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2022年9月26日更新
グローバル協力センターでは、2021年度より(1)南アジアに位置するブータン王国を巡る諸相に触れること、(2)それらから開発政策や国・地域の在りかたを考えることを目的とした地域研究型セミナーを開催しています。毎回ブータンを扱った国内外の新旧映像作品を取り上げ、映像作品の視聴、発表者(コメンテーター)からの簡単な解説、質疑応答という流れで実施しており、今年度のセミナーは外務省「2022年日本・南西アジア交流年」認定事業にもなっています。
第10回となる今回は、徒歩で5日かかる僻地リンシに手紙を届ける配達員を追ったドキュメンタリーを取り上げました。映像視聴後は元JICA専門家の津川智明氏より解説及びコメントをいただき、その後、ブータンの地理、識字率や就学率、祈りのかたち、リンシの集落の特徴等に関して、参加者からの質問に回答するかたちで情報共有を行いました。
当日は55名ほどの参加がありました。参加者からは、「自然と共存しつつ、教育の大切さや、飢饉への備えを忘れない現実的な考えを持っているところが印象的だった。」「このドキュメンタリーを見て、文明に浴しての生活をしている私が、リンシの方たちにそのままでいてほしいと望んでしまうのは何か違う気もして、複雑な気持ちにもなるのですが、津川さんがおっしゃっていたように、都会にはない価値観を持ちながら逞しく生きる人たちの生き方に触れることで、自分自身の価値観を問い直す機会にはなると思います。」などのコメントが寄せられました。