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第20回SDGsセミナー「学生による社会起業の実践」実施報告

2022年7月19日更新

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講師の高久翔伍氏

7月7日(木)16:45~18:15、本学のグローバル協力センターが主催する第20回持続可能な開発目標(SDGs)セミナーが開かれました。「学生による社会起業の実践」と題された第20回のセミナーでは、早稲田大学文化構想学部4年生の高久翔伍さんが講師を務めて下さいました。オンライン形式で実施され、本学・早稲田大学内外から合計70名以上が参加しました。

講師の高久さんは、ソーシャルビジネスというアプローチから途上国支援に関わりたいと考え、現役大学生でありながらマレーシアで「大福屋さん」を起業したという驚きの経験をお持ちのスーパー大学生。高校生までは途上国や国際協力に関心を抱いたことはなかったものの、大学に入学した2017年にミャンマーを旅行し途上国に魅せられたことが、その後の活動のきっかけとなったといいます。そして、マレーシアの無国籍の子ども達への教育支援ボランティアを行う早稲田大学のサークル「ボルネオプロジェクト」を、代表として盛り立ててきました。活動する中でよりディープにマレーシアを支援したいと考えるようになった高久さんは、国内の難民支援企業でのインターンを経て、2019年、「大福屋さん」を開店させます。事業では現地の貧困層の人々を雇用することで、貧困層の子どもでも安心して公教育を受けられる体制の構築に取り組んできました。

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高久氏が起業した大福屋の事業システム

卓越した行動力と熱意のある高久さんですが、セミナーでは自身を「ミーハー大学生」と称し、あくまでも一人の一般的大学生として、ソーシャルビジネスの起業に至った経緯や試行錯誤の過程について、率直にまたユーモラスに話して下さいました。ソーシャルビジネスの難しさやコロナ禍という思わぬ事態による挫折といった経験談からは、成功という結果を求めることよりも、失敗を恐れずに挑戦と試行錯誤、軌道修正を繰り返すことの価値を痛感させられました。また、大福屋さん創業にあたって融資獲得のためのプレゼン等も経験してきた高久さんは、プレゼンテーション能力にも長けており、講義の内容だけでなく聴衆を惹きつけるプレゼンの技法についても多くを学ぶことができました。

近年、日本では若者の起業家精神育成の重要性が盛んに唱えられており、本学でもアントレプレナーシップ教育の授業等が行われています。現役大学生として海外での飲食店起業に取り組んだ高久さんを講師に迎えて実施された本セミナーは、本学の学生にとって視野を広げるための非常に有意義な学びとなりました。今後も、持続可能な社会の構築を考えるため、同世代の実体験から学ぶ機会を大切にしていきたいと思います。

(文教育学部人間社会科学科グローバル文化学環3年 太田 朝弓)

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