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CIBとは

2016年9月13日更新

お茶の水女子大学 生命情報学教育研究センター

 生命情報学教育研究センターは、本学におけるバイオインフォマティクスとシステムズバイオロジーの研究と教育を発展させることを目的に設立されました。生命情報学教育研究センターでは、生物学の全領域を対象として、生命を原子または分子解像度でとらえ、DNA塩基配列から細胞レベルまでのデータを情報科学の方法論を用いて系統的に解析する研究とそのために必要な教育を展開します。本センターにおける活動では、ゲノム塩基配列からの遺伝子予測、遺伝子の機能予測、遺伝子の系統解析、RNAの機能・構造予測、発現プロファイルの解析、タンパク質の構造・機能予測、タンパク質の相互作用予測、ホモロジーモデリング、生物情報画像の分類と解析、量子化学計算による酵素反応機構推定、膨大なデータからのデータ抽出方法、データベースの構築など、これらに必要な技術開発と実問題への適用をめざします。

 生命情報学は理系と文系の諸分野を横断する学際的な領域です。生命情報学は情報学の手段により生命現象を明らかにする学問ですから、当然ながら生物学と情報学がその根幹をなします。しかし、生物は物質で構成されていますので、物理学と化学が生命情報学の基礎に存在します。化学反応の詳細が関係する生命情報学には化学が必須ですし、生体高分子の構造解析に関わる生命情報学には物理が必須です。遺伝子塩基配列の比較から生物進化の過程をさかのぼるには、地質学の素養が必要になってきます。膨大なデータの統計解析には統計数学が必須になるのは自ずと明らかです。脳における情報解析やネズミの行動パターン解析には、心理学が重要な位置をしめるでしょう。人類進化をヒトゲノムから本格的にアプローチする際には、言語進化もかかわってきますので、言語学の素養が大切になってきます。本センターでこれら広大な未開の学問分野すべてを切り開くことはできません。しかし開拓を志す方々への援助は行います。

 生命情報学教育研究センターでは、本学で上記の生命情報学を学ぶ方々に履修のモデルを提示提案していきます。生命情報学は、いろいろな得意分野をもつ研究者が協力して展開する学問です。一人の研究者は、生命情報学に関係するいずれかの分野の専門家であるとともに、他分野の研究を理解できるだけの素養が必要です。そのためには学部及び大学院在学中に、様々な分野を興味を持って勉強するとともに、ある分野をしっかりと基礎から学んで自分の得意分野とすることが不可欠です。このような教育を受けることで、生命情報学の研究者としての将来を切り開くことができることはもちろん、他分野の仕事を将来切り開くこともできるようになれます。広くいろいろな学問に目が開けていることは、様々な領域への適合性を高めることにつながります。

 生命情報学教育研究センターに所属する教員の多くは、大学院研究院に本務をおき様々な分野の教育研究を展開しています。本センターでは、それぞれの分野において生命情報学に関連する教育研究を集約し、お茶の水女子大学における生命情報学教育研究の成果を体系的に発信していきます。生命情報学が学際的な分野であるために、生命情報学に関係する教員を従来の学問分類に位置づけると、教員はバラバラの組織に在籍することになってしまいます。それぞれの組織から生命情報学の研究を発信しても、従来の学問分類のなかでは、残念ながら、非常に小さな分野として位置づけられてしまいます。これらの研究を生命情報学教育研究センターからも発信することで、お茶の水女子大学における生命情報学研究の特徴とこれからがよく見えるようになることが期待できます。

 お茶の水女子大学生命情報学教育研究センターは、本学で生命情報学を学びたい方々を歓迎し、本学における生命情報学研究の発展を支えてゆきます。

 センター長:由良 敬 

  参照:生命情報学教育研究センター規則

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