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JICA大学生国際協力フィールド・スタディ・プログラム参加報告

2016年3月8日更新

JICA大学生国際協力フィールド・スタディ・プログラムの公募に合格し、ラオス訪問プログラムに参加した伊藤さんに報告を寄稿していただきました。

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プロジェクト村の皆さんと参加学生

このプログラムは、全国各地から40人の大学生が集まり、2泊3日の事前学習を経てインドとラオスへ半数ずつ渡航し、現地では様々な機関の国際協力プロジェクトの視察と、NGOのプロジェクト村でのフィールド・スタディを行うプログラムです。私は2016年2月21日から3月6日まで、ラオスへ渡航しました。日本人にあまりなじみのないラオスですが、昨今の外資による開発の影が見えつつも未開の地が多く残る、穏やかで非常にのんびりした国でした。

2週間のラオス滞在中、首都ヴィエンチャン、サワナケート市、ピン郡の3か所において、非常に多くの機関やプロジェクト現場、農村を訪ねることができました。ヴィエンチャンではJICAラオス事務所や在ラオス日本大使館、JETROラオス事務所を訪問し、国家レベルでの支援・開発事業や経済発展の可能性について学びました。また、埼玉県草の根技術協力事業である水道公社能力向上プロジェクトや水力発電所拡張事業、青年海外協力隊員の活動先である郡病院の視察では、発展への熱意と誇りをもって活動に取り組む人々の姿に感動し、ラオス国立大学日本センターでは、日本語を学ぶラオスの学生との交流を通して現地の同世代の人々の生活を知りました。サワナケートでは、青年海外協力隊員によるバレーボール指導の現場や、図書館支援が行われている小学校を訪問し、スポーツや図書を通じて現地の子供たちと交流しました。経済特区の日系企業では、企業進出の展望や可能性をお聞きすることができました。ピン郡での活動は、不発弾対策プロジェクトの視察とフィールド調査でした。不発弾対策プロジェクトではラオスという国の歴史の負の部分が垣間見え、平和構築分野での国際協力事業について学ぶ機会となりました。フィールド調査では、日本のNGOであるJVCの2つのプロジェクト村に入り、グループごとに事前研修から話し合いを進めてきたテーマ・調査計画に基づき、2日間かけて聞き取りや観察を行いました。

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フィールド調査で訪問した農家で

今回このプログラムに参加し最も考えたことは、国際協力とは何か、ということでした。大使館やJICA事務所の訪問を通して、国際協力は否応なしに国際情勢や外交戦略など様々なパワーの上に成り立っていることを痛感する一方で、調査に入ったプロジェクト村では、ほぼ現金収入を得ることなく自給自足型の生活を営み、幸せそうに暮らす人々の姿がありました。ラオスは「飢えない貧困国」とも言われていますが、彼らは家族と共に暮らし、周囲と良好な人間関係を築き、食べ物に困ることなく物質的にも内面的にも今の生活に特に不満がないように見えました。たとえそれが私たちに理解しがたいものであっても、彼らには彼らにとってかけがえのない規範、価値観があることは自明の事実であり、先進国に住む私たちが、彼らのコミュニティに入りこみ、何かを開発し何かを与えることは果たして彼らにとって意味があるのか、「国際協力」という概念もそもそも豊かにモノを持つ人間の考え方なのではないのか、と何度も自問自答しました。自分なりの答えは未だ見つかっていませんが、こうしたジレンマに正直に向き合うこと、そしてこれからも考え続けていくことが大切なのではないかと、プログラムを振り返った今、感じています。

最後に、今回のプログラムでは様々な世界で活躍している多くの方々とお会いすることができました。中でも一緒にラオスへ渡航した19人の学生は、大学も専攻も学年も異なりますが共通して国際協力に関心があり熱い志を持った学生ばかりで、寝食を共にする中で、様々な熱い議論が繰り広げられ時に夜中まで語り合い、本当に刺激的な2週間を過ごすことができました。彼らの行動力や学びに対する姿勢、知識量、経験には、ただただ圧倒されるばかりでした。また訪問先でお世話になった日本人やラオス人の方々、フィールド調査で通訳をしてくださった方々、プログラムを運営・引率してくださった方々など、熱い思いを持った素敵な方々に出会えたことに心から感謝しています。

今回得た現場体験、視点、そして出会いを大切に、自分の軸としながら、これからの学びにつなげ、国際社会への理解を深められるよう努めていきたいと思います。

(文教育学部人間社会科学科グローバル文化学環2年 伊藤 詩織)

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