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ネパール事前勉強会「ネパールと震災復興支援について」報告

2016年6月28日更新

講師
講師の竹内氏、神藤氏、横井氏、池上氏

2016年6月28日(火曜日)に、ネパールスタディツアーの事前学習の一環で、JICA南アジア部南アジア第四課(バングラデシュ、ネパール)から4人の講師をお招きし、学内公開講座を開催しました。ワークショップ形式で進んでいき、前半にネパールの基礎情報、2015年に起こった地震の被害状況について話していただき、後半はJICAが緊急支援として行っていた住宅復興計画をもとに、ロールプレイングを行いました。ネパールの民族構成(多民族国家で、125以上の民族が住んでいる)や宗教構成、政治体制について重点的にお話をしていただきました。実際にネパールで活動されたことのある方々のお話は、資料から得る情報とは異なり、ネパールの様子や国民の気質などが想像しやすく分かりやすかったと思います。今年2016年は日本とネパールの国交樹立60周年であり、想像以上に日本と関係のある国であることや、GDPの3割が海外送金でまかなわれているほど、海外に出稼ぎに行く人が多いこと、日本もネパール人にとって人気の出稼ぎ先であることなどはお話を聞く前は知らなかったので、渡航前に知ることができてよかったと思います。

ロールプレイングの様子
ロールプレイングの様子

後半のロールプレイングでは、自分がJICAのメンバーの一員となったと想定し、多くの写真を見ながら、実際に地震直後どのような状況だったかを想像して「現場視察」を行いました。復興ミッションの一員として任されたのは、地震の被害が大きかった農村部の4世帯の住宅復興計画の立案でした。女性世帯や資産家、コミュニティへの影響力が大きい一家、親を地震で失った姉妹の4世帯に、どのように住宅を供給するのかについて、班ごとに話し合いましたが、全員に必要額が行き届かない予算の中で、何を基準に優先順位を決めるのかで意見が割れました。さらに、外部支援者が持つべき役割についても議論がなされました。計画を考えていくうえで難しかったポイントは、現地の文化や習慣をどこまで配慮できるかという点です。特にカースト制度がある地域で、平等に住宅を供給することは、長期的に見てコミュニティの維持に悪影響を及ぼすのではとの懸念が示され、この問題についても積極的な議論がなされたと思います。

今回の勉強会では、日ごろ行うことのできないロールプレイングを通して、実際の支援に携わっている人々がどんな思いで活動しているかを感じることができました。学んだことを忘れることなく、今後の学習に活かしていきたいと思います。

(文教育学部人間社会科学科グローバル文化学環2年 服部 菜摘)

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