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シャンティ国際ボランティア会(SVA)アフガニスタン事務所副所長の来訪

2015年11月5日更新

2015年11月5日に公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)アフガニスタン事務所副所長の現地職員の方が事務所長兼国際部長の三宅さんとともにグローバル協力センターに来訪しました。「アフガニスタン・開発途上国女子教育支援事業野々山基金」の事業の一環としてグローバル協力センターがSVAと協力して実施している、アフガニスタンの子どもたちのためのオリジナル絵本事業の責任者でもある副所長の訪問は今回で3回目です。

当日は、本学に留学している4名のアフガニスタン人大学院生も加わり、SVAの活動状況のほか、昨年行われた大統領選挙以降の政治や教育分野の状況、10月26日にアフガニスタン北部を襲った地震の被害などについてお話を伺いました。

2001年に100万人未満だったアフガニスタンの児童・生徒数は15年間で1,000万人以上に増加しましたが、現在でも就学していない子どもたちが450万人もいるそうです。識字率もゼロに近い水準から上昇したとはいえ約30%ということです。建物のある学校はまだ57%だけで残りの43%の学校では壁や屋根のない教室で子どもたちが勉強しています。先月北部地方で発生したマグニチュード7.5の地震では多くの人々が死傷したり家を失ったりしましたが、10校以上の学校の建物が崩壊してしまったそうです。

SVAは首都のあるカブール州とその東に位置するナンガハル州で子どもの教育にかかわる様々な活動をしています。このうち子ども図書館活動では両州の約100校の学校図書館の運営支援、現地の言葉であるダリ語とパシュトゥ語に翻訳した日本の絵本の寄贈、アフガニスタン人専門家からなる委員会によるオリジナル絵本の作成と配布などが行われています。野々山基金でグローバル協力センターが支援している新しい絵本についても、ストーリーや絵の作成とチェックが終了し教育省からの出版許可も得られたので印刷を待つばかりとのことでした。

参加者との質疑応答、意見交換では「これまで30種類が翻訳された日本の絵本は子どもたちに人気がありますが、左から右にめくるアフガニスタンの本に慣れている子どもが右から左にめくる日本の絵本をお終いから読み始めてしまうことがあります」、「子豚が主人公のお話はイスラムの文化にふさわしくないので配布が許可されませんでした」といった興味深い話を伺いました。子どもたちが借り出した本はほとんど全部がきちんと返却されるそうです。

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