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ネパールスタディツアー実施報告

2014年9月6日更新

2014年8月30日(土曜日)から9月6日(土曜日)まで、「国際共生社会論実習」として、学部生7名で南アジアのネパールにてフィールド調査を行いました。参加者は事前学習として自らの興味がある分野について調べ、発表し合ったり、本学博士後期課程在籍中のネパール人大学院生やネパールで長期活動された専門家による講演を聞き、ネパールについての基本的な知識を得ました。

現地では2つのグループに分かれ、医療機関や現地の女性が立ち上げた、障がいを持つ子どもの養護学校、人身売買の被害者の保護施設、服役中の受刑者の子どもの保護施設、環境保全活動を行っている団体などのローカルNPO、またトリブバン大学などを訪問しインタビューを行いました。障がいを持つ子どもの養護学校であるSERC(Special Education and rehabilitation Center for Disabled Children)では、32人の教職員が2歳半から16歳までの90人の生徒一人一人に合わせた目標を設定し、教育プログラムやリハビリテーションのプログラムを策定し、3か月毎に成果の評価と見直しを行っています。生徒のニーズに合わせた家具が施設内で手作りされており、手厚い支援と教育がなされていました。ネパール全土において障がいのある子どもについての知識を持つ専門家が非常に少なく、公的な特殊教育機関や予算が限られる中で、SERCは生徒からの授業料や奨学金で運営を行っており、きめ細やかなサポートを維持するために大変な経営努力をされているということでした。また特に地方では障がい者への支援が行き届いていないといった問題も教えていただきました。人身売買の被害者の保護施設、Maiti Nepalでは様々な啓発活動も行っており、バスの運転手や警察官に対するオリエンテーションや被害に遭う可能性がある子どもたちに識字教室を開いたりすることによって、被害を未然に防ぐ活動も行っているとのことでした。人身売買は決して当事者間だけの問題ではなく、周囲の人々の意識で大きく減少するのではないかと思いました。

今回のスタディツアーに参加して、「百聞は一見に如かず」という言葉の重さを改めて感じました。施設に自分で足を運び、自分の目で観察し、自分の耳で聞き、自分の頭で考え、そしてその場の空気を全身で感じる。その中での発見は常に新しいものであり、予想とは異なるものであり、机の上での勉強だけでは得られないものだと思いました。
今回のスタディツアーで尽力してくださった、榊原先生、駒田さん、そしてネパールで私たちを支えてくださった方々にお礼申し上げます。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

(文教育学部人文科学科グローバル文化学環2年 山下 悠)

  • photo1SERCにて生徒たちと交流
  • photo2廃棄物処理を通じ環境保全活動を行っているWEPCO Nepalにて生ゴミを堆肥として使用した畑を見学
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