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大学間連携イベント「『対話型ファシリテーション』を用いた途上国の人々との話し方」実施報告

2019年7月6日更新

2019年7月6日(土曜日)、NPO法人ムラのミライ海外事業チーフの前川 香子氏を講師としてお招きし、大学間連携イベント「『対話型ファシリテーション』を用いた途上国の人々との話し方」が実施されました。当日は2大学から22名の学生・社会人が参加しました。

対話型ファシリテーションは、事実のみを聞き出す質問を重ねながら、対象者の本音やニーズを少しずつ引き出したり気づきを与える対話術です。また、国際協力の現場での調査・事業だけでなく、国内でのインタビューや身近な人々との対話にも役立つ技術です。

はじめにNPO法人ムラのミライ(旧ソムニード)の活動紹介を交えながら、事業の持続性や住民の自立促進が上手くいかなかった時期の経験や本手法が開発された経緯をご説明いただきました。そして対話型ファシリテーションの要となる「事実質問」において、具体的にどのような疑問詞を使えばよいのかを教えていただきました。この手法は「考えさせるな、思い出させろ」をモットーに、「なぜ」、「どうですか」や解釈が曖昧な言葉を避け、相手の回答に感覚や思い込みが含まれないようにすることがポイントです。簡単に聞こえるものの、ロールプレイやグループワークを通じて「これは何ですか」からスタートする事実質問の組み立て練習を行ってみると、つい抽象的な言葉を使ってしまいそうになり、難しいことを実感しました。他のグループの工夫された質問を聞いたり、発表後に質問の改善案などの意見を出し合い、学びの多い演習となりました。

さらに、現場で開発途上国の人々が「外国から来た援助関係者」である自分に気を遣ったり援助側の期待に応えることを考えながら回答してしまうことは当然であるため、真実を引き出すためには相手と対等な関係を築く努力が必要であるという点が印象に残りました。技術とインタビューの心得を身につけ、今後の国際開発の仕事に活かしていきたいと思います。

(生活科学部卒業 上田 由理佳)

  • photo1講師の前川氏
  • photo2ペアでの事実質問の練習
  • photo3グループでの事実質問練習
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