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2022年11月30日更新
グローバル協力センターでは、2022年5月より、毎週金曜日のお昼休みにアフガニスタンに関する勉強会を毎回7、8名程度の参加を得て実施しています。参加学生4名がこの学びで得た気づきについて、2022年11月に開催された徽音祭の学術企画として対面と動画で発信することとなりました。参加学生から、プレゼンする資料を準備する中で、座学だけではなく実際にその国の料理を作ってみることで、アフガニスタンを身近に感じ、理解を深めたい、との要望があがり、10月13日(木曜日)、国際交流留学生プラザキッチンにて、勉強会の講師である元アフガニスタン人留学生によりアフガニスタンの伝統的な家庭料理「ボラニ(Bolani) 」(以下ボラニ)を教えていただくこととなりました。 当日は、集団で飲食をしないことや十分な換気、消毒を行うなど感染症対策に気を付けて調理を行いました。
アフガニスタンは南アジアと中央アジアの間に位置する多民族国家で、その料理は隣接する国々の影響を受けているようです。アフガニスタンでは、小麦粉を練ったものを窯で焼き上げた「ナン」が主食として広く食べられているそうです。ボラニは、アフガニスタンではポピュラーな料理の一つで、ナンの生地に具材を包んで焼いた料理です。インドの具入り薄焼きパンの「アルパラタ」によく似ているように感じました。ボラニはお祝いなどで家族が大勢集まるパーティーの時によく食べられるとのことで、元留学生の方も「子どものころからよく手伝って作っていた」とのことです。 大人数向けに作ることから、複数人で調理することが多いこと、料理をするのは女性のみであることなどをお話しいただきました。
ボラニ作りは生地作りから始まります。小麦粉に塩とイーストを入れ、生地をぬるま湯でこねた後、2時間以上寝かせて作るそうですが、当日は時間が限られていることから、予め元留学生の方に作っておいていただきました。
ボラニの具材(あん)に使う野菜はお好みで良いようです。今回は、茹でたジャガイモ、チャイブ(風味がネギに似ているハーブの一種)、キャラウェイパウダーとコリアンダーパウダー(いずれもスパイス)を用意しました。ジャガイモをマッシュし、みじん切りしたチャイブを和え、2つのパウダーで味を整えてあんを作り、それを薄くのばした生地に餃子のように包んでいきました。生地を丸く薄くのばすことや、あんを生地にのせてゆく作業は意外に手間と時間がかかり、「アフガニスタンの女性たちは、この料理を用意するときは大勢で取り掛かる」との説明に一同納得しました。あんを包み終わった生地はたっぷりの油を使いフライパンで焼きました。アフガニスタンでもフライパンで調理する、との紹介がありました。一枚一枚焼き上げる中で、一度に焼けないため時間がかかり、大変な作業であると感じました。
当日は、ボラニへの付け合わせのトマトソースのチャツネ(Chatni)も紹介してもらいました。チャツネは南アジアから入ってきたソースのようです。今回教えていただいたチャツネは、トマト、ニンニク、唐辛子、酢、塩を使いミキサーで攪拌して作りました。ニンニクのパンチが少し効いたトマトと酢の酸味がさわやかなソースでした。参加学生たちは、ボラニを持ち帰り、このチャツネを添え、お昼にボラニを美味しく頂きました。
短い時間でしたが、参加学生からはアフガニスタンの食文化の一端を知り、またアフガニスタンの女性の日々の様子を身近に感じることができた貴重な機会であった、との意見が聞かれました。学生は多くの人にアフガニスタンを身近に感じてもらうことを期待し、徽音祭の動画発表資料の中で調理の様子の一部を紹介しました。(※動画はこちらよりご覧いただけます。)