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2024年9月11日更新
8月19日(月曜日)〜8月23日(金曜日)までの5日間、JICA筑波が主催する「大学生・大学院生向け国際協力理解講座」に参加しました。農業技術を学ぶ農業コースと、国際協力、特に開発途上国での援助に関心がある学生向けの国際協力実務講座があり、私は後者のプログラムに参加しました。最初の2日間はオンラインで行われ、約40名の学生が参加していました。
1日目は、国際協力の意義や日本のODAについて幅広く学びました。また、オンラインでミャンマー事務所の方から在外事務所職員の仕事内容を聞くことができました。プロジェクト実施までには、他機関との役割分担の調整から現地調査に至るまで多くのプロセスがあり、全体を統括するジェネラリストとしての側面が強いということが分かりました。国内の状況が不安定な中でも現地のニーズを拾い、自分にできることを模索しながら働いている姿はシンプルにかっこいいなと思いました。
2日目は、南米やアフリカで生活改善事業を実施しているNGOの方や、アフリカで「みんなの学校」プロジェクトに携わってきた開発コンサルタントの方からこれまでの事例を紹介していただきました。国際協力の現場には多様なアクターが存在することを実感するとともに、「草の根の国際協力」を実現するためには1つの家庭や1つの学校といった小さい規模でのアプローチを地道に続けていくことが大切だと学びました。
3日目からはJICA筑波でのグループワークを通した研修となり、オンラインで顔を合わせていた学生たちに会えた瞬間は本当に嬉しかったです。それだけでなく、同じように国際協力に関心を持つ学生たちとの交流を通して、勉強へのモチベーションが高まるとともに、異なる視点からの鋭い意見に刺激をもらいました。
グループワークでは、PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)研修という実際の現場でも使用されている手法を体験したのですが、とても難しくて面白かったです。1日半かけて途上国の課題解決について考えるのですが、まず何が中心問題なのか、その原因は何かを飛躍しないように特定したり、そこから問題系図やアプローチ選択をしたりする必要がありました。グループ内で意見がぶつかることもあったのですが、みんなで話し合い、考え続ける時間は楽しかったです。講師の先生からは「鳥の目でみる」(客観的に状況を把握する)こと、「ないものはない」(現地リソースを活用する)などの重要な視点を学ぶことができました。
他にも、ウガンダからの研修員とのランチ会やJICA職員の方々とのキャリア相談会など、貴重な機会が盛りだくさんのプログラムでした。
最後に、今回のプログラムを通して、同じ志を持つ学生との出会い、国際協力を仕事とする多くのロールモデルとの出会いから、自分がこれからどのように国際協力に関わりたいのか見えてきた気がします。本プログラムで得た学びを生かしながら、アクターとして再会できるよう頑張りたいです。
(文教育学部言語文化学科3年 矢野紗彩)