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第14回SDGsセミナー「SDGs時代のインフラ整備―東南アジアでの事例を踏まえて―」実施報告

2021年11月18日更新

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講師の河浪秀次氏

2021年11月8日、第14回SDGsセミナー「SDGs時代のインフラ整備―東南アジアでの事例を踏まえて―」では、日本工営株式会社コンサルティング事業統括本部技師長(東南アジア担当)の河浪秀次氏をお迎えし、インフラ開発の醍醐味とその在り方についてお話を伺いました。

ODA(政府開発援助)におけるインフラ事業は、産業や社会生活の基盤となる施設(エネルギー、道路・橋梁・トンネル、空港・港湾等)を整備するために、政府や各省庁、建設業者、メーカー、商社、コンサルタント等多くの人々が関わることで実施されています。インフラ事業を行うことで、経済や民間の発展に寄与するといった利点があります。その一方で、自然・社会環境への負荷、途上国の貧困格差の助長といった負の影響もあるそうです。開発援助として単にインフラを整備すれば良いという訳ではなく、インフラ整備が与える影響についてあらゆる角度から考え、検証する必要があるということを学びました。さらに、インフラ整備と関連するSDGsのゴール・ターゲットがいくつも挙げられていました。複数のSDGsのゴール・ターゲットと関連があるということからも、インフラ整備が様々な分野に影響を与えることが分かりました。

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画面:インフラ整備と関連するSDGsのゴール・ターゲット

また、海外の現場で行われるインフラ整備等の開発援助は、様々な国の人々と共同でプロジェクトを実行することがあるそうです。様々な国の、多様なスキルや熱意を持った人々が集まるからこそ、途上国により良い開発援助を行うことができるのだと思いました。援助をする側として現地に行くことで、同じ志を持つ仲間と出会えるということも非常に魅力的だと感じました。

SDGsを踏まえた今後のインフラ整備の在り方として質の高いインフラ整備が目指されています。質の高いインフラ整備について、河浪さんの「優しく」、「正しく」作るという言葉が印象に残りました。援助を「する側」と「される側」ではどうしても上下関係ができてしまうことがあると思います。しかし、この「優しく」、「正しく」という言葉には、被援助国と援助国を対等な関係とし、「現地の人々や環境にとって良いものを」という思いが強く込められており、愛のある援助であると感じました。
開発援助では、援助を「する側」が恣意的になることのないように、その地に住む人々や自然環境に寄り添うことの重要性を再認識しました。

(文教育学部人間社会科学科2年 野澤 梨乃)

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