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スタディツアー実施報告(フィリピン)

2012年9月8日更新

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NGO「SanPablo」にてヒアリング

2012年9月2日(日曜日)から8日(土曜日)まで、フィリピンのマニラ首都圏とイロイロ州にて「グローバル社会における平和構築」事業の一環として、学部生・大学院生9名による国際調査を行いました。

参加者はまず事前勉強会にて、フィリピンの歴史・社会・文化等の基礎的な知識や個人の研究分野に引きつけた内容など、各自の問題意識に応じた学習を行いました。また、訪問先の活動や研究に関する文献購読を行い、現地の状況を概観しました。それらを踏まえて、現地調査ではフィリピン大学、JICAフィリピン事務所、WHO西太平洋地域事務所、JICAと日本のNGO「結核予防会」やイロイロ州の地方自治体がそれぞれ協同して行っているプロジェクト、青年海外協力隊員の派遣先、NGO「LOOB」等、フィリピンの公衆衛生や障がい者の社会参加、貧困等に関する様々な機関を訪問しました。

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NGO「LOOB」の活動紹介をうける学生たち

それぞれの訪問先では活動の主な内容の説明を受け、質疑応答と現場の視察を行いました。国際協力の第一線で専門性を持って精力的に働いている日本の方々、そして明るく情熱的に活動しているフィリピンの方々の丁寧な説明を受け、参加者からは多くの質問が発せられました。

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カラフナンゴミ投棄場の見学

特に印象に残った現場視察としては、人びとが居住・労働をしているゴミ山(スモーキーマウンテン)や、地方の障がい者が社会参加できるようにバリアフリー化された公共施設等へ足を運び、そこに暮らす人びとの生活環境の一部を五感で感じる機会を得ました。

また結核の元患者や障がい者がプロジェクトによってエンパワメントされることで、当事者である仲間(ピア)として主体的に活動に参加し、コミュニティにとって重要な存在となっていました。彼らの姿を通して「共に生きる社会」とは何なのか、参加者がそれぞれ考えを深める大切なきっかけになったと思います。

最後に、国際機関で働く方々から、それぞれの立場は異なるけれど、その中で私たち自身に何ができるかを考えること、そして行動することが大切だと教えて頂きました。調査自体は短期間でしたが、この貴重な体験を踏まえて今後さらに問題意識を深め、学習・研究・行動という次のステップへと活動を続けていきたいと思います。

(人間文化創成科学研究科 人間発達科学専攻 M1 大野 理実)

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