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大学間連携イベント「国際協力ボランティアを知ろう」実施報告

2017年2月17日更新

2017年2月16日(木曜日)~17日(金曜日)、グローバル協力センターは大学間連携イベント「国際協力ボランティアを知ろう」を実施しました。参加学生6人(お茶の水女子大学から2人、奈良女子大学から4人)と引率教員2人が、国際協力ボランティアの活動、及び、東日本大震災による退避の影響と障がい者支援の活動を理解することを目的に、福島県にあるJICA二本松青年海外協力隊訓練所とNPO法人コーヒータイムを訪問しました。

一日目は、JICA二本松訓練所において、JICA・JICAボランティア事業概要説明、青年海外協力隊経験者からの講座、帰国隊員、派遣前訓練生との意見交換会などが行われました。洲崎所長からは、何事も好奇心と想像力を持って臨むこと、国際協力というと敷居が高く感じられるが各人の得意分野や専門性などを活かして貢献できることが必ずあるとのお話がありました。
協力隊経験者からの講座では、インドネシアで保健師として活動していた年野明美さんから、地域での看護活動を推進するに当たって、カウンターパートや現地住民とのやり取りに苦労したとのお話がありました。困難に直面した時でも、伝わらなければ紙に書く、予定通りにいかない場合でも自分がやるべきことをストックして次に備えておくなど、前向きに考える姿勢に共感しました。

次に、ガーナで青少年活動の職種で活動していた中山直樹さんから現地での活動について発表がありました。中山さんは、ガーナ政府の地方教育省と連携して、学校における理科と情報通信技術(ICT)の授業の改善を担っていましたが、教員の無断欠勤、生徒への体罰、設備の不足等、着任してから数多くの困難に直面したそうです。こうした状況にどう対応するのか、参加者同士のグループワークを取り入れながらプレゼンは進み、参加者自らが考える良い機会となりました。
また、JICA二本松職員の永井涼さんからは、ガーナとマラウィで活躍する協力隊員の様子を撮影した動画を上映していただき、実際の活動を身近に感じることができました。
夕食後は、派遣前訓練生から、協力隊に参加した動機、派遣に向けて期待すること、大学時代にしておいたほうが良いことなどを伺うことができました。

二日目は、グループディスカッションを通じて前日に学んだことの振り返りをした後、NPO法人コーヒータイムを訪問し、橋本理事長から活動についての説明を伺った後、作業所を見学しました。コーヒータイムは、昨年12月に創立10周年を迎えたNPOで、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で浪江町から二本松市に避難し6年目になります。主に精神障がいをお持ちの方が社会復帰できるよう支援しています。橋本理事長からのお話と作業所の見学を通じ、障がい者の方々がどのような支援を必要としているのか、利益をあげることの難しさなどが分かりました。また、報道等によれば、浪江町では今年3月末にも避難指示の一部解除が予定されていますが、町には営業している飲食店や雑貨店が少数しかないなど生活基盤が完全には復旧しておらず、住民の帰還に向けた課題は多く残されています。

イベントを通じて、参加者は、これまで理念的に考えていた「国際貢献」について、青年海外協力隊をきっかけとして具体的なイメージを持つことができたと思います。また、精神障がい者の社会復帰の難しさや、震災復興の課題についても実際に支援に携わる方からのお話を聞いて理解を深めることができました。複数の大学との合同プログラムであったことから、大学間交流の点でも有意義でした。グローバル協力センターは、今後もこうした大学間連携イベントを実施する予定です。

  • photo1青年海外協力隊経験者による講座の様子
  • photo2派遣前訓練生と小グループに分かれて意見交換会
  • photo3毎朝行われる「朝の集い」に体験参加
  • photo4コーヒータイム橋本理事長による活動説明
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