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「2021年度第10回ブータン連続セミナー」実施報告

2022年3月31日更新

2022年3月26日、今年最終回となった第10回ブータン連続セミナーでは、『NHK特派員報告』「秘境の戴冠式ブータン」(1974年)と『NHK海外取材番組』「小さな国々 第5集ヒマラヤの秘境ブータン」(1967年)を鑑賞しました。

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画面1:視聴した映像の紹介

セミナーの前半ではこれら2つの映像作品を鑑賞し、ブータンの前国王(第4代国王)の戴冠式や当時の国会、農場、学校などについて、また空港建設やタシチョ・ゾンと呼ばれる建物の改修の様子を学びました。

特に、学費がすべて国によって賄われていたティンプー・パブリック・スクールの様子はとても興味深かったです。教育が国づくりの第一歩という考えから、当時のブータンでは学生の留学費用もすべて国が負担していたそうです。

コロンボ計画で日本からブータンに派遣された農業技術者の西岡京治さんに関しては、どちらの映像作品でも取り上げられており、改めてその存在感の強さを感じました。外貨を稼ぐ策がなく外国からの援助への依存度が高いままだという当時の状況において、野菜を作ってインドに輸出することこそが経済発展の一番の近道だと考えた西岡さんは、集約農業の導入や稲の品質改良を行いブータンの開発に大きく貢献されました。これまでのセミナーでも何回も名前が挙がった人物ですが、今回は、当時の農業事業の様子とともに、皇太后(第3代国王妃)との交流の様子なども見ることができ新鮮でした。

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画面2:平山先生による解説

セミナー後半には、映像内のナレーションの秀逸さや表現の気になる部分、また、戴冠式に関するインドの公式記録映像と日本の映像の内容の違いなどについて平山雄大先生から解説いただきました。参加者の皆さまが観賞中に気になっていたことを、この時間にスッキリさせることができたのではないでしょうか。時間が足りなくなるほど、たくさんのトピックが挙げられました。

質疑応答の時間では、チャットに寄せられた質問や感想を共有しました。平山先生だけでなく参加者の方からも考察をいただき、双方向の交流会となったように思います。

参加者を対象にした事後アンケートには、「初心者向けの説明がわかりやすかった」、「現在の様子だけでなく歴史がいきいきと感じられた」、「映像を見た上での解説・説明だったのでわかりやすかった」といった声が寄せられました。
今年度のブータン連続セミナーは最終回となりましたが、アンケートへの回答をはじめとした参加者の皆さまの声のおかげで小さな改良を重ね、良いセミナーを作り上げられたと感じています。この1年間、セミナーに関わってくださった皆さまに心より感謝いたします。

来年度もブータン連続セミナーは開催されますので、引き続きよろしくお願いいたします。

(生活科学部心理学科1年 山島凛佳)

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