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大学間連携イベント「『対話型ファシリテーション』を用いた途上国の人々との話し方」実施報告

2017年8月18日更新

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講師の前川香子氏

ファシリテーションとは、問題の所在、そして解決策を当事者自身が発見するのを手助けすること。そう頭では理解していたつもりだった。しかし、いざワークショップで対話型ファシリテーションの一端に触れると、予想以上の難しさに加え問いかけの行為が持つ奥深さをも体感することとなった。

2017年7月22日、大学間連携イベント「『対話型ファシリテーション』を用いた途上国の人々との話し方」が開催され、NPO法人ムラのミライの前川香子先生よりご指導いただいた。前川先生は、約10年間インドの農村で対話型ファシリテーションを実践してこられた。参加学生は、本学をはじめ、奈良女子大学、宮城学院女子大学、宇都宮大学から計29名だった。国内外でのフィールド調査にこれから臨む学生も半数近くおり、それぞれの場で実践を試みようとする意欲が溢れていた。

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ペアで事実質問の実践練習

ワークショップ前半では、まずファシリテーションの基本として、会話相手とそれをとりまく事実を把握するための問いの種類を学び、相手を知ることをゴールにペアで問いかけの練習をした。そもそも事実とは感情、考え・認識と並んで現実を構成する3要素のひとつであり、解決すべき問題の特定には必要不可欠な情報だ。ここで難しいのが、質問の際に使用がふさわしくない疑問詞・副詞があるということだ。たとえば、「なぜ?」や「どう?」、相手との感覚的なズレが生じやすい「たいてい」「ふだん」といった表現だ。いずれも問うて引き出された答えはあくまで相手の認識であり、事実とは限らない。解決すべき問題の所在やその原因をつきとめるのに直結する情報ではないのだ。

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ケースストーリーを元にグループワーク

後半は、ケーススタディとして示された村人とNGO職員との会話のやりとりを基に、村人自身が問題を特定し、その原因と解決策を考えられるような質問を考え、グループごとに発表していった。そこでは、いかに普段私たちが無意識的に相手に解決策を提示し、誘導しがちであるかを自覚した。対話型ファシリテーションが求められる場面において、それは相手の自立を阻む行為になりうる。自分の問いかけや語りかけが相手に及ぼす影響の大きさを知った。

最後に、前川先生から日常生活での対話型ファシリテーションの練習方法が3つ紹介された。そのひとつに、身近な人の悩み相談にのるというものがある。ただしその際、決して解決策を提案してはならない。アドバイスをしたくなるおせっかいさを封印し、相手にひたすら事実質問をするということが果たして私には出来るだろうか。途上国での開発事業にとどまらず、日常生活の随所に実践の場面がある。早速はじめてみようと思う。
あらためて、この学びの機会を設けてくださったグローバル協力センターの先生方、みなさまに感謝したい。

(人間文化創成科学研究科ジェンダー社会科学専攻M1 内山 みどり)

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