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ネパール事前学習「ネパールの教育」報告

2017年7月20日更新

2017年6月28日、全学共通科目「国際共生社会論実習」で行われるネパールスタディツアーの事前学習の一環として、今回は「ネパールの教育」について、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンで海外事業部長を務める塩畑真里子さんにお話を伺いました。ネパールの教育についてということだったのですが、就学率の男女差から公立校・私立校の比較、教育指導を行う上での心得など幅広いお話を聞くことでき、とても貴重な時間を共有させていただきました。

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講師の塩畑真里子氏

ネパールでは、10年間の初等・中等教育の後、SLC(School Leaving Certificate)試験と呼ばれる全国共通卒業認定試験を受け、合格すれば後期中等教育を経て大学進学が適うという教育制度をとっています。初等・中等教育を行う機関には公立校と私立校があり、そこには大きな格差が存在しているそうです。具体的には、私立校に比べ公立校はSLC試験の合格率が低いことや学校設備が十分とはいえないといったことなどが挙げられます。ただし、私立学校と一言でいっても、都市部で高い学費を徴収して立派な設備を構えている学校もあれば、農村部で見かけはあまり公立学校とは変わらない私立学校もあるそうです。また、公立校において就学率の男女差はあまり見られないのですが、私立校では学年が上がるにつれて女子の就学率が下がるそうです(経済的に学費をねん出しなければならない場合、男子が優先されるため)。

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講義の様子

これらのネパールの教育的背景をふまえ、塩畑さんはネパールの教育の質向上のため様々な活動をしてこられたそうです。ここで注目したいのは「教育の質の向上」とはどのようなことを指すのか、はたまた「良い教育」とはどういうものなのかということです。
塩畑さんはネパールの教育現場に実際足を運び、先生が「生徒の答案に◯☓をつけることが教育」だと思っているという現状に疑問を持ったそうです。そこで、先生たちに生徒一人一人と向き合い、どこがわからないのかを「質問」という形を通して明確にし、生徒が間違えた時にこそ丁寧に指導することを教えたところ、生徒たちの理解度は格段に向上したそうです。塩畑さんが思う「良い教育」とは、先生と生徒の間で「質問」を投げかけ合い、理解を深めるような教育なのだそうです。
日本の教育現場でも様々な問題が山積しており、学力の低下などが叫ばれていますが、先生と生徒の間に良好な関係が築かれているのか改めて注視しなければならないのではないでしょうか。
「ネパールの教育」についてということでしたが、ネパールの現状を知ることができたのと共に日本の教育にも反映できるのではないかと考えさせられる部分が多々あり、とても有益な時間となりました。講演してくださった塩畑さんには、感謝を申し上げます。

(文教育学部人文科学科2年 古山 玲奈)

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