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「2021年度第6回ブータン連続セミナー」実施報告

2021年12月15日更新

2021年11月27日の第6回ブータン連続セミナーには、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の石内良季さんにお越しいただきました。セミナーでは、ブータンにまつわる映像作品『Themes Around the World』「Bhutan, In Search of a Celestial Kingdom: Part 1. Road to Merak, an Unchartered Land / Part 2. Golden Langurs and Black Yaks」の鑑賞及びその解説が行われました。この映像作品は、韓国で制作され2014年に放送された全編英語の番組でした。

今回は新しい試みとして、チャットの使い方が分からないかたへの説明も行いました。参加者を対象に行った事後アンケートでは、ブータンのことを知っているかどうかに関わらず、楽しめたという意見を回答者全員からいただくことができました。普段はあまり聞くことのできない研究の話、リアルな生活の話、また比較的取り上げられることの少ないブータン東部地方のことや海外の番組に着目していたことを高く評価してくださったかたも多かったです。

今後の改善点としては、まだ気軽に質問することができない参加者のかたがいることや、お茶大からの参加者が少ないということが挙げられます。他にも、セミナー後にもっと内容を深めたいかたへの参考文献・ウェブサイトの紹介や見逃し配信の希望もありました。

(生活科学部心理学科1年 山島 凜佳)

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画面1:メラに関する説明

映像中の撮影クルーは、インドのアッサム州にあるグワハティからブータンを目指します。ブータン東部のゲートウェイと言われているサムドゥプ・ジョンカルからブータンに入国した一行は、そこからタシガン県のメラを訪れました。

撮影時期がブータンでは雨季に当たる9月だったこともあり、車での移動に苦戦している様子が映像からうかがえました。ひどいぬかるみや落石の中、雨に打たれながら車を移動させるシーンがありましたが、撮影クルーたちを手伝う現地の人たちはそんな状況も楽しんでいるような様子で、車が動き出すまで手厚くサポートしており、ブータンの人々の温かさが感じられました。

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画面2:石内氏による解説

メラでの映像からは、人々とヤクの生活を知ることができました。ヤクとのふれあいの様子から、ブータンの人々はヤクに敬意を払い、文字通り「共生」していることが分かりました。このメラの人々の精神はとても尊いものだと思います。メラで暮らす人々は、ブータンの民族衣装として知られている「ゴ」・「キラ」とは別の民族衣装を着ており、ブータン国内の文化的多様性に関しても考えることができました。

石内さんには、主にブータンでの留学・研究調査のお話をしていただきました。学生寮での生活は少しハプニングもあったようですが、写真を用いてお話しいただいた内容からは、ブータンの学生と交流しながら楽しんで学ばれていた様子がうかがえました。また、空き家問題や村のお寺の維持など、現在のブータンで表出している問題についてご説明いただきました。「移動」に着目したブータン研究のお話は非常に興味深く、セミナー参加者からも好評でした。参加者からの質問にも丁寧に答えていただきました。
総じて、学びの多い充実したセミナーでした。

(文教育学部言語文化学科1年 山本 愛理)

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