質の高い保育の実現を目指す現職者のための講座

学び直しのニーズに応えます お茶の水女子大学 科目等履修生

本講座は、「子どもの心身の理解」「育児・保育の理解」「保育教材・環境の理解」を3本柱に充実した乳幼児期を実現するために役立つ各種科目を用意しています。

平成19年度開講授業科目

子どもの心身の理解

科 目 講 師 募集状況
子どもの病気とそのメカニズムT 榊原 洋一 終了しました
乳幼児の発達と脳科学T 榊原 洋一 終了しました
保育実践研究TUVW 榊原 洋一 終了しました
乳幼児行動の発達心理学 安治 陽子 終了しました

育児・保育の理解

科 目 講 師 募集状況
保育臨床演習T 大戸 美也子 終了しました
比較保育学T 大戸 美也子 終了しました
保育実践研究TUVW 大戸 美也子 終了しました
障害児保育教育論T 長谷川 武弘 終了しました
障害児保育教育論U 長谷川 武弘 終了しました
保育実践研究TUVW 長谷川 武弘 終了しました
現代育児論T 汐見 稔幸
大日向 雅美
小西 行郎
終了しました

保育教材・環境の理解

科 目 講 師 募集状況
育児・保育環境と工学T 鈴木 真
片岡 幸代
終了しました
保育者の情報学応用 鈴木 真
片岡 幸代
終了しました
実践音楽療法 呉 東進
下川 英子
終了しました
保育と食育 酒井 治子 終了しました
絵本・おもちゃ・メディア研究V 森下 みさ子 終了しました
絵本・おもちゃ・メディア研究W 一色 伸夫
坂上 浩子
終了しました
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開講授業の内容紹介

子どもの心身の理解

子どもの病気とそのメカニズムT
保育士や幼稚園教諭は、子どもの体のつくりとその働き、そしてその発達についての十分な知識を持つ必要がある。従来の保育士、幼稚園教諭のカリキュラムでは、こうした基礎知識と、子どもによくある病気の理解と対応の仕方について十分な時間が割かれていない。まず子どもを知ることが、保育、幼児教育の原点であるという視点に立ち、本科目では医学部のカリキュラムに準じた内容で講義を進める。また、子どもによく見られる病気については、その診断と基本的な対処が可能になることを目指す。
乳幼児の発達と脳科学T
乳児への働きかけや言葉かけは乳児の脳機能にどのような影響を与えるのだろうか。かつては、タブラ・ラサ(真っ白な板)と称されていた、乳児がすでに複雑な脳機能を有し、乳児を取り巻く世界、他の人、そして自分自身について積極的に学習をしてゆくことが明らかになっている。「ゆりかごの中の科学者」とも称されるこうした豊かな乳幼児の脳機能について近年大きな発展を遂げた脳科学的な視点から、画像を多用しながら解説を加えるとともに、乳児にかかわる保育の役割について考える。
保育実践研究TUVW(榊原担当)
榊原が担当する保育実践研究は、保育、幼児教育の現場で現職保育者が遭遇する問題について解析し、問題解決の実践的な方法を探究するゼミ形式の講義である。子どもの心身の発達や子育て環境に関するすべての分野が対象となるが、特に近年関心と懸念がもたれている子どもの発達障害に焦点を当てる。
T・Uでは、主に講義と臨床見学(病院、保健所)によって、発達障害の子どもの実態について学ぶとともに、保育園、幼稚園での注意欠陥多動性障害、高機能自閉症、アスペルガー症候群の子どもたちにどのように対応すべきか、保護者や保育者同士の連携はどのようにすべきかといった実践的なテーマについて理解を深める。
V・Wではさらに各自で課題を設定し質問紙、論文抄読、実地観察などを通じて、その解法を探索する。症例研究や質問紙研究の解析方法についての講義(論文検索法、統計解析法)も必要に応じて行う。最終的には、受講者がそれぞれの課題研究について、研究会や学会等での発表を目指す。
(保育実践研究V、Wは、I、Uを受講していることが前提となる)
乳幼児行動の発達心理学
子どもの体と心の発達、疾患についての知識と同様に、保育士、幼児教育専門家にとって欠かせないのが、子どもの心理特性とその発達の理解である。子どもの発達援助、保護者への子育て支援、さらには親子の関係性をつなぐような援助をすすめるうえでの発達の理解は重要である。発達心理学の理論的・実践的知見を紹介しながら子どもの発達とそれを保障する援助・支援について考える。
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育児・保育の理解

保育臨床演習T
保育の周辺にあって、保育者が対応に苦労し、その関係の在り方で保育の質が左右される2つの関係−保護者との関係、職場の仲間関係−について検討する。今期は、現代社会において子どもを生み・育てる当事者である保護者が求める養育力について、調査結果から明らかにし、それらをエンパワーするためのさまざまな方法を探っていく。先駆的な取り組みをしている現場の報告を聞く機会も用意する。
比較保育学T
今期は、就学前の子どもたちの発達を見通した一貫したカリキュラムを開発している北欧の国々やドイツの乳幼児保育とわが国の幼保一体的運営施設の実態とを比較検討し、保育と教育を共に大切にする就学前教育・保育の在り方を学習する。特に、フィンランドの幼児保育とドイツの陶冶ネットワークについては、これらに詳しい専門家を加えて討議する機会を用意する予定である。
保育実践研究TUVW(大戸担当)
受講者の現場(保育所や幼稚園)における保育場面を細かに区切り、個々の場面(例えば、朝の遊び場面、午後の遊び場面、食事場面、トイレ使用場面,etc.)での子どもたちや保育者の動きに関する記録を持ち寄り、両施設における子どもの生活の実態と指導の在り方を比較検討する。T/VとU/Wは同時開講であるが、T・Uの履修生については、ドキュメンテイションの作り方の向上が求められ、V・Wの受講生には、各自場面を限定して年齢差や指導形態の違いによる行動の違いを分析・考察して報告書を作成することが求められる。演習を通して保育と教育を上手にブレンドできるハイブリットな保育者の養成がめざされる。各期1回は、特色のある保育現場の見学を行う予定である。施設見学に参加でき、また記録の提供ができる方の履修を望む。
(保育実践研究V、Wは、I、Uを受講していることが前提となる)
障害児保育教育論T
近年、幼稚園や保育所において障害を持った子どもと持たない子どもが一緒に活動する、いわゆる統合保育が増加してきている。障害児保育教育論Tでは、聴覚障害や視覚障害といった感覚障害を中心に障害種ごとの特徴を説明する.後半では「障害」の考え方、とらえ方を、これまでの障害児に対する教育実践や障害学の考え方をもとにとらえ直す。とくに、聴覚障害者に対する教育現場での手話使用の歴史や重度重複障害児の教育実践から生まれた「相互輔生(そうごほせい)」という考え方などを取り上げ、ディスカッションを交えながら考えていく。
障害児保育教育論U
近年、幼稚園や保育所において障害を持った子どもと持たない子どもが一緒に活動する、いわゆる統合保育が増加してきている、障害児保育教育論Uでは、特別支援教育をキーワードに授業を進める。前半はこれまでの障害児教育(特殊教育)が歩んできた歴史を説明し、障害児教育が特殊教育から特別支援教育にかわる背景を概観する。後半は特別支援教育の考え方、実際の様子を講義と現場の先生の講演を聞く形で理解を深める。また、受講生各人が関係する自治体で行われている特別支援教育の現状を調査し、発表していただくことも予定している。
保育実践研究TUVW(長谷川担当)
長谷川が担当する保育実践研究では、子どもに対する疑問や保育場面における疑問を、心理学の研究法を拠り所に実験研究や調査研究を行い掘り下げていく。授業はすべてディスカッションを中心としたゼミ形式で行い、必要に応じて講義も行いながら進める。
I/VとU/Wはそれぞれ同時に開講するが、I・Uでは、前半ではその基礎となる心理学の研究法について講義を中心に学び、後半では研究テーマの絞り込みとプランニングを行う。特に後半では、各自が持っている疑問・興味に基づいた研究テーマが見つけられるよう、関連する文献の読みすすめを通して焦点を絞り込み、具体的に心理学の研究法に則った研究として組み立てていくことができるよう指導する。研究プランができ次第、実際の調査・実験に着手し、得られたデータの解析・検討を行う。実験の予行練習や予備実験、予備調査なども必要に応じて行っていく。取り扱うことが可能なテーマとしては、保育場面や子育てに関する質問紙を用いた調査研究や子どもの認知機構を調べるような実験研究、大人を対象にした脳波を用いた脳機能研究などがある。
V・Wでは同時平行で開かれるIの心理学の研究法について確認をしながら、これまで行った研究に関連する文献を検索し読みすすめる。これまでに行った研究を継続してデータ収集・解析も行う。また、後半ではこれまで行ってきた研究を、簡単な論文の形になるようまとめの作業を中心に進めていく。
(保育実践研究V、Wは、I、Uを受講していることが前提となる)
現代育児論T
現在ほど育児のあり方が問われた時代はない。少子化による社会全体としての育児経験の減少、男女共同参画のもとでの長時間保育の普及、そして認定子ども園に集約される幼保一元化の動きなど、保育、幼児教育の現場には大きな変動と混乱がもたらされている。また、家庭における育児力の低下に伴い、保育、幼児教育専門家には、地域コミュニティにおける育児支援の役割が期待されるようになってきている。こうした不確実で変動する保育、幼児教育界の中で、オピニオンリーダーとして活躍してきた3人の講師が、乳児発達、育児支援、保育におけるコミュニケーションなどについて鋭く切り込んだ講義を展開する。
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保育教材・環境の理解

育児・保育環境と工学T
子どもが育つ環境はどのような条件を満たしていなければならないだろうか。快適性や安全性だけでなく、子どもの発達段階にあわせた理想的な環境とはなんだろうか。また、育児製品やおもちゃはどのような思想に基づいて設計されているのだろうか。子どもの体や行動の特性を測定し、その測定結果をどのように、育児環境設計に生かすのだろうか。こうした問いに応えるのが本科目である。
さまざまな計測結果を生かした、子どもの生育環境や育児製品はどのようなものであるのか、実際に機材を使って得られた実測データをもとに学ぶ。
保育者の情報学応用
コンピュータ技術が発達しインターネットが爆発的に普及した近年、情報発信の手段としてホームページを持つ幼稚園や保育園が増えてきている。また毎月のお便りや行事の案内、部屋の中の掲示物などを、パソコンを用いて作る機会もある。この授業ではパソコンを用いた実習の応用編として、情報発信に焦点をあて、実習を中心に講義も含めて進める。特に、行事などの様子を記録した写真をちりばめたお便りや、パンフレットなどの作成にチャレンジする。必要があればビデオの取り込み、写真の編集なども織りまぜ、実習をしながら操作を体験する授業である。
(本科目の受講に際しては「保育者の情報学基礎」を受講している必要はないが、コンピュータ操作の基礎的なことは習得していることを受講の条件とする)
実践音楽療法
朝のご挨拶、音楽に合わせた体操やリズム遊び、そして帰りのご挨拶など、多くの場面で日常的に音楽が使われており、子どもたちは音楽に触れる機会が多い。しかしこの音楽にどのような意味があり効果があるのか、考える機会はあまりないのではないだろうか。また、音楽は発達障害児とのコミュニケーション形成に有効な手段の一つでもある。本科目では音楽を生かした子どもとの関係形成を目指す音楽療法を取り上げ、音楽療法の基本となる考え方を学ぶ。また、実際に音楽療法の体験もおこない、保育に取り入れる際の留意点などを、実践を通して感じ取る授業である。
保育と食育
食事は、エネルギー源であると同時に、子どもの体を作り上げる材料を提供する重要な資源である。また、食事の場面は、保育者と子どもが濃厚な社会関係を成立させる場でもある。子どもは食事場面での基本的な行動を模倣し、社会的習慣として身につける。さらに、食事は睡眠と並んで生活リズム形成の要となる活動である。 本科目では、生活の中での子どもの「食を営む力」への理解と、園と家庭とが連携した支援方法、そのためのカリキュラム作りの習得をめざす。
絵本・おもちゃ・メディア研究V
「おもちゃ・メディア・絵本T」の学習を踏まえ、玩具の最前線について保育と製作現場の双方からアプローチしていく。子どもに人気のある玩具やゲームを実際に操作したり、玩具を扱ったり作ったりしている現場の見学を行いながら、子どもと玩具との変わりつつある関係について検討する。また、年齢を超えて玩具が生み出すコミュニケーションの可能性についても考えていく。
絵本・おもちゃ・メディア研究W
シリーズ講義の第4弾。乳幼児の日常生活の中で、睡眠についで多くの時間が費やされるのが、テレビ、ビデオなどの画像メディア視聴である。長時間視聴が子どもに与える影響についてさまざまな意見が交錯するテレビメディアの製作の第一線で活躍する講師と、メディア製作現場から幼児教育現場に軸足を移した講師が、メディアの製作側と視聴者の側の両方の視点から、現代の子供向けメディアの現状と課題について具体的に解説する。ビデオなどを多用して講義を進める。
[参考]  平成19年度 開講授業科目一覧(PDFファイル)
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平成19年度科目等履修生募集要項(概要)

募集定員数 講義・演習・実習(ゼミ)によって30〜10名とします。
@科目単位で募集し複数科目受講することができます。
A授業の形態には講義形式、演習形式、実習(ゼミ)形式があります。
出願資格 当該特設講座の科目等履修生は、次の各号いずれかに該当する者とします。
@保育士又は幼稚園教諭の資格を有する者
A短期大学若しくは高等専門学校を卒業した者
Bその他本学において前2号に規定する者に準ずると認めるもの
選考方法 合否については、次のことがらを考慮して選考します。
@ 現職の保育者を優先します。(保育所等に勤務する保育士・幼稚園に勤務する教諭)
A 同一組織・機関の受講者は人数を限定します。
B 提出していただいた志望理由書をもとに評価します。
C 継続履修者については、過去の本講座の受講履歴等を参考にします。
授業料
区     分 授  業  料
1学期6単位以上の履修者 1学期     60,000円
1学期6単位未満の履修者 1単位につき  10,000円
授業期間 前学期  4月〜8月 授業開始日 4月16日(月)から
後学期 10月〜3月 授業開始日10月 1日(月)から
授業時間帯 月曜日〜金曜日 18:20〜19:50 / 集中講義 9:00〜18:10
各科目は原則として90分講義15回で構成
[参考]  平成19年度募集要項(PDFファイル)
開講授業科目に関する問い合わせ・募集要項請求先(平成19年度参考配布中)
TEL:03-5978-5831 FAX:03-5978-5943 E-mail:hp-p-ccae@cc.ocha.ac.jp
募集要項に関する問い合わせ先
TEL:03-5978-2723 E-mail:kyomu@cc.ocha.ac.jp
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