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大学間連携イベント「国際協力ボランティアを知ろう@福島県二本松市」参加報告

2013年8月3日更新

「グローバル社会における平和構築のための大学間ネットワークの創成」事業の一環として、2013年8月2日(金曜日)~3日(土曜日)の二日間、お茶の水女子大学と奈良女子大学の学生13名はJICA二本松青年海外協力隊訓練所を訪問し、青年海外協力隊経験者や派遣前の訓練生との交流を通じて国際協力ボランティアの役割や草の根国際協力のあり方を考える機会をいただきました。

訓練所では、食堂での昼食後、北野一人所長から青年海外協力隊の概要について説明を受け、訓練生が生活する館内を案内していただきました。施設は言語ごとに分かれた教室、現地で理科教育のボランティアをする予定の訓練生が使用する実験室、体力維持のために使う体育館、派遣国などの関係文献がそろった図書館などと充実していました。

青年海外協力隊の経験者の方の講演会では協力隊応募の経緯から派遣後の生活に至るまでのお話を聴かせていただきました。派遣中の困難、葛藤、達成感やその後の生活への影響などの生の声は国際協力を考える私たちにとって非常に参考になりました。

夕食の時間は訓練生の方に同席していただき、訓練生活のことやそれぞれの派遣後のビジョンをお話していただくのみならず、大学生の私が持つ悩みや迷いなどの相談にも乗ってくださった上、心強いアドバイスをいただき私にとって貴重な時間でした。

夕食後は訓練生とのディスカッションを行い、質問をし合ってお互いの考えを共有しました。人生の先輩である訓練生の方々のお話はボランティアだけでなく自らの人生を考える上でも参考になるものでした。 就寝前には3つのグループに分かれてミーティングを開き、1日目に学び得たことについてお互いに話し合い、意見交換をして最終的に1つのテーマを設定してまとめ、2日目の学習成果発表会に備えました。

(お茶の水女子大学文教育学部言語文化学科1年 水谷 真依子)

2日目の朝はグループミーティングから始まりました。3つの班に分かれ、自分たちの感じたことを簡潔にまとめて発表しました。国際協力について感じたこと、印象に残ったことを言葉にすることで、自分たちの意見をまとめることができました。Aグループでは「強さ、知識、つながり」をテーマに、Bグループでは「派遣前、派遣中、派遣後に重要と思ったこと」、Cグループでは「支援において大切なこと」について、それぞれが模造紙にまとめました。各々が学んだことが互いに共有することができ、改めて海外への支援の大切さを感じることができたのではないかと思います。

陶芸の杜では、被災者である半谷理事長の講演をお聞きしました。被災された方の生の声をきくことで震災についてより深く感じることができました。ここでは、仮設の店舗を利用して、相馬焼の製作・販売をおこなっており、焼物の製作体験もできます。福島はとくに原発事故の影響を強く受けています。こうした仮設店舗に避難することになったのも原発で問題になった放射能の影響です。

工房内の見学では、全員が窯の様子や原料の説明を関心持って聞きました。普段、陶芸の様子を見る機会がないので、震災の話を含め勉強になりました。うわぐすりの原料になる土は、放射能の影響を受けて使用することができなくなりましたが、苦労を重ね、以前のような色を出せる調合が可能になったということでした。普段の生活はもちろん、こういった伝統産業にまで原発の影響が強くでていることを身近に感じることができました。市民の呼びかけてきたことがまだ現実化されていないことや、支援の継続化に関しての問題についても今後解決していかなくてはならないことだろうと思います。今回の見学、講演を通して、東日本大震災について自分たちも考えなくてはという気持ちがさらに大きくなりました。

(奈良女子大学生活環境学部3年 高見 明日香)

  • photo1訓練所の昼食メニューはナシゴレン(インドネシアの焼飯)
  • photo2理科教育ボランティア研修用模擬実験室の見学
    アジア・アフリカ各国の理科教科書がそろっている
  • photo2訓練生徒のディスカッション
  • photo1グループによる学びの発表
  • photo2大堀相馬焼協同組合仮設事務所
  • photo2半谷組合長のお話を聞く
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