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2017年7月12日更新
2017年7月12日、全学共通科目「国際共生社会論実習」のネパールスタディツアーに向けた事前学習の一環として、ジギャン・クマル・タパ氏(公益財団法人かながわ国際交流財団職員)によるゲスト講義が行われました。ジギャン氏はネパールご出身で、その後日本でご活躍されており、ご自身の経験に基づいたリアルなお話を伺うことが出来ました。今回は『ネパールにおける多文化共生~民族・社会を中心に~』という題に基づき、豊富な写真資料と共にネパールの社会や文化について詳しくお話頂きました。
今回の講義での重要なキーワードの1つは、ネパールの「多様性」でした。複数の宗教・民族が入り混じり、カースト制度の影響が色濃いネパールでは、他の言語を学び、文化の違う人々と共生することが当たり前になっているというお話は、外国語を習得するのが苦手で「共生」についてあまり身近に感じることの少ない日本に住む我々にとっては新鮮なものでした。また、ネパールの特徴として、標高が地域によって大きく異なることが挙げられ、一言に「ネパール」と言っても標高によってネパールの様相は異なり、人々が生活している世界が大きく異なることを教えて頂きました。また、民族によって食べる物も異なり、代表的な4種類の食事の写真を例に、それぞれの食事の特徴を詳しく教えて頂きました。
次に重要であったのが、ネパール人に見られる共生のためのヒントでした。ネパールには異なる宗教を信じる人が共存していますが、それを象徴するものとしてスワヤンブナートではチベット仏教とヒンドゥー教の建物が共存していることや、元王室の周辺には昔からモスク(イスラーム教徒の礼拝所)が存在しており平和に共存してきたことなどについて教えて頂きました。また、ネパール独特の民族を超えた文化であるクマリやティカについて教えて頂き、沢山の写真資料と共にネパール人が民族や宗教を超えて繋がって生活していることを知ることが出来ました。
今回の講義では、ネパールの多様性と共生について、多くの写真資料と現地で生まれ育ったジギャン氏ならではのリアルな解説をして頂き、ネパールの人たちの日常生活について詳しく学ばせて頂きました。数字で見るようなネパールの社会の特徴ではなく、写真による実際の現地での人々の生活を詳しく教えて頂いたため、ネパールへの関心が更に高まると共に、日本人の我々にはない多様性や共生の文化を実際に目にし、学びたいという意欲が高まりました。
(文教育学部人間社会科学科1年 吉田 真音)