グローバル教育センター留学派遣

モナシュ大学
人間文化創生科学研究科人間発達科学専攻

モナシュ大学の情報を見る

体験記

2008年11月中旬から8ヶ月間、オーストラリアはメルボルンにあるモナシュ大学で交換留学生として勉強させていただきました。 はじめの10週間は、MUELC(Monash University English Language Centre)のブリッジング・プログラムという、これからモナシュ大学や大学院で勉強する留学生たちの準備コースに入り、主に英語でのエッセイの書き方、ノートの取り方、ディスカッションやプレゼンテーションの練習を毎日みっちりと勉強させていただきました。先生方は大変熱心に、そして楽しく指導してくださいましたし、一クラス15人ほどの授業のため、毎日共に勉強するクラスメイトたちとはかなり親密な関係を築くことができました。休みのときは、クラスメイトたちと(ときには先生も)一緒にカラオケに行ったり、バーベキューをしたりして楽しみました。コースを終えた後も、同じ悩みや困難を持つ留学生仲間として、いろいろ相談に乗ってもらったり、遊んだりできるような関係でした。 コース修了後、晴れて1学期目の授業に参加することができました。交換留学生は、どの学部からでも自分の興味のある科目を、上限4つまで受講することができます。私は先住民族に関する分野を主として勉強したかったので、教育学部から先住民族教育、教養学部からオーストラリア研究、人類学(先住民族に関わるテーマのもの)、批判理論についての授業を選択しました。内容はもちろん学部生用のもので、しかも私の取っていた授業は1年生対象のものもあったにもかかわらず、英語で理論的な文章をたくさん書くことに慣れていないために、一つの科目につきプレゼンテーションと1,000~2,000字のエッセイを2つ書くという課題をやり遂げるに際しては大変な苦労を味わいました。 

image002 image004

そんなときに協力してくれたのが、モナシュの学生で日本語を勉強している学生の皆さんでした。オーストラリアでは、小学校から第二言語として日本語を学習する生徒が多いようで、モナシュにもずいぶんと長い間日本語を勉強しているという学生が多くいました。かれらとは、交換留学プログラムのコーディネーターの方の紹介で知り合ったり、住んでいた寮で偶然出会ったり、Monash Japanese Clubという、日本に興味のある学生たちの集まりを通して、など出会う機会は多くありましたが、かれらとの交流はお互いにお互いの文化に興味を持っているがゆえに大変楽しく有意義なものでした。 

image006

大学の授業以外でも、いろいろな人々との出会い、交流がありました。私はクリスチャンなので、オーストラリアのキリスト教文化を学ぶということも実は今回の留学の一つの目的でした。毎週教会には行きたいと留学前から思っていましたし、違う国ではどんな風に礼拝が行われているのだろう、と大変楽しみにしていました。生活が一通り落ち着いて、大学から一番近いアングリカンチャーチを探して行ってみるまでに、ひと月ほどを要しましたが、一度行き始めてからはほとんど毎週のように通い、そこで出会った人々には言葉で言い尽くせないほどにお世話になりました。特に若い人たちの聖書勉強会や食事会などに誘っていただき、かれらの存在は、家族のいない地で一人滞在する身にとって、かけがえのない心の支えとなりました。

 image008

また、大学時代からの趣味であるテニスを通しての体験や交流も私にとって重要なものとなりました。テニスの四大大会の一つである全豪オープンテニスはメルボルンが開催地であるために、毎年テニス好きがこの1~2月の時期に集まります。ただ、今年は例年にない熱波がメルボルンを襲い、テニスの試合にも大きく影響していました。私は2度会場へ足を運びましたが、そのうちの一日は気温が45℃以上あり、生まれて初めて体験する40℃以上の気温にいささか興奮気味でした。この日の試合は気温を考慮して夕方から始まったので、熱波が収まった心地よい空気のなか、快適に試合を観戦することができました。テニスをすることも好きなので、モナシュのテニスクラブに入会し、週1~2回クラブのメンバーたちと練習する機会にもめぐまれました。モナシュのスポーツクラブは、学生というよりはほとんどが卒業生たちなので、若い大学生だけでなく、自分と同じ年代や、それ以上の人たちと出会う場にもなりました。

英語の習得や、研究を進めるという面では、8ヶ月という期間は短すぎると感じていますが、このように多くの大切な人たちとの出会いがあり、また限られた時間とお金の制約のなかでではありますが、いろんなところを観光できたことに満足しています。間違いなく、自分の人生のなかに大きな影響を与えてくれた8ヶ月間でした。このような機会を与えてくださったお茶大の交換留学プログラムに心から感謝しています。

Q & A:留学準備

Q留学に先立ち、どの位の期間、どのように語学の勉強をしましたか。結果的にどの程度習得できましたか(もしあれば、取得した級など)
A

半年くらい、英会話教室に通いました。週一回だったので、話すことについてはほとんどこの期間に上達はしなかったように思います。

Q交換留学の情報をどのように入手しましたか。それは十分なものでしたか。
A

オーストラリアへの留学一般については、オーストラリア大使館で開かれている留学フェアに参加し、情報を得ました。大学については、大学のホームページである程度は情報を収集しました。

Q準備期間にたいへんだったこと、不安に感じたことは何でしたか。
A

自分のTOEFLのスコアが古すぎたことが問題で、留学できるのかできないのかが、ぎりぎりまでわからなかったのでとにかくそれが不安でした。

Qどのようなビザを取得しましたか。また、取得のためにどのような手続きをしましたか。
A

インターネットから申請・取得できる学生ビザ(evisa)を取得しました。指定された病院での健康診断の受診以外はすべてネットでの手続きで済みました。

Qその他渡航に関してどのような手続き。手配をしましたか
A

大学から申込をした保険は、渡航後の病気や怪我、災害の際しか適用されないものだったので、自分で保険会社に行って、行きと帰りの旅程での保障、渡航後の盗難などについての保険に入りました。向こうで運転するときのため、国際免許証を取得していきました。パスポートが半年くらいで失効してしまうので、新しく取得していきました。

Q & A:生活について

Q住居はどのような形態(寮・アパートなど)でしたか。また、どのように住居を確保しましたか。住み心地はいかがでしたか。
A

最後の二週間の友人の家に住んだ期間以外は、大学のキャンパス内にある寮に住んでいました。確保は、向こうの大学の交換留学のコーディネーターの方にお任せしました。住み心地は、部屋だけは個室でしたが、シャワーとトイレが男性も共同だった点や、自炊がしにくかった点など、あまり良いとは言えませんでした。

Q住居費は1ヶ月どのくらいかかりましたか。
A

7万円ほど。

Q生活費は1ヶ月どのくらいかかりましたか。現地の物価は東京に比べてどうでしたか。
A

住居費を除くと3万円くらい。物価は、ほぼ東京と似たようなものですが、特定のもの(肉や野菜・果物など)は向こうのほうが安かったので助かりました。

Q学費や勉学にかかる費用はどのくらいでしたか。
A

印刷代などがすべて有料だったのが不便でした。テキスト代などに3万円ほどかかったかと思います。

Q現地の気候は一年を通していかがでしたか。
A

メルボルンはオーストラリアのなかでもかなり南の方に位置しているため、全体的に気温が低いです。夏は、日中と夜の気温差が激しいです。太陽が出ていないときはかなり寒く、私は11月でも夜間は暖房をつけることがありました。そして、日中は気温がすごく上がる日があります。特に今年の夏(1~2月)は異常で、45度以上の日が何日かありました。冬はお天気が悪い日が多いですが、そこまで気温が下がることはなく、雪も降りません。一番日本と異なるのは、湿度だと思います。オーストラリアは世界でももっとも乾燥した大陸だそうで、とにかく湿度が低いです。個人的には日本の夏のじめじめした暑さよりも向こうのからっとした暑さのほうが心地よいのですが、紫外線がとても強いので、肌には良くないはずです。

Q大学近くの街はどのような雰囲気でしたか。
A

アジア系の食材店や安い肉屋、八百屋などがたくさんある商店街が多くあり、便利でした。

Q生活する上で日本から持って行った方が良いものがありましたか。
A

掃除するときに使うコロコロ。

Q病気になったとき、困った時など、どのように対処していましたか。
A

知り合いの日本人に相談しました。

Q現地で生活する上で注意した方がよいことはありますか。
A

紫外線対策。

Q & A:学業について

Q留学前(ならびに留学中)、現地で語学学習に特化したクラスを受講していましたか。していた場合、クラスの内容・レベルを教えて下さい。
A

プレゼンテーション、ノートの取り方、ディスカッション、レポートの書き方を練習するクラスを10週間受講していました。レベルは、クラスによって差があったようなのですが、これから大学院に入学する予定の学生が多く、なかなか高いレベルだったと感じます。

Q学部または大学院での授業を自由に選択・受講できましたか。できなかった場合、どのような制約がありましたか。
A

学部の授業のみ。また、半期に4科目までという上限がありました。

Q学部または大学院の授業についていくのはたいへんでしたか。
A

受講していた授業はほとんどローカルの学生ばかりだったので、聞き取りも大変でしたし、レポートの量も多く大変でした。

Q学部または大学院の授業は自分の専門性を高める上で有益でしたか。
A

授業自体の理解度はあまり高くなかったのですが、得てきた資料などをこれから生かすことができるかどうかは自分次第だと思います。

Q授業内で現地の学生と親しくなる機会はありましたか。
A

授業内ではあまりありませんでした。

Q大学内、とくに授業において、交換留学生に求められているもの、あるいは位置づけはどのようなものでしたか。
A

あまり特別扱いされることはなく、ローカルの学生と同じようなものを求められていたように思います。

Qどの部署の方が交換留学生の窓口になってくれましたか。担当者のお名前がわかれば併せて教えて下さい。
A

Monash Abroadという部署。渡航前から、3月まではKate Parsonsという方でした。3月から他の大学へ転勤されたので、その後は特に担当の方との接触がありませんでした。

Qアドバイザー・個人チューターなどのシステムはありましたか。
A

システムもあったようですが、日本語を勉強している学生に、個人的に依頼していました。

Q単位互換の手続きについて、注意した方がよいことがあれば教えて下さい。
A

私は院生ですが、向こうでは学部の授業しか受講できなかったため、単位互換は関係ありませんでした。

Q & A:学生生活全般

Q留学した大学で与えられた身分は現地学生と比べて扱いに違いや区別がありましたか。
A

特にありません。

QLanguage Exchangeなど、授業外で現地の学生と触れ合う機会はありましたか。
A

Monash Japanese Clubという、日本に興味のあるクラブの活動に週一回参加していたので、そこでは現地の学生と交流できました。

Q留学生対象のオリエンテーションやイベントなどが開催されることはありましたか。あった場合、それはどのようなイベントでしたか。
A

オリエンテーションは学期の始まる前の一週間ほどかけて行われていました。生活上の注意点などいろいろなプレゼンテーションが用意されていました。イベントは一度も出席できませんでしたが、パーティーや、ダイビング、旅行などが2,3ヶ月に一度ほどあったようです。

Q & A:その他

Q交換留学をするために、事前に知っておいた方がよいと思う情報や知識がありますか。あったら自由に書いて下さい。
A

メルボルンはかなり寒いということ。公共交通機関(特に電車)があまり便利ではないということ。