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大学間連携イベント「被災者の尊厳の視点から考える紛争・災害時の人道・緊急支援」実施報告

2018年12月22日更新

2018年12月22日(土曜日)、支援の質とアカウンタビリティ向上ネットワーク(JQAN)の五十嵐豪氏(AAR Japan [難民を助ける会])、松尾沢子氏(JANIC)、石井宏明氏(難民支援協会)を講師として、大学間連携イベント「被災者の尊厳の視点から考える紛争・災害時の人道・緊急支援~スフィア・スタンダード、教育ミニマム・スタンダードに学ぶ~」が行われました。本イベントは、人道・緊急支援における援助の質とアカウンタビリティについて、関心を有する学生が、講義、実践練習、グループワーク・発表などを通じて学ぶ参加型ワークショップです。当日は4大学から25名(他、オブザーバー2名)の参加がありました。

冒頭、講師・参加学生を交えた自己紹介が行われた後、各グループでスクリーンに投影された数枚の絵を見て、想起される課題について話し合われました。このエクササイズを通して、援助者と非援助者の間の非対称な力関係、難民支援の際に生じ得る難民とホストコミュニティの軋轢、人道・緊急支援時の公平性などについて参加者一同は理解を深めることができました。続いて、人道・緊急支援の国際基準がなぜ生まれたのか、その背景と歴史、過去の教訓、及び、基本原則について、講義形式で説明がありました。その後、「スフィアプロジェクト」の歴史、ハンドブックの構成、並びに、権利保護の原則、栄養、保健、給水・衛生、シェルター等の各分野の全体の中での位置づけなどについて詳しく説明がありました。

事例として、架空の被災地における様々な問題を抱えた避難所運営を取り上げ、事例のどこか問題なのか、「スフィア・スタンダード」のどの部分が対応しているか、具体的な対策は何か等について、グループワークを通じて議論を行いフロアに発表しました。総括として、JQAN講師が講評を行い散会となりました。

参加者からは、「ワークショップ形式で国際開発について考えていく機会は今までなかったので、とても勉強になりました」、「人道支援に関しては全くの無知でしたが、1日の講義・ワークショップを通して多くの知見を得られました」、「普段接する機会の少ない所属の方とお話が出来て良かったです」、「人道支援に特化した内容は学ぶ機会が少ないので、有意義な時間だったと思う」といった声が聞かれました。

近年、日本を含め、世界的に自然災害が多発し、長期にわたり避難所等で不自由な生活を送る人々が増加しています。また、多発する紛争により、生活の場を追われ、難民キャンプ等での生活を余儀なくされる人々も増えています。本イベントは、国内の災害援助のあり方、また、海外における人道・緊急支援のあり方について、広く考える機会となりました。

  • photo1講師の五十嵐豪氏
  • photo2ケーススタディ中の避難所の問題点について
    考える参加者
  • photo3グループワークの内容を発表する参加者
  • photo4JQAN講師による講評
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