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第8回SDGsセミナー「アフガニスタンでの子どもの教育支援について」実施報告

2020年12月15日更新

グローバル協力センターでは、アフガニスタン女子教育支援の一環として、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)と連携して絵本・図書館事業への支援を行っています。2020年12月7日、SVA事務局長兼アフガニスタン事務所所長の山本英里氏と、アフガニスタン事務所所長代行のワヒド・ザマニ氏(現地から)をオンラインでつなぎ、「アフガニスタンでの子どもの教育支援について」と題してアフガニスタンの現状と同会の教育支援活動についてお話いただきました。

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SVA事務局長兼アフガニスタン事務所所長の山本氏と
アフガニスタン事務所調整員兼事業担当の真屋氏

冒頭山本氏より、SVAの活動について説明がありました。SVAは日本で生まれたNGOです。1980年代にカンボジア難民の緊急救援活動として、タイ側で活動を始めてから、40年間、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ネパール、アフガニスタンのアジア6カ国7地域で主に教育文化支援事業、緊急救援支援事業を中心に活動をされています。他団体の支援の中心が衣食住と基本的な暮らしに必要なものになっている中、人びとがそれぞれ自立していくための能力をしっかりとつけていくためには、教育文化支援事業が必要ではないかとの考えのもとに絵本・紙芝居の出版、絵本を届ける運動、移動図書館活動、子ども図書館、学校図書館での活動や学校建設という方法で教育のために支援を行っています。また、支援活動の際には、現地の政府が責任を持って自国の子どもたちに教育の機会を確保していくことが重要であるという考えから、全ての活動は開始時期から行政、現地の住民の方々などへの研修を織り込みながら事業・活動が終了した後も継続して事業を担っていけるような活動をしているとのことでした。各事務所に日本人が1~2人が駐在されていますが、現地の職員が主体となって活動を行っているとのお話がありました。

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SVAアフガニスタン事務所所長代行のワヒド氏

次に、現地カブールのワヒド氏より、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、より厳しい状況におかれている国内避難民・帰還民の状況、武力闘争が続くアフガニスタンの和平に向けての政府と反政府武装勢力タリバンによる和平協議の進展やそのことへの市民の受け止めについて、またコロナ禍におけるSVAの緊急救援活動や図書館活動などについてお話をいただきました。
アフガニスタンにおいても、新型コロナウイルス感染症の収束の兆しはみえていません。SVAは主にアフガニスタン東部で活動をされていますが、コロナ禍の中ロックダウンの影響で現金収入が絶たれてしまい、生活に困窮した国内避難民・帰還民の方に食料支援、衛生用品の配布を行ったということです。現地ではコロナ感染症の拡大が「イスラム教徒は感染しない」などといった間違った知識やマスクをしないなど感染症予防の知識の不足から起きていることから、手洗いなどの啓発パンフレットの配布などを行っているそうです。また、コロナ禍では家庭内で女性がDV被害にあうリスクが高まっており、クナール県の女性センターで、期間限定でパキスタンからの帰還民の女性の方々に感染症対策法や家庭内の暴力はあたりまえではない・保護される権利があるなどの啓発活動を実施したとのことです。研修を終えた女性の方々が自発的にマスクづくりをし、それを地域に配るといったことを始められたことは嬉しい出来事でしたとお話いただきました。図書館活動としては、9月からカブール、ナンガハール、ラグマンの計16校で移動図書館活動を再開しているとのことです。学校もいつ再びロックダウンになるか分からない状況の中で、9月からアフガニスタンの全国で毎日放送されている教育省のラジオ番組と、ジャララバードの民間のラジオ番組で各週に3日、約20分間これまで出版した絵本の読み聞かせキャンペーンなどを開始しているとのことでした。

質疑応答では、受講生から、図書館の具体的運営方法やコロナ禍の同国での宗教・メディアの対応などについて活発な質問が提示されました。
持続可能な開発目標(SDGs)では17の目標、169のターゲットが掲げられています。教育は4番目のゴールですが、SVAは教育というのは単独目標ではなく、むしろ17ゴール全てを達成する基本・基盤になるもので、教育を達成すればよいということよりも、17のゴール全てに関連しながらその基盤に教育があるという風に考えているそうです。長年に及ぶ紛争・コロナ感染症の影響がある中で、工夫しながら、必要とされている方々に継続的に届けておられる支援活動について、理解を深めることができました。

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