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第19回SDGsセミナー「居場所づくりの現場から」実施報告

2022年7月7日更新

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認定NPO法人カタリバのビジョン

本日のセミナーでは、NPOの現場起点の視点から、社会課題とNPOの特徴の関係、またNPOが社会に与える影響について理解を深めることができました。特に印象に残った点は大きく2点あります。

第一に、認定NPO法人カタリバの掲げる「ナナメの関係」による共成長モデルには、あらゆる角度によるつながりが想定されるという点です。核家族化やコロナ禍による接触機会の減少を要因とするつながりの希薄化は近年より顕著にみられています。だからこそ、あらゆる関係性に変容しうるつながりのあり方によって、共に成長し、心を育むことが求められていると考えます。私自身も、今後自分と周囲の人々との関係を再考することで、より深くこの関係性づくりの意義や留意点について考えたいです。

第二に、NPOの社会問題の捉え方という点です。カタリバ(放課後の居場所支援施設)では、社会課題の認識を起点として、複数の課題を相互の関係性を意識しながら整理することで、「居場所づくり」という一貫したキーワードを導き出している点が印象的でした。この課題解決プロセスによって、多様な背景とニーズをもつ人々にとっての1つの選択肢としてNPOが機能することが可能になっているのではないかと考えます。さらに、「居場所」に依存するのではなく、「意欲を育む」というアプローチには、営利企業とは異なるNPOの中長期的な物事の見方や人を重視したサービスのあり方が表れていると感じました。

一方で、NPOが単独でその課題に取り組むだけではなく、地域や行政、学校と相互に働きかけ合いながら連携しているという点も興味深いと感じました。NPOをはじめとする各アクターがその特徴を生かしながらも互いに補完し合うことで、同じ社会課題に取り組むパートナーシップを築くことが重要であると考えます。また、お話の中で講師の笹間さんが指摘された社会課題や現状を「自分ごと」として捉える過程の先には、このような社会の連携のカタチがあるのではないかと感じました。どのような社会課題に対し、どのような視点から、どのように関わり解決を目指したいのか、自分と社会の関係を見つめ直すことで、多様なアクターの中での関わり方を模索できると考えます。だからこそ、笹間さんのお話にあったように、自分の目指したい姿や未来を考え、言語化していくということを実践したいと思います。

現場の視点からその解決に向けた取組や社会の変化を学ぶことで、NPOの役割への理解を深めるだけでなく、自分自身と社会の繋がりを考えるきっかけを得ることができました。本当に貴重なお話をありがとうございました。

(文教育学部言語文化学科グローバル文化学環3年 大津 琴音)

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