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第11回SDGsセミナー「日本の難民支援の現状と課題、入管法改正問題も踏まえて」実施報告

2021年6月7日更新

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講師の赤阪むつみ氏

2021年5月25日、第11回SDGsセミナー「日本の難民支援の現状と課題、入管法改正問題も踏まえて」では、特定非営利活動法人難民支援協会 渉外チームマネージャーの赤阪むつみさんをお迎えし、世界の難民状況、日本における難民支援の現状と課題についてお話を伺いました。SDGsでは「誰一人とり残さない」を理念に掲げていますが、現在、世界中で紛争や迫害によって故郷を追われた人数は7,950万人、全人類の1%に上っています。そのような状況下で日本は、難民認定率0.4%、44人のみです。本セミナーでは、なぜこのような現状があるのか、私たち日本における「難民を受け入れられない側の問題」を考えていきました。

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オンラインセミナーの様子

日本での難民申請者は多岐にわたる困難に直面しています。例えば、就労への壁、日本語や文化への不慣れ、医療アクセスの難しさなどがあります。その中でも、大きな障壁が難民認定制度の課題です。(1)諸外国に比べ約2倍の年月(4年)がかかる難民申請手続きの待機期間、(2)審査手続きの機関における独立性が担保されていないこと、(3)審査の不透明性(一次審査の代理人同席不可)、(4)UNHCRと日本での難民条約の解釈の齟齬、(5)公的支援援助金の少額、など難民認定制度の中にも多くの課題が存在します。私は、より包括的な支援を難民に対して行っていくことの重要性を痛感しました。難民の状況を知り、必要に応じて、法的支援や生活支援など直接支援を行うことで難民の方の不安を少しでも払拭できるのだと感じました。また、“内向きな支援”だけでなく、大学生や他団体と協力した支援活動・広報活動、難民が求めている改正案作成のための政策提言など、“外向きな支援”も重要であると学びました。

昨今、少子高齢化が進み、外国人労働者が注目されています。そのような中で、多くの健康で有能な難民を多様な側面から活用することができれば、日本の可能性はさらに広がると考えています。本セミナーを通して、包括的な支援と協働することが難民問題解決の糸口となり、日本の発展に寄与するものになるのだと感じました。そのためにも当事者意識を持って、自分ができることを考え行動することの必要性を強く感じました。

(理学部数学科4年 足立 晴日)

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