活況を呈する会場
シンポジストを交えての指定討論
浜口教授、藤原教授よりご挨拶

 本学ではSHOKUIKUを含め、様々な教育研究のプロジェクトが展開されています。中でも「乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデルの構築(ECCELL)」では、子どもを中心に人間の発達を見据えた研究と、乳幼児教育に関心を持つ社会人の教育プログラム開発を行っています。本シンポジウムは、「子ども学」と「食育」の接点である子どもの食をテーマに、両プロジェクトによる初のコラボレーション企画という形で開催しました。

 各プロジェクトのリーダーである浜口順子教授、藤原葉子教授からの開会のごあいさつに続き、3人のシンポジストよりご講演いただきました。
 本学博士後期課程及びSHOKUIKUプログラム修了生であり、現在は春アンミッコ保育園管理栄養士の會退友美さんからは、職場で取り組む食育活動による子どもと親の変化について、ご自身のこれまでの研究や行動科学の理論を交えてお話しいただきました。NPO法人こどもの森理事長の吉田隆子さんには、食材に触れ、調理することで食べる楽しみを育てること、子どもの力を信じることを重視する「こどもの森」での食育活動をご紹介いただきました。そして本学人間発達教育研究センター特任講師の菊地知子先生より、東日本大震災後に立ち上げた「HITOHADAプロジェクト」での体験で見聞きした被災地での食生活を踏まえ、子どもの食を考える方向性についてご提言をいただきました。
 指定討論では、指定討論者の藤原教授が、子どもの発達の場としての食、子どもの食べる力を信じて見守る大人の役割の大切さを改めて感じたとの感想を述べ、大学人の立場から食育を現場で担う方々をサポートしていきたいとコメントしました。そして司会を務められた小玉亮子教授が会場の方々に働きかけると、シンポジストの講演内容に対する質問や、食物アレルギーへの対応や衛生管理のあり方といった実践的な話題について、活発な質疑応答が展開されました。

 聴衆には保育士や栄養士の方などが、会場いっぱいにお集まりくださいました。アンケートからは、「保育と食育の関わりについて学びたいと思っていたため勉強になった」「『食育の大切さ』=子どもにとって食べる楽しさ、作る楽しさ、自信をつけてあげる経験ということの重要性を感じた」「複数の視点から、食を通した子どもとの関わりについて良さや課題、考慮すべきことなどを学べてよかった」といったご意見を頂戴しました。
 ご参加くださった皆さま、シンポジストおよびECCELLの皆さま、ありがとうございました。



お茶の水女子大学SHOKUIKU&ECCELL子ども学シンポジウム
「今、考えよう、子どもと食」
平成25年12月21日 お茶の水女子大学

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