あるいは6年間)の園生活」に限定しがちな視点を、長い一生のうちの「子どもの時間」として見つめなおし、保育への地域資源の活用と、保育が地域にかかわっていくことの意義をみんなで考えたいと考えています。「子育てする地域文化の創造」を目指す三鷹市において、市民との協働によって運営されている「星と森と絵本の家」の活動を資料源とします。

集中講義「乳幼児保育マネージメントV」 (集中講義/担当:安治 陽子)
 子どもや家族をとりまく社会的変化や保育の制度改革を背景として、保育のあり方は次第に複雑化し、保育空間も時間の構成も、集団の枠組みも、保護者の保育参加のあり方も、今後さらに多様化していくことが予想されています。現代の保育者の課題は、乳幼児の発達にかかわる教育資源(リソース)を豊かに想定し、それらを上手に日々の子どもたちの生活に取り入れる力を身につけていくことでしょう。本授業では、子どもの成長・発達にかかわる保育・教育資源を活用するうえでの『舵取り』力の養成を目指しています。前学期では特に「保育環境」に焦点を当てて検討し、質の向上を目指して先駆的な取り組みをしている園の実践に学び、運営上の課題を明らかにしていきます。施設見学なども取り入れる予定です。

集中講義「子ども理解と保育の探究V」 
(集中講義/担当:高濱 裕子・浜口 順子・柴坂 寿子)
 3名の講師がそれぞれの視点から「子ども理解」について考えます。①東アジアにおける親の社会化の特徴:日本、韓国、中国の比較(高濱)、②時代による子ども・保育理解の変化(浜口)、③幼稚園・保育園での子どもの仲間文化の理解(柴坂)などのテーマを予定しています。幼児教育学、発達心理学、子ども行動学のそれぞれの視野が交錯するところから、子どもについて考えましょう。現場の保育者や社会人の方と、大学の学生がともに受講する場となります。

集中講義「現代育児論U」 
(集中講義/担当:大日向 雅美・上垣内 伸子・大豆生田 啓友)
 現代の子ども、子育て、保育や子育て支援について、3名の講師がそれぞれの視点から取り上げます。最新の子育て支援施策の動向、地域における子育て支援と人材活用などについて、また今後の保育のあり方について、ともに考えましょう。

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■平成25年度 後学期 開講科目     ⇒ 印刷ページはこちら

「乳幼児教育・保育政策論U」 (火曜日/担当:逆井 直紀)
 2012年8月、国会で子ども・子育て関連法が成立し、戦後築かれた幼児教育や保育の制度が、大きく切り替えられようとしています。また地域では、子ども数の減少を受けて、幼稚園を中心に保育施設の統廃合がすすんでいますが、大都市部では保育所の待機児童問題が深刻化しています。今まさに、日本の幼児教育や保育は転換期にあり、ここ数年で劇的な変化を遂げることになると予測されます。実際に幼稚園・保育所等において日々行われている保育は、政策や制度の影響を大きく受けており、その制度・政策のありようを考えることは、保育実践を主体的に行う上で不可欠な作業といえます。
 後期授業では、貧困などの子どもをめぐる社会状況や、施設の統廃合問題や保育所の待機児童問題など乳幼児教育・保育に関わる種々の社会的、政策的問題を採り上げ、今後の乳幼児教育・保育のあり方をともに考えあうような内容を構想しています。

「子どもと家族」 (水曜日/担当:加藤 邦子)
 少子高齢化社会における子育て支援の具体例を挙げながら、乳幼児期の子どもと家族に関する理解を深めます。親子から仲間への移行が早まっていることを踏まえ、家族および社会的育児の協働によって子どもの発達支援につながることを理解できるようにします。また、保育の可能性と限界を踏まえて他の資源と連携できるように、政策、地域、生涯発達の視点から乳幼児期の支援のあり方を探究します。各自の関心に応じて課題を設定し、自らの視点を取り入れてまとめ、授業の中で発表します。

「現代保育課題研究Y」 (木曜日/担当:浜口 順子 他)
 本授業では、受講生自身の関心をもとに、乳幼児の保育や教育に関する問題や、保育現場などで直面するさまざまな課題について、各自研究テーマを設定し、ゼミ形式で話し合いながら研究レポートの作成をめざします。たとえば、子どもの発達や育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援のあり方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、各自のテーマについて検討を行い、研究を進めていきます。人数が多い場合は、研究テーマによって少人数のグループに分かれ、複数の担当教員とともに考察を深めていきます。隔週木曜日の開講を基本としますが、受講生の予定によって柔軟に日程を組んでおり、個別指導を行うこともあります。学期末に、学習・研究結果をまとめて発表しますが、希望者には日本保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「比較保育実践研究V」 (秋期集中/担当:翁 麗芳)
 異郷に出てから、自国のことがより見えるようになった経験はありますか。私は、日本に留学してから台湾の幼児教育のルーツを探り始めました。歴史を通して台湾の幼児教育に携わりながら、台湾と日本の接点または衝突点を探っています。授業では、台湾における幼児教育の形成と発展、幼児教育制度の変遷について紹介するとともに、台湾社会における子ども像、多民族台湾における子育ての現状を紹介し、台湾と日本の比較を通して、子ども観を裏付ける社会文化、グローバル社会における子育てや幼児教育のあり方について考えていきます。日本の幼児教育者も、台湾を通して日本の幼児教育がより見えてくるのではないだろうかと期待しています。

集中講義「子ども家庭支援相談U」 (冬期集中/担当:安治 陽子)
 子どもや家族と日常的なかかわりをもち、地域に根ざした保育の現場は、その親子や地域社会について、量・質ともに豊かな情報を持っています。だからこそ保育者は、親子の支援を展開する際のキーパーソンになりえます。親子の困難や課題の理解および支援について、心理臨床の理論と技法を紹介しながら、保育の現場に即して実践的に考えます。効果的な支援を実現するために不可欠な園内連携や保育者自身のメンタルヘルスの維持・向上、中長期的な視野に立った機関連携や地域資源の活用などにも触れ、保育の専門性を生かした親子・家族支援の展開を具体的に考えます。

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「音楽実践療法」 (火曜日/担当:下川 英子)
 子どもの音楽療法の視点から音楽の拡がりを考え、コミュニケーションや自己表現を大切にする音楽活動を保育や統合保育、特別支援教育に生かすことを目的とします。能動的音楽療法は子どもの発するものを大切にして、表現や他者とのコミュニケーションを深め、色々な問題の改善へ向けてゆきます。保育指針にも近似した内容が書かれていますがなぜでしょう。教え込む音楽・そろえる音楽ではなく、表現する音楽・仲間とコミュニケーションをとる音楽を、一緒に体験し考えてみましょう。

「乳幼児教育・保育政策論T」 (水曜日/担当:逆井 直紀)
 2012年8月、国会で子ども・子育て関連法が成立し、戦後築かれた幼児教育や保育の制度が、大きく切り替えられようとしています。また地域では、子ども数の減少を受けて、幼稚園を中心に保育施設の統廃合がすすんでいますが、大都市部では保育所の待機児童問題が深刻化しています。今まさに、日本の幼児教育や保育は転換期にあり、ここ数年で劇的な変化を遂げることになると予測されます。 実際に幼稚園・保育所等において日々行われている保育は、政策や制度の影響を大きく受けており、その制度・政策のありようを考えることは、保育実践を主体的に行う上で不可欠な作業といえます。
 前期授業では、幼稚園・保育所に関わる政策や制度に関わる基礎的・原理的な事項の理解を深めるとともに、戦後を中心にその動向を整理します。また、大震災後の被災地の保育状況など、折々に保育の現状をリアルにとらえられるような情報等を織りこんで、抽象的な学びにならないような工夫をしたいと考えています。

「現代保育課題研究X」 (木曜日/担当:榊原 洋一 他)
 本授業では、受講生自身の関心をもとに、乳幼児の保育や教育に関する問題や、保育現場などで直面するさまざまな課題について、各自研究テーマを設定し、ゼミ形式で話し合いながら研究レポートの作成をめざします。たとえば、子どもの発達や育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援のあり方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、各自のテーマについて検討を行い、研究を進めていきます。人数が多い場合は、研究テーマによって少人数のグループに分かれ、複数の担当教員とともに考察を深めていきます。隔週木曜日の開講を基本としますが、受講生の予定によって柔軟に日程を組んでおり、個別指導を行うこともあります。学期末に、学習・研究結果をまとめて発表しますが、希望者には日本保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「保育メディア論」 (夏期集中/担当:一色 伸夫・坂上 浩子)
 身の回りに氾濫するテレビ、ビデオ、ゲーム、インターネットなど多様な映像メディアに、子どもたちは大変興味を惹かれます。21世紀の高度情報化社会で、子どもたちが健やかに育つために、子どもとメディアの良い関係を築くための様々な研究や教育に関して論考します。幼児とメディアの関係について、その特徴や制作プロセスの解説を行なうことによって、視聴覚メディアを用いた教育の持つ機能とその役割に関して様々なコンテンツや研究から考察します。(一色伸夫)
 メディア激変期を生きる子どもたちの発達・発育において、メディアに触れる・触れないと言ったプリミティブな議論ではなく、コンテンツの質とコミュニケーションの関係、そして社会的・歴史的なマクロな視点での議論が、ますます必要となっています。そこで当授業では、具体的な番組やコンテンツを題材として、メディアと子どもの良い関係をつくるための社会的条件について考察を深めます。家庭や保育現場でメディア・リテラシーの土台を如何につくっていくかについて、国内外の乳幼児コンテンツ制作の現状をひも解きながら、望ましいメディアの内容と利用の方法を具体的に考えていきます。(坂上浩子)

集中講義「子ども家庭支援相談T」 (夏期集中/担当:安治 陽子)
 子どもと家族は、保育の場と家庭を行き来し、その両方を基盤として生活し、さまざまなことを経験しながら成長していきます。日々の生活の中には変化や波があり、それまでの親子の歴史や現在の課題、保育のあり方などと複雑に絡み合って、その育ちと課題はそれぞれに多様な表れ方をします。日々の保育実践の中で、このような子どもと家族にかかわり、親子の発達と適応を支援していくことは、今後ますます必要とされる保育者の専門性です。子どもと家族の支援にかかわる理論および技法について、子どもの発達や家族機能のアセスメント、相談支援、他機関との連携なども視野に入れながら、実践的に学びます。

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■平成24年度 後学期 開講科目     ⇒ 印刷ページはこちら

「コミュニティ保育資源の活用U」 (火曜日不定期/担当:多田 千尋)
 地域との連携と協同が今や不可欠の保育及び幼児教育、子育て支援の中で、コミュニティの中に人的資源や文化資源を見出し、計画・連携の実行をするうえで、その方法を探り、文化構想を展開する道標を検証する。また、2008年4月に廃校となった元小学校に、地域住民とNPOとの文化協働で創設された東京おもちゃ美術館及び赤ちゃん木育ひろばなどの現場検証も十分に実施し、できる限り学外に出向きミュージアムや子育て支援施設の持つ保育資源の可能性も考察する。
(1) 保育施設が地域と繋がりあう文化協働とは何か
(2) 地域で保育資源を紡ぐ、保育資源を創る
(3) 地域とのファシリテーター、インタプリターとしての保育者の可能性
(4) 老若男女共同参画から見た子育て支援施設の可能性
(5) 東京おもちゃ美術館が創る「多世代交流」「幼老統合ケア」

「乳幼児発達障害論U」 (水曜日/担当:榊原 洋一)
 乳幼児発達障害論後期では、前期に引き続き、乳幼児期に比較的良く見られる神経、精神疾患について概説する。具体的には、てんかん、脳性まひ、筋疾患などの神経疾患、精神遅滞、言語遅滞、協調性運動障害などの発達障害、さらに心身症、不安障害、うつといった精神疾患の特徴、原因と対応について、詳しく解説する。

「現代保育課題研究W」 (木曜日/担当:浜口 順子 他)
 本授業は、ゼミ形式で話し合いながら、まず受講生自身の関心をもとに乳幼児の保育実践や教育に関するさまざまな問題について各自研究テーマを設定し、最後に研究レポートを作成することをめざします。個別指導が可能となるように、グループ別のゼミも行う予定です。子どもの発達・育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援の在り方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、身近な関心から多様なテーマを取り上げ、受講者どうしのコミュニケーションを楽しみながら各自の考察が深まる時間にしたいと思います。

「子ども理解と保育の探究U」 (金曜日/担当:菊地 知子)
 居住まい、居心地、居場所、居る/居ない/居なくなる、居にくさ/居やすさ等、「居る」ということをキーワードに、子ども・保育を考え、人が人を理解するということについて考える。「子ども理解と保育の探求T」に引き続き、現代の日本において多彩で重厚な保育的活動を展開している方々や実践を支えるユニークな人たちをお招きしてお話をうかがう。各ゲスト講師には、1回ないし2回ずつ、時にワークショップも交えながら独自に授業を展開してもらい、2回目ないし3回目には、受講者からの発言(質問・意見・感想)を生かしつつ、ゲスト講師と当授業担当者との対談によるまとめを行う。受講者一人ひとりが「保育=共に生きること」の実践者・当事者として参加し、自らの思考を発展させられる場となることを目指す。

集中講義「乳幼児保育マネージメントU」 (集中講義/担当:安治 陽子 他)
 子どもの育ちは、それぞれに豊かな学びと発達に支えられている。保育の場は、そのような豊かな学びと発達を子ども自身が実現していく場であり、保育者には、それを細やかな配慮のもとに準備し、さまざまな保育・教育資源、人的資源を活用しながら保育環境を構成していく力、さらにその場に応じて―場面の展開に応じて、また子どもの育ちに応じて―柔軟にアレンジしていく力が求められる。子どもの育ちも保護者のニーズも多様化し、保育のあり方も複雑化しているなかで、しかし子どもは、実に豊かな学びを実現し、発達を遂げながら、保育という場で生活体験を積んでいる。子どもの生活体験について、その豊かな学びと発達に即して理解を深め、日々の保育の意味をとらえ直す作業を通して、保育の質向上のための取り組みを自ら駆動していく力をつけていくことを目標とする。

集中講義「比較保育実践研究U」 (集中講義/担当:星 三和子)
 ヨーロッパの保育について概要を知り、また実際の保育の例を映像と資料から学ぶ。日本とは異なる保育の歴史、制度、文化をもつ国で行われている保育を知ることは、共有する点はもとより、日本の保育についての考えを相対化し新しい視点から見直すことを可能にする。また討論を通して、実践者の日々の自身の保育実践への省察の機会も提供したい。講義、資料と映像をもとに、実践者としての経験を交えた討論を行い、それを実践の場への示唆に返していけるような授業を全員が作っていくことを期待する。

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「コミュニティ保育資源の活用T」 (火曜日隔週/担当:築地 律)
 子どもは、園(幼稚園・保育園)での時間、家庭での時間、地域コミュニティでの時間を合わせた24時間を過ごしています。ともすると「園の中にいる子ども」「3年間(あるいは6年間)の園生活」に限定しがちな視点を、長い一生のうちの「子どもの時間」として見つめなおし、保育への地域資源の活用と、保育が地域にかかわっていくことの意義をみんなで考えたいと考えています。「子育てする地域文化の創造」を目指す三鷹市において、市民との協働によって運営されている「星と森と絵本の家」の活動を資料源とします。

「乳幼児発達障害論T」 (水曜日/担当:榊原 洋一)
 人の子どもの発達は、遺伝と環境の相互作用によって決定されている。本講義では、生物学的・医学的な視点で、子どもの発達とその障害について概説する。前学期では、特に近年社会的関心の高い発達障害(高機能自閉症、注意欠陥、多動性障害など)について詳説する。

「現代保育課題研究V」 (木曜日/担当:榊原 洋一 他)
 本講座は少人数の受講生が、各自の保育現場(保育園、幼稚園、子育て支援センター)などで直面するさまざまな問題や、子どもの発達、行動に関する課題を主題として研究テーマを設定し、ゼミ形式で進めてゆくものである。これまでのテーマとしては、子どもの行動や発達に関する主題(落ち着きのない子どもの保育など)、子どもの行動観察とドキュメンテーション、保育習慣(午睡など)、保育行政(夜間保育)などが挙げられる。学習、研究結果を最後にまとめて発表するが、希望者には、日本保育学会などでの発表もサポートする。

「子ども理解と保育の探究T」 (金曜日/担当:菊地 知子)
 どの時代のどの社会も、ひとはひとをひととして育て、生きさせてきた。保育・子育てと呼ばれる営みを抜きに人の歴史は無かったと言っても過言ではないだろう。当授業では、人間が古来子どもにどのようなまなざしを向け理解しようとしてきたかを概観しつつ、現代の日本において多彩で重厚な日々の保育を担いまた支えるユニークな人たちをお招きして直接お話をうかがう。各ゲスト講師には、1回ないし2回ずつ、時に実技などの実践も交えながら独自に授業を展開してもらい、2回目ないし3回目には、受講者からの発言(質問・意見・感想)を生かしつつ、ゲスト講師と当授業担当者との対談によるまとめを行う。受講者が授業者と共に積極的かつ多様に感じ考え発言し合うことで、自らの思考を発展させられる場となることを目指す。

集中講義「乳幼児保育マネージメントT」 (夏期集中/担当:安治 陽子 他)
 近年、乳幼児を集団で保育するあり方が、次第に複雑化している。保育空間も時間の構成も、集団の枠組みも、時間も、保護者の保育参加の在り方も、極めて多様化してきた。現代の保育者の課題は、乳幼児の発達にかかわる教育資源(リソース)を豊かに想定し、それらを上手に日々の子どもたちの生活に取り入れる力を身につけていくことであろう。乳幼児保育マネージメントでは、子どもの成長・発達にかかわる教育資源を活用するうえの『舵取り』力の養成を目指している。わが国の乳幼児の集団保育の運営が、「管轄」からはじまって、「保育空間」と「時間」と「集団運営」そして「保育の理念」までも固定化の歴史をたどってきた歴史を振り返りつつ、質の向上を目指して先駆的な取り組みをしている園の実践に学び運営上の課題を明らかにしていく。前学期では、主として「保育環境」に焦点を当て検討していく。

集中講義「現代育児論」 (夏期集中/担当:汐見 稔幸・小西 行郎・大日向 雅美)
「赤ちゃん学からみた発達障害」(小西 行郎)
 近年、増加の一途をたどる発達障害ですが、その発生メカニズムや診断についてはまだ明らかになっていません。今回はそうしたことについて、赤ちゃん学の立場から共に考え、さらにこうした子どもたちが地域で生き生きと暮らしていくために、私たちが何をなすべきかについて討論したいと思います。

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■平成23年度 後学期 開講科目    ⇒ 印刷ページはこちら

「子どもと家族」 (月曜日/担当:加藤 邦子)
 この授業では、育児期の家族が置かれている状況を紹介するなかで、統計を用いた研究と質的方法による研究を取り上げ、現代家族について家族社会学の視点から学ぶことを目標とします。家族の中の関係性については、親子関係や夫婦関係が中心となりますが、育児の社会化を考慮した上で、保育所や幼稚園、子育て支援と家族との関わりについても注目し、こども−家族−社会のつながりと構造を取り上げます。また、家庭支援のあり方について具体的に考えられる視点を学びます。

「乳幼児教育・保育政策論U」 (水曜日/担当:逆井 直紀)
 子ども数の減少を受けて、地方では幼稚園を中心に保育施設の統廃合がすすんでいます。一方で大都市部では保育所の待機児童問題が深刻化しています。また、現在政府レベルでは、幼保一体化が提起されるなど幼児教育や保育の制度や政策は、今転換期にあるといえます。 実際に幼稚園・保育所等において日々行われている保育は、政策や制度の影響を大きく受けています。制度・政策のありようを考え、保育実践を主体的に行う上で役立てていくことを授業の目標とします。
  前期授業では、幼稚園・保育所に関わる政策や制度に関わる基礎的・原理的な事項の理解を深めるとともに、戦後を中心にその動向を整理しました。後期授業では、貧困などの子どもをめぐる社会状況や、施設の統廃合問題や保育所の待機児童問題など乳幼児教育・保育に関わる種々の社会的、政策的問題を採り上げ、今後の乳幼児教育・保育のあり方をともに考えあうような内容を構想しています。

「現代保育課題研究U」 (木曜日/担当:浜口 順子 他)
 本授業は、ゼミ形式で話し合いながら、まず受講生自身の関心をもとに乳幼児の保育実践や教育に関するさまざまな問題について各自研究テーマを設定し、最後に研究レポートを作成することをめざします。受講者が多い場合、なるべく個別指導が可能となるように、グループ別のゼミも行う予定です。
 子どもの発達・育ちと保育の関係、実践現場における子育て支援の在り方、観察記録やカンファレンスの活用、保育環境や表現の問題、海外の保育との比較や保育の歴史など、身近な関心から多様なテーマを取り上げ、受講者どうしのコミュニケーションを楽しみながら各自の考察が深まる時間にしたいと思います。

集中講義「比較保育実践研究T」 (1月集中/担当:ベルガー 有希子)
 ドイツにおける子どもと保育に関する州と連邦政府の政策などの共通点と独自性を、ミュンヘン市の子育て環境と保育現場の実態から探り、日本の子どもと保育の在り方を比較検討します。
 ドイツはキンダーガルテン発祥の地として、また近年ではルドルフ・シュタイナーの教育実践を創出した国として、日本の幼児教育関係者には馴染みの深い国です。しかし、ドイツは子育てや保育に関する整備の計画と内容指導について各州が責任をもつという地方自治体の権限の強い国であることはあまり知られていません。そこで、今期の授業では、バイエルン州の「バイエルン陶冶保育プラン(BEP)」(2005年制定)の目標と指導原理を紹介し、そのプランの具体的な展開についてはミュンヘン市公立幼稚園教諭および育児支援センターのスタッフとしての経験を踏まえ、映像を通して紹介します。さらに、去年11月からバイエルン州でも取り組みを始めた幼稚園と保育園との統合政策についても触れる予定です。

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「音楽実践療法」 (月曜日/担当:下川 英子)
 子どもの音楽療法の実際から音楽の拡がりを考え、コミュニケーションや自己表現を大切にする音楽活動を保育や特別支援教育に生かすことを目標とします。「ドレミ」や「楽譜通りにそろえる事」は音楽の持つほんの一面です。世界の音楽の中にはもっと楽しく自己表現しあうものがたくさんあります。特に幼児期に大切な事は、他者とコミュニケーションをとることが楽しいとしっかり心身ともに分らせてあげることではないでしょうか。楽器活動も子どもから出てくる表現を大切にして、それをコミュニケーションに使う…そんな音や楽器の使い方を学びます。

「乳幼児教育・保育政策論T」 (水曜日/担当:逆井 直紀)
 子ども数の減少を受けて、地方では幼稚園を中心に保育施設の統廃合がすすんでいます。一方で大都市部では保育所の待機児童問題が深刻化しています。また、現在政府レベルでは、幼保一体化が提起されるなど幼児教育や保育の制度や政策は、今転換期にあるといえます。実際に幼稚園・保育所等において日々行われている保育は、政策や制度の影響を大きく受けています。制度・政策のありようを考え、保育実践を主体的に行う上で役立てていくことを授業の目標とします。
 前期授業では、幼稚園・保育所に関わる政策や制度に関わる基礎的・原理的な事項の理解を深めるとともに、戦後を中心にその動向を整理します。

「現代保育課題研究T」 (木曜日/担当:榊原 洋一 他)
 本授業は、少人数の受講生が、各自の保育現場(保育園、幼稚園、子育て支援センター)などで直面するさまざまな問題や、子どもの発達、行動に関する課題を主題として研究テーマを設定し、ゼミ形式で進めていきます。これまでのテーマとしては、子どもの行動や発達に関する主題(落ち着きのない子どもの保育など)、子どもの行動観察とドキュメンテーション、保育習慣(午睡など)、保育行政(夜間保育)などが挙げられます。学習、研究結果を最後にまとめて発表しますが、希望者には保育学会などでの発表もサポートします。

集中講義「保育メディア論」 (夏期集中/担当:一色 伸夫・坂上 浩子)
 身の回りに氾濫するテレビ、ビデオ、ゲーム、インターネットなど多様な映像メディアに、子どもたちは大変興味を惹かれます。21 世紀の高度情報化社会で、子どもたちが健やかに育つために、子どもとメディアの良い関係を築くための様々な研究や教育に関して論考します。幼児とメディアの関係について、その特徴や制作プロセスの解説を行なうことによって、視聴覚メディアを用いた教育の持つ機能とその役割に関して様々なコンテンツや研究から考察することを目標とします。
 家庭や保育現場でメディア・リテラシーの土台を如何につくっていくかについて、国内外の乳幼児コンテンツ制作の現状をひも解きながら考え、メディアと子どもの良い関係をつくるための社会的条件について考察を深めます。具体的には、まず、乳幼児向けのテレビ番組がどのような意図や過程でつくられるかを把握します。そして歴史的に、子ども観の変遷や子育てなどの社会問題といかに結びついてきたかを問題提起します。また、最近の赤ちゃん研究とメディアの関係を取り上げ、最終的には、メディア・リテラシーの観点から、保育現場と家庭での望ましいメディア利用の方法を具体的に考えていきます。

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■平成22年度 後学期 開講科目    ⇒ 印刷ページはこちら

「コミュニティ保育資源の活用U」 (火曜日/担当:多田 千尋)
 地域との連携と協同が今や不可欠の保育及び幼児教育、子育て支援の中で、コミュニティの中に人的資源や文化資源を見出し、計画・連携の実行をするうえで、その方法を探り、文化構想を展開する道標を検証する。また、2008年4月に廃校となった元小学校に、地域住民とNPOとの文化協働で創設された東京おもちゃ美術館での現場検証も十分に実施し、ミュージアムの持つ保育資源の可能性も考察する。
 (1)保育施設が地域と繋がりあう文化協働とは何か
 (2)地域で保育資源を紡ぐ、保育資源を創る
 (3)地域とのファシリテーター、インタプリターとしての保育者の可能性
 (4)老若男女共同参画から見た子育て支援施設の可能性
 (5)東京おもちゃ美術館が創る「多世代交流」「幼老統合ケア」

「乳幼児発達障害論U」 (水曜日/担当:榊原 洋一)
 本講では前学期に引き続き、乳幼児期に比較的よく見られる神経、精神疾患について概説する。具体的には、てんかん、脳性まひ、筋疾患などの神経疾患、精神遅滞、言語遅滞、協調性運動障害などの発達障害、さらに心身症、不安障害、うつといった精神疾患の特徴、原因と対応について、詳しく解説する。

「乳幼児保育マネージメントU」 (木曜日/担当:大戸 美也子)
 幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための一元的なシステム作りを目指して、政府はこのたび「子ども・子育て新システム」を公表した(H22.6.25)。子ども手当てなど子育て支援の財源を一元化し、幼稚園と保育園を一体化した『子ども園』(仮称)にしようというのが新システムの柱である。就学前の子どもたちの教育と保育と子育て支援の三位一体を図ると同時に、その水準を保っていくためには、保育時間と空間と保育者の構成、そして保護者との関係の在り方の全体を見直し、乳幼児保育・教育の新たな運営方法について検討する必要がある。
 本講では、幼保一体的運営を実施している国内外の先行例の分析(ケース・スタディ)を通して、乳幼児の発達に必要な多様な機能の質を確保するための条件を具体的に探り、「子ども・子育て新システム」運営の指標を描くことを目的とする。なお、幼・保一体的運営施設の見学も予定している。

「子ども理解と保育の探究U」 (金曜日/担当:上垣内 伸子)
 遊びに込めた子どもの気持ちに共感しつつ自己充実を援助すること、仲間関係や活動の中で困難さに直面している子どもに寄り添い支えること、一人一人が充分に自己発揮できるような環境を創り出すこと。このように保育は子どもと保育者が今ここで関わり育つ場である。参加者が保育事例を持ち寄り、個々の子どもの発達と心的世界の理解、それに対する援助のあり方の探求、保育者自身の自己理解と子どもとの関係理解という子どもと保育者の二側面から考察し、参加者相互に多様な視点や解釈に触れながら自己の理解を深めていくことを目指したい。

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「コミュニティ保育資源の活用T」 (火曜日/担当:築地 律)
 地域の子育て力が低下したことで親の育児負担が増大したと言われて久しく、各種の子育て支援施策も、子育て中の親に対するサービス付与の視点から、「地域づくり」「関係づくり」への取り組みへと拡大しつつある。「子育てする地域文化を創造」を目指す三鷹市は、昨年七夕に「星と森と絵本の家」を立ち上げた。この活動を資料源に以下の事項について検討し、「地域作り」「関係作り」のあり方について理解を深めることを目的とする。実際に、「星と森と絵本の家」での活動への参加も予定している。
 (1)施設の立ち上げの過程で、地域社会の環境、風土、歴史文化、人材が
    どのように生かされたか?
 (2)施設での具体的活動の展開
 (3)コミュニティ保育資源の活用を考える

「乳幼児発達障害論T」 (水曜日/担当:榊原 洋一)
 人の子どもの発達は、遺伝と環境の相互作用によって決定されている。本講義では、生物学的・医学的な視点で、子どもの発達とその障害について概説する。特に近年社会的関心の高い発達障害(高機能自閉症、注意欠陥、多動性障害など)について詳説する。

「乳幼児保育マネージメントT」 (木曜日/担当:大戸 美也子)
 乳幼児を集団で保育する場合、子どもたちと保育者の関係の質には、クラス編成、保育者のチームワーク、保育環境の設定そして保護者との関係の在り方等が深くかかわっている。本講では、乳幼児の集団運営にかかわる諸要素の一つ一つを吟味し、保育の質を高める多様な仕方を探ることを目的とする。乳幼児集団の運営についての歴史的・文化的背景の理解とともに、新しい集団運営を試みている園について、実践の当事者である園長を交えてのケース・スタデイをおこない、保育運営上の課題を具体的に検討していく。前学期では、主として『クラス編成の在り方』に焦点を当て、以下の課題について講義と演習を実施する。
 (1)乳幼児保育のクラス編成の歴史的変遷過程を辿り、今後の方向を洞察する
 (2)異年齢クラス編成による集団運営のケース・スタデイ(幼稚園1と保育園2)
 (3)年齢別クラス編成と異年齢クラス運営の融合:運営上の課題の検討

「子ども理解と保育の探究T」 (金曜日/担当:上垣内 伸子)
 保育者の実践記録や保育場面の映像等をテキストとして共有し、そこにあらわされた具体的人・モノ・状況・関係に即しながら討論することを通して子どもの行為の意味を探り、子ども理解を深めていく。さらに、子ども理解から具体的保育援助へと至る過程で保育者の中で何が起こっているのか、ていねいにそのプロセスをたどりながら考えていく。前学期の講義では「アタッチメント」「アフォーダンス」「心の理論」など、保育を成立させている保育理論、発達理論を取り上げて整理し、受講生の保育理解、子ども理解の促進につなげたいと考えている。

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