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2024年6月21日更新
6月3日(月曜日)、「第41回SDGsセミナー」として認定NPO法人カタリバで働かれている中島彩乃さんからご講演いただきました。講演の中では、カタリバのコンセプトやカタリバの放課後支援施設の概要だけでなく、ご本人がなぜカタリバに転職され、現在どのような気持ちで勤めていらっしゃるのか、また現在募集されているインターンやボランティアの詳細についてのお話をお聞きしました。
まず、カタリバの中のアダチベースという場所についてのお話をしていただきました。アダチベースは足立区に住む家庭環境に問題を抱える中高生に対して第三の拠点を提供する空間です。そのお話の中で「ナナメの関係」を団体の強みとして掲げていることが印象に残りました。保護者や教師のような縦の関係でもなく、友人のような横の関係でもないからこそ、状況に応じた子どもに対する適切な支援を行えるという点がとても良いと思いました。カタリバでは「どんな関係に生まれ育っても、未来を創り出す力を育める社会」を実現するために「意欲と創造性を全ての10代へ」という使命を掲げています。変化する時代であり、予測不可能な未来が待ち受けている私たちは指示を待つだけではなく自分で世の中を作り上げられるように成長していく必要があります。カタリバはそんな必要とされる子どもの自主性を高めてくれる場所であると感じました。
カタリバの具体的な支援についてのお話の中では、子どもの自主性を尊重している印象を強く感じました。一方的に学習面をサポートしてあげよう、話を聞いてあげようという姿勢ではなく、子どもが自主性を持って様々なことに意欲的、創造的に取り組めるようにするためのきっかけを作ろうという姿勢がすごく良いと思いました。学習するスペースに関しても子どもの意見を反映し、過ごしやすい環境づくりをなさっているのが印象的でした。一人一人に対する丁寧な関わり方やコロナウイルス感染拡大下において迅速に柔軟に対応する力というのもNPOだからこそできるのだと思いました。
後半は、なぜ中島さんがこの仕事をしているのかについてお話をお聞きしました。「学校や家庭でうまくいかなければ人生終わりってことではない」という言葉には私も勇気づけられました。自分を受け入れてくれる安心できる場所を作ることは悩んでいる中高生にとって大きな助けになると思います。また、人材系の会社から転職なさってカタリバで働くことを決めたというご自身のキャリアについてのお話も伺いました。「なんとなく生きているより好きなことをやって生きた方が良いのではないか」と考えて踏み切れたとおっしゃっていて、すごく今の自分に刺さりました。私も自分が今何をしたいのかを考えて、やりたくないのにだらだらと続けてきてしまっていることを終わりにしたいと思いました。もっと自分のキャリアのために様々な経験を積んでいきたいです。NPOで実際に活躍している方の経験をお聞きすることができて大変貴重な経験になりました。
(文教育学部人文科学科2年 塩野愛菜)