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「東ティモール:地域社会(コミュニティ)からの紛争予防、平和構築」公開講演会開催

2012年12月22日更新

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パネルディスカッションの様子

2012年12月22日(土曜日)、公開講演会「東ティモール:地域社会(コミュニティ)からの紛争予防、平和構築」を、グローバル協力センター主催、独立行政法人国際協力機構後援で開催しました。長年の紛争後、独立から10年を迎えた東ティモールにおける平和構築を取り上げ、これまでの平和構築の取り組み(国家の再建を通じた枠組みや制度づくり、被支援国政府の主体性や能力構築の問題に焦点を当てた取り組み)では十分議論されてこなかった「地域社会やコミュニティからの平和構築」を共通のテーマとして、講演とパネルディスカッションを行いました。

まず4名の講演者からは、現場の取り組みに基づく講演がありました。Antero氏(東ティモール国立大学教授/平和紛争研究センター長)からは、約40年に及ぶ学生の平和構築運動への関わりとその意義、Maria氏(国際NGOベルン・コロンビア大学共同プログラムマネージャー)からは、コミュニティレベルで行う全国レベルの紛争予防ネットワークの構築の挑戦とその成果、樋口氏(沖縄平和協力センター研究員)からは、沖縄の戦後復興の教訓を東ティモールのコミュニティ復興に活用した取り組み、伊藤氏(ASOBOT代表取締役、GENERATION TIMES 編集長、シブヤ大学理事)からは、日本の独創的なPR/コミュニケーション手法を用いた東ティモールにおけるコミュニティラジオ事業について紹介されました。

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講演会場の様子

パネルディスカッションでは、松野教授(大阪大学大学院国際公共政策研究科)より、東ティモールの歴史と国際関係の視点から各報告の位置づけの解説、また渡邉氏(JICA東ティモール事務所企画調査員、東ティモール政府財務省アドバイザー)からは、東ティモール中央政府レベルの取り組みの現状、マクロレベルの政策とコミュニティレベルの動きとの政策のつながりの重要性が指摘され、各報告への問題提起がされました。

当日は、雨の中にもかかわらず、東ティモール国立大学と日本国内の約20大学の関係者、援助職員等、100名近くのたくさんの方々にご参加いただきました。時間の制約上十分な議論は行えなかったものの、参加者からは、「学識界、NGO、私企業という様々なアプローチで面白かった。」「平和構築、東ティモールというケースにおいては、新しい切り口、テーマのアプローチが展開された。」等の本講演会の新しい視点の評価がありました。

本開講演会を通じて、東ティモール国立大学をはじめ、多くの他大学、援助機関等との関係が開かれ、平和構築の大学間ネットワークをさらに拡大するきっかけになりました。ご多忙の中、ご登壇いただいた皆様、ご参加いただいた皆様、また本シンポジウム開催にご協力いただいた方々に深くお礼申し上げます。

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