焙煎して香りを深めます
色とりどりのスパイスがカレー粉になります
講義の様子
「エビデンス食教育論」 
 食品成分からみた二次機能・三次機能とエビデンス
 スパイス&ハーブを通じたコミュニケーションについて
 (ヱスビー食品)

 
平成24年7月3日
焙煎して香りを深めます
色とりどりのスパイスがカレー粉になります
講義の様子

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【学生の感想】
「『スパイスやハーブを使わなくてもおいしいものはできる。だけど、使った方がよりおいしくなるから子どもたちに知ってほしい』という言葉が印象的でした」
「一つ一つをかいでもあまりカレーの感じはしなかったのに、混ぜるとカレーになってびっくりでした」
「カレー粉をツナマヨに入れたら、カレー粉の風味でツナマヨの味がかすれてしまうんじゃ…?と懸念していましたが、むしろ味が濃くなるように感じました。スパイスを使うことによる減塩効果は確かにある!と実感しました」
「実習を行い、自分の手を動かすことは楽しく、かつ記憶に残るので、食育の手法としては非常に有用だと思います」

 講義に引き続き、「オリジナルカレー粉づくり」の実習も行いました。スパイスの調合・焙煎を行い、焙煎前後で香りがどう変化するかを比較しました。またスパイスとハーブによる減塩効果を実感するため、ツナマヨネーズにカレー粉を加える前後での味の比較という内容も盛り込んでいただきました。

 今回カレー粉の材料として用いたスパイスとハーブは、香りをつけるクミン、カルダモン、シナモン、クローブ、ローレル、オールスパイス、コリアンダー、ガーリックの8種、色をつけるターメリック、辛みをつけるチリペッパー、ジンジャー、ブラックペッパーの計12種類です。ひとつひとつの香りはそれぞれ全く異なる個性を持ちますが、これがブレンドされるとカレーのような香りになり、さらに焙煎するといかにもカレーという香りに変わっていきます。また、カレー粉を混ぜたツナマヨは、何も混ぜないものに比べてツナマヨ自体の味が引き立ち、食べやすくなることがわかりました。
 カレー粉は1か月ほどの熟成期間を経ると、落ち着いたバランスのよい味になるそうです。自分で作ったカレー粉がどんな味になり、どんなふうに使えるか、楽しみですね

Ⅱ.実習:オリジナルカレー粉づくりと試食
 「スパイス&ハーブマスター」は2003年からはじまった同社の社内資格で、現在13人の有資格者は各部署での業務に取り組みつつ、その知識を生かして社外との様々なコミュニケーションを行っています。
 同社WEBサイトにおけるコミュニケーションとして、スパイスやハーブに関する情報発信の他、スパイス&ハーブマスターに直接質問できるサポートデスクのご紹介がありました。
 ダイレクトコミュニケーションとしては、東京都板橋区内の小学校との連携事業による特別授業の実施や、同社事業所や量販店での料理教室等イベントの開催などがあり、スパイスとハーブのある生活の提案を、対象者に応じた形で行っています。
 例えば子どもたちに対しては、「自然の恵み」「手作りの楽しさや達成感」「食べる楽しみ・喜び」を通じて、食に対する関心と感謝の気持ちを育てることを目指しています。一方で大人に対しては、これらにスパイスとハーブの実用的な知識や、減塩などの健康効果といった内容をプラスしています。
Ⅰ.講義:ヱスビー食品における食を通じたコミュニケーション
 「エビデンス食教育論」は、食に関する様々な学問領域の視点から、食情報におけるエビデンス(科学的根拠)の重要性を認識することを目的とする科目です。栄養化学、調理科学、公衆栄養学、食品化学など各領域の本学専任教員が、オムニバス形式で担当しています。この日の講義は食品化学の応用的位置づけで、ヱスビー食品(株)スパイス&ハーブマスター有資格者をお招きし、同社でのスパイス&ハーブを通じた食育の取り組みのご紹介(講義)、および食育体験(実習)の二本立てで行われました。