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カンボジアスタディツアー実施報告

2019年10月16日更新

2019年9月14日から9月22日にかけて「国際共生社会論実習」カンボジアスタディツアーが行われた。参加者は1年生7名、2年生3名、計10名である。
出発前に6月から9月にかけて約10回の事前学習や安全講習を行った。カンボジアの歴史、ポル・ポト時代の背景について学び、様々な統計からカンボジアの現状を知り、JICAの国際協力専門員による講演や対話型ファシリテーションを用いた途上国の人との話し方を学ぶ講演など、多くの文献を読み参加者同士議論し合いながら理解を深めていった。参加者は事前学習をふまえ教育、子育て、健康、政治など多種多様なテーマで現地調査を実施することになった。

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コンポンチャム州での家庭訪問

スタディツアー初日は成田空港を出発し首都プノンペンに滞在した。高いビルや車やバイクの激しい交通量など日本とあまり変わらない風景に参加者一同興味津々な様子であった。
2日目はプノンペンから3時間ほど離れたコンポンチャム州に移動した。市場を見学したり、お寺を訪れたり、キズナ橋を見たりと市内を見て回った。コンポンチャム州はカンボジアで2番目に大きい所で街並みがきれいで栄えていた。午後は次の日から始まる民家へのインタビューに向け、ミーティングを行った。実りのある現地調査にするため各自のテーマを確認し、準備をした。
3日目から5日目にかけてはコミューンチーフ、ヘルスセンター、小学校と高校の学校長、民家へのインタビューや学校訪問が行われた。コミューンチーフからはコミューン全体について、ヘルスセンターではコミューン内の健康管理や保険制度について、学校長からは学校の概要や進学率・就職率・ドロップアウトについて話を聞くことができた。民家では教育、健康、政府の制度、SNS利用など多方面からカンボジアで暮らす人々の生の声を聞くことができた。訪問先を訪れて金銭面の影響で学校をドロップアウトしたり満足できる医療が受けられなかったりした人と出会い、また給料の低さから教師の質が向上しないという話を聞き、私は政府の制度の未完成さを感じた。

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AAR,WCD訪問

6日目は車椅子工場を訪問し、AARの駐在員の方から障害者支援について話を聞いた。現在カンボジアでは15歳~19歳の障害者の60%弱が就学経験がないというデータがある。これを変えるために駐在員の方たちは子供の障害児教育を促し、障害児者に適切な教室の設置に力を注ぎすべての障害児童が地元の学校に通えるように支援している。また貧困層の障害児童が学校に通えるようになれば貧困層の児童も同様に通えるようになるだろうとおっしゃっていた。午後には職業訓練校を訪問し、施設を見て回り、障害者の方から話を聞いた。施設はとても充実していて、障害者の方も快適に仕事に集中できるような環境だった。

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CJCCの学生との交流

7日目は王立プノンペン大学カンボジア日本人材開発センターで日本語を学んでいる学生と交流した。教育や政治など様々なことについて議論し、有意義な時間を過ごすことができた。午後はJICAカンボジア事務所局を訪問し、現在カンボジアが抱えている問題やJICAが行っている政策について話を聞いた。また青年海外協力隊として現在コンポンチャムでナースとして活動している女性からも話を聞くことができた。彼女から日本の姿勢を押し付けるのではく、なぜこのようになったのかバックグラウンドがどうなっているのかを考えることが大切だということを学んだ。カンボジア滞在最終日はポル・ポト時代にクメール・ルージュによって人々が収容されていた場所であるトゥールスレン虐殺博物館とセントラルマーケットを訪れた。トゥールスレン虐殺博物館では当時の状況を物語る写真や絵画、独房を目にし、実際訪れてみないとわからない恐ろしさや残酷さを五感を使って感じることができた。セントラルマーケットでは商人の生活風景を見たり、それぞれお土産を買ったりと楽しい時間を過ごした。

1週間という短い期間の中で私たちは様々な場所を訪れ、たくさんの人と出会い、考えを深めることができた。学生が学校をドロップアウトしてしまったり、教師の質が十分でなかったり、貧困層に対する制度が不十分だったりと未完成な部分が多々あることを知った。スタディツアーで多くのものを見たり聞いたりして視野が広がった。貴重な経験ができたこと、また今回このカンボジアスタディツアーに携わって下さったたくさんの方々に感謝するとともに、ここで得たことを今後の学びに活かしていきたい。

(文教育学部言語文化学科2年 中島 百花)

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