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第3回SDGsセミナー「紛争地の若者と手を携えて」実施報告

2017年10月31日更新

2017年7月3日、認定NPO法人日本紛争予防センター(JCCP)の石井由希子事務局長をお招きして、第3回持続可能な開発目標(SDGs)セミナー「紛争地の若者と手を携えて~JCCPの平和構築活動」が実施されました。当日は、64名(教職員含む)の参加を得て盛況の内にセミナーが行われました。

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講師の石井由希子氏

石井事務局長からは、SDGsの目標16「平和と公正を全ての人に(Peace, Justice and Strong Institutions)」や、世界における紛争発生状況の経緯と現状、そして、JCCPが実施する海外プロジェクトなどについてお話がありました。

初めに、目標16に掲げられる「平和(peace)」と「公正(justice)」に関し、紛争の被害者から見れば加害者に対して法に基づく何らかの処罰を求めるといった気持ちが存在することから、平和の達成の為には公正さと正義は避けて通れない重要な課題であるとの指摘がありました。次に、世界の紛争発生状況に関し、地域的に見ると、中東、アフリカ、次いでアジアでの発生が多いこと、そして、1990年過ぎに冷戦終結に伴ってトレンドが大きく変わり、国家間紛争が減少して、反対に、革命戦争や民族紛争が次第に増加してきたことが統計データを元に示されました。国家間で戦争が行われ、国家が敗戦処理や賠償などについて仲裁に入るという形式から、民族対立を背景とした内戦や国境を越えたテロ行為の増加に伴い、NGOなどの非国家主体が紛争の再発予防や平和構築に果たす役割が増加してきたとの説明があり、学生は真剣に聴き入っていました。

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セミナーの様子

また、2015年以降、OECD諸国でのテロ攻撃による死者が急増しており、国境を越えたテロの拡散は日本人と無関係ではないとのことでした。こうした中、ソマリアからケニアに難民として流入した若者を事例に、個人の危機、イデオロギーの浸透、SNSなどのテクノロジーの普及等によって、若者が過激化されてしまうということを、①煽動(agitation)、②自己同一化(self-identification)、③洗脳(indoctrination)、④暴力的過激主義(violent extremism)の4つの段階で分析し、NGOは①煽動の分野で若者の過激化を未然に防ぐことが出来るとのお話がありました。そして、JCCPでは、ソマリアやトルコなどにおいて若者向けに研修・能力強化、心理社会的支援、法律・政策に関する啓発活動を行っており、特にトルコの事例では、シリア難民とトルコ人が、女性文化センターでの職業訓練を通じて民族融和に向かう様子について、写真を示しながら紹介されました。

最後に、石井事務局長からどのような立場にあっても常に学び続けることが重要であるという学生へのメッセージや、平和構築業界でのキャリア形成についてのアドバイスなどが送られました。紛争地における平和構築活動に実際に携わっている方より、草の根レベルでの民族融和の大切さや、NGOだからこそ出来る紛争予防活動などについて伺う貴重な機会となりました。

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