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シリアに思いをめぐらす企画実施報告

2016年1月22日更新

シリア危機の発生から5年。現在シリアでは人口の約半数が国内外で難民・避難民となっており、いまだにその解決の糸口は見えていません。地理的な距離から、どこか自分と関係のないことにも感じてしまいがちかもしれませんが、その距離を縮めたいという思いから今回、図書館でのパネル展示と、「あつめて国際協力」プロジェクトへの協力、シリア雑貨の販売を行いました。

1月8~22日の2週間、図書館にて、シリア難民やその支援及び日本における難民について紹介するパネルを展示しました。中東が専門の文教育学部の三浦徹先生にも協力をいただき、紛争が始まる前のシリアの様子を伝える写真も掲載することができました。それらの写真によって、自分達とそれほど変わらない日常を過ごしていた人々が、今、難民とならざるを得ない状況になっていることが伝わったのではないでしょうか。

また、1月18日の週には、お昼休みに、「あつめて国際協力」のための物品回収、シリア難民が作った刺繍作品の販売を行いました。「あつめて国際協力」とは、国際NGOのケア・インターナショナル ジャパンが行っている活動で、お金を集めるのではなく、いらなくなったモノを集め、換金することで協力できるものです※1。ケア・インターナショナル ジャパンは、シリア周辺での難民支援を行っているため、その支援に協力したいと考え実施しました。書き損じハガキや外国の貨幣、本やCD/DVD、使用済み切手などをさまざまな方が持ってきてくださいました。

刺繍はイブラ・ワ・ハイト※2という団体の商品を販売しました。イブラ・ワ・ハイトはアラビア語で「針と糸」という意味で、シリア人女性に刺繍製作を依頼し、適正価格で買い取り、女性たちに収入の道を開くと同時に、シリアの刺繍伝統を保持する活動を行っています。発起人の一人はお茶の水女子大学文教育学部卒業生の志村優子さんです。今回の販売では、主にトルコに避難している方々の作品でしたが、ひとつひとつ手作りのため違いがあり、多くの人が足を止めてじっくりとみて、悩みながら商品を購入してくださいました。

このイベントを通じて、少しでも多くの人がシリアに思いをはせていただけたならば幸いです。企画・実施するにあたり、協力くださいました図書館の方々、グローバル文化学環の熊谷先生、三浦先生をはじめとする先生方、そしてグローバル協力センターの皆様、イブラ・ワ・ハイトの方々、そして足を止めて展示や商品を見てくださった方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

「シリアは、東西に開かれた文明の十字路、多様な民族や宗教が交錯し、共存する。その歴史が終わらないことを切に願う。」(文教育学部 三浦徹先生)という言葉通り、1日も早くシリアに平穏が訪れることを願います。

グローバル文化学環学生有志(牛留 早亜彩、
内山 みどり、高木 優希、生津 千里、柳下 明莉)

【参考】
※1 公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン
※2 イブラ・ワ・ハイト

  • photo1図書館での展示
  • photo2販売の様子
  • photo3販売したものの一部
  • photo4集まったもの
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