センターについて センターの活動 SDGsの取組 刊行物 お問い合わせ・アクセス

ページの本文です。

2020年度アフガニスタン女性教員・研究者との意見交換会実施について

2021年3月3日更新

お茶の水女子大学グローバル協力センターでは、故野々山様の遺贈により、「アフガニスタン・開発途上国女子教育支援事業野々山基金(以下、野々山基金)」の支援によるアフガニスタン女子教育支援の継続とネットワークの維持、アフガニスタン女性研究者の研究・実務レベルの向上を目的に2012年度より短期研修を実施しており、これまで8年間にわたって、計16人を受け入れています。こうした取り組みは、国費留学生のフォローアップの役割を果たすとともに、留学生候補者の発掘・準備にもつながっています。これまで、6名がフォローアップ(うち2名は元奈良女子大学留学生)、2名が留学前研修で参加しました。現在1名が2021年度からJICA PEACEプログラムで留学が決定していて、1名が留学準備中です。また、招聘者はカブール大学教員、卒業生が中心であり、同大学とのネットワーク維持にも重要な役割を果たしています。

2020年度は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ感染症)の影響による受け入れ研修の中止を受け、2月19日(金曜日)に2017年度から2019年度に来日した研修員5名とオンラインにて意見交換会を実施し、研修の効果や改善へのアドバイス、また、ネットワークの構築に向けて意見交換を行いました。過去の本事業研修生との意見交換会開催は今回が初めてとなります。

研修員には、新型コロナ感染症など現在のアフガニスタンの状況、野々山基金短期研修がその後のキャリアに役立っているか、今後の研修に向けてのアドバイス、また、ネットワークの構築に向けて今後年1~2回のオンライン交流会の実施案等についての意見を聞きました。 参加者からは、本短期研修はアフガニスタンの女性教員・研究者にとり良いプログラムであり、継続して欲しいとの評価をいただきました。帰国後の効果として、研修の際に得た実験の技術(抽出)が勤務先の研究所での新型コロナ感染症に係る業務に特に役立っているとのお話や、研修後、学びを深めることやアフガニスタンでのキャリア向上のため留学の機会を模索していることについてお話があり、一人は2021年4月にJICA PEACEプログラム研修員として来日予定であるとの報告がありました。また研修期間をもう少し長くしてほしいとの要望がありました。

学術的な効果の他に、静岡県のレシャード医院を訪問しアフガニスタン人医師が日本で活躍していることを知り感銘を受けたことや、薬局や博物館などを訪問したこと、また、来日することにより日本の良さを知り文化に直接触れることが出来てよかったとのコメントをいただきました。

今後、野々山基金短期研修参加者による年1~2回程度のオンライン意見交換会の開催について聞いたところ、全員から実施して欲しいとの意見がありました。アフガニスタンでは新型コロナ感染症の影響で雇用情勢が悪化していることや、タリバンとの和平協定の結果次第では女性が社会で働くことが難しくなることも考えられるため、意見交換だけでなく、インターンシップ、留学等の情報提供やオンラインワークショップ等の開催などの提案もありました。オンライン意見交換会についても、金曜日の午後(アフガニスタン時間13時)から開始することがよいということで、次回のミーティングについても積極参加の意向が示され閉会しました。

  •  
  • このエントリーをはてなブックマークに追加