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JICA中国主催「因島フィールドワーク合宿」参加報告

2022年8月15日更新

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日の出です。空気も景色もきれいでした。

8月7日から15日までJICA中国主催の「因島フィールドワーク合宿」に参加しました。イベントには、私を含め12人の学生が参加しました。イベントの参加対象者は中国5県在住の大学生・大学院生ということでしたが、実家が広島にあるということで、この企画に参加することができました。

因島は瀬戸内海にあり、造船業で栄えた島です。特に、日の出や日の入りは美しく、心がなごやかになります。現在は、外国人技能実習生が産業を支える一方で、高齢化、コミュニティーの崩壊、後継者不足や耕作地の放棄などの問題も抱えています。因島では、アメリカ人建築家ヴォーリスの建築物がペンションとして使用されていて、自由時間にそれを見学することもできました。

この合宿の目標は、「参加者それぞれが合宿参加後に自分たちが住む地域で主体的に多文化共生社会の実現や地域の課題解決に貢献できるひとりとなること」です。プログラムには、地域開発に関する講義や地元企業や外国人実習生へのインタビューなどが含まれており、集大成としてイベントを企画し、開催することとなっていました。

この合宿を通して、特に印象に残ったことが2つあります。一つ目は、普段関わることのない地域の大学に通う学生と交流できたという点です。個性豊かな素敵な学生ばかりで、興味のあることを共有しあったり、一つの課題に対して全く違う観点から話したりすることができて、とても刺激的でした。初日に、「近所の農家さんからいただいた。」と大量の野菜を持ってきた学生がいて、とても驚きました。東京の私の住居の周りには畑はありませんし、近隣の人との関係も希薄だからです。都市部の学生とは違い、「地域に寄り添いつつ、世界にもつながる」というスタンスでいる学生が多いのかなと感じました。また、私は東京では、「訛っているね。」と言われ、気になることがあるのですが、イントネーションを気にせずに(むしろ、懐かしい気もしながら)話せたのも嬉しかったです。

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因島の浜辺にて。地元の人で賑わうビーチでした。

二つ目は、地方活性化のためにできることは観光だけではないということです。私は、地域活性化への取り組みと言えば観光による集客というイメージを持っていました。しかし、今回伺った因島の企業は既存の造船技術を生かした産業を創出されておられ、小規模ながらも地元に人やお金を呼んでいることを知りました。中小企業の強みを生かし、やりたいことを提案できる関係が素晴らしいと感じました。観光は、一時的なものになりがちだと思います。地域社会を継続させていくためには、流行や観光に頼るのではなく、地域の歴史や産業を生かした振興策を考えていく必要があることに気づかされました。

なお、合宿の活動内容については、参加学生が毎日日記をつけるような形で紹介しています。詳細はこちらからご覧いただけます。

最後に、今回が大学生になって初めて、宿泊を兼ねたイベントへの参加でした。対面で会って多くの時間を共に過ごしたからこそ、話せたこともたくさんあると思います。実際に、その場に行くこと、人と出会うことの大切さを改めて感じました。今回得たつながりや学びを今後も生かしていきたいです。

(生活科学部人間・環境科学科3年 畑岡美代)

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