【1日目】
朝8時15分に大学に集合し、貸切バスで宇都宮大学まで移動です。到着後、先生方のご挨拶、施設等のオリエンテーションがあり、講義、実習、学生交流会と盛りだくさんの一日を過ごしました。

1)ウシの生殖科学(講義・実験)
体外受精による不妊治療などについての講義の後、実験室に移動し、ウシの卵巣から卵子を取り出して顕微鏡で観察しました。実際の人工授精に使用する精子の観察や、模擬顕微授精も行いました。


 模擬顕微授精                採取した実物の卵子を観察


2)酪農概論
人と家畜との関係や家畜の命の役割の概説に加え、午後の飼育実習に備え、乳牛の一生、乳牛と和牛の違い、雌牛と雄牛での生き方の違いなど、酪農の基本的な考え方を学びました。


酪農概論の講義


3)ウシの飼養管理実習(乳牛の給餌・搾乳等)

待望の実習は、乳牛が放牧されている柵内に入り、宇都宮大学の学生さんの説明を受け、観察したり手で触れながら親しむことからスタートしました。続く給餌体験では、個々の乳牛の体調や成長に合わせた配合に従って飼料を準備しました。


まずはウシに触ってみよう                        ウシの状態に合わせて飼料を配合


搾乳の時間には、全員が搾乳作業を体験させていただくことができました。牛乳の品質保持と乳牛の乳腺炎防止のために徹底的な衛生管理を行い、手で搾って乳の状態を確認した後、搾乳機をとりつけます。搾乳を終えると、機械は自動的に乳首から離れ、搾乳された容量も計測される仕組みです。


長尾先生の説明に聞き入る学生                ご指導いただきながらの搾乳作業


4)学生交流会

両大学の教員と学生が、それぞれの研究テーマや日頃の研究室での様子についてざっくばらんに語り合い、楽しいひとときを過ごしました。


【2日目】
6時の朝食準備から、一日の活動がスタート。2日目もたくさんの講義と実習、実験などを行いました。

1)研究交流会

お茶大から2名、宇大から3名の学生がそれぞれ自分の研究テーマについて発表し、意見交換を行いました。同じ「食」についての研究でも、農学と食物学・栄養学とでは検討方法や切り口、視点が異なり、お互いによい刺激になったようです。


2)水稲生産学概論
国内の稲作農業の現状や問題点についての講義を通じ、今後の稲作農業のあり方について、ともに考えていく姿勢が重要であることを学びました。


3)水稲収穫・調製実習

稲作農業について学んだ後、水田圃場で水田を見学し、出荷までの各工程を体験する実習に取り組みました。水稲収穫・調製実習では、実際に稼働する大型乾燥調製機の前で、米の脱穀、籾摺り、精米までの方法の説明をお聞きしました。また、収穫を行うコンバインを見学し、脱穀の仕組みを詳しく説明していただきました。さらに宇都宮大学農場のブランド米である「ゆうだい21」と甘味のある「コシヒカリ」を用いて、手作業で籾から精米を調製する工程を体験させていただきました。


精米のしくみに興味津々


大学に戻ってきたのは、夜の19時過ぎ。濃密な2日間でした。
今回の実習では、酪農および水稲分野の様々な学習と貴重な体験を通して、「知識」の集積はもちろんのこと、「食」という分野の幅広さや奥深さ、五感を使って学習することの効果について改めて実感できたことと思います。



集合写真(第1班)                      集合写真(第2班)

宇都宮大学農学部の居城幸夫先生、長尾慶和先生、高橋行継先生、実習にご協力くださった職員・学生・大学院生の皆さま、本当にありがとうございました。
宇都宮大学農学部附属農場において、1泊2日の食育フィールド実習に参加しました。食と農のつながりについて、また農学から医学まで多岐にわたる分野の実践や研究動向について学びました。
「食をめぐる環境論」食育フィールド実習
 居城 幸夫先生(宇都宮大学農学部教授・農場長)
 長尾 慶和先生(宇都宮大学農学部教授)
 高橋 行継先生(宇都宮大学農学部准教授)

 平成25年 9月29日(日)~30日(月)宇都宮大学農学部附属農場
 平成25年10月 1日(火)~ 2日(水)宇都宮大学農学部附属農場


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