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アフガニスタンへの絵本寄贈(2020年度)

2021年7月30日更新

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「let's count」の表紙

グローバル協力センターでは、「アフガニスタン・開発途上国女子教育支援事業野々山基金」を活用し、アフガニスタン女子教育支援の一環として、2012年度から、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(以下SVA)と連携して絵本・図書館事業への支援を行っています。この事業では、アフガニスタンの子ども向けオリジナル絵本制作にかかる、企画・制作・印刷・配付など全ての工程が現地のスタッフにより行われています。母国語で描かれた子ども向け絵本が少ない中、現地の絵本制作の技術や環境が向上することで絵本の充実が図られることが期待されます。これまで、家族、友情や信頼といった概念などのお話や、健康・食物・栄養の知識向上など、非就学児童の学習経験、識字教育や平和な社会の実現への啓発等になるお話の絵本を支援しました。

2020年度は、8タイトル目となる『let’s count!/数をかぞえよう!』を公用語であるダリ語とパシュトゥ語で各1,200冊、合計2,400冊を作成しました。新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ感染症)拡大の影響で、各制作工程で遅れが生じ、例年よりも印刷まで時間を要しましたが、2021年8月以降に、カブール州、ナンガハル州とラグマン州の学校図書館を中心に計188の施設に配付予定です。

『let’s count!/数をかぞえよう!』は、現地語の1から10と国際社会で使用される1から10の数字と数字に対応した動物が描かれています。動物はアフガニスタンの子どもたちに馴染みのある動物のイラストで実数を数えながら数字を学べる内容となっています。また、動物の名前も表記されていて、楽しく学べるよう工夫されています。幼児でも読みやすい、A4よりも小さいサイズ(17cm×18cm)であることも例年の本とは違った仕上がりになりました。

コロナ禍で活動が制限される中、SVAアフガニスタン事務所では、子どものための図書館普及に向け、移動図書館活動やラジオでのお話読み聞かせキャンペーン、また、教育省・州局、公共図書館、教員養成校から10名のマスタートレーナーを選定し、読書推進の重要性や学校図書館の役割、基本的要素、図書館活動の内容についての知識と理解を深める研修を実施しました。SVAが運営するナンガハル県ジャララバード市内における子ども図書館では、2020年は新型コロナ感染症拡大の影響を受け、3月中旬から9月初旬の約半年間閉館となりましたが、感染予防策を講じながら10月より開館され、2020年12月までに138日開館し、3歳から13歳の子ども延べ22,178人が利用しました。うち51%は女子とのことです。また利用者の31%は孤児や元難民、国内避難民、障がいのある子どもなど脆弱性の高い子どもたちとのことです。新型コロナ感染症拡大の影響を受け、図書館を利用する子どもたちも厳しい状況におかれる中でも一日あたりの利用者数は約160人と多く、そのニーズの高さがうかがえます。グローバル協力センターでは引き続き、SVAと連携して絵本・図書館活動事業を行い、アフガニスタンにおける女子教育、平和構築につなげてゆきたいと考えています。

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