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2025年1月6日更新
グローバル協力センターでは、(1)南アジアに位置するブータン王国を巡る諸相に触れること、(2)それらから開発政策や国・地域の在りかたを考えることを目的とした地域研究型セミナーを2021年度から2023年度にかけて45回開催しました(合計参加者:約2,300名)。毎回ブータンを扱った国内外の新旧映像作品を取り上げ、映像作品の視聴、発表者(コメンテーター)からの簡単な解説、質疑応答という流れで実施しており、今年度は全15回の開催を予定しています。
12月27日(金曜日)にオンラインにて、2024年度第12回ブータン連続セミナーが開催されました。第12回(通算57回目)となる今回は、前回に続きアルジャジーラのニュース映像とドキュメンタリー番組を取り上げ、1990年代に発生したブータンの難民問題に迫りました。コメンテーターの平山講師による解説パートでは、前回のセミナーの内容及びブータンにおける難民発生の背景を振り返るとともに、1990年に発生した南部地域での反体制デモと運動団体、難民流出、そしてネパール東部の難民キャンプの状況と第三国定住に向けた取り組みに関して取り上げられました。
当日は50名ほどの参加がありました。参加者からは、「前回に引き続き2回連続同じテーマでのセミナーだったことで、映像の内容、難民発生や第三国定住に至る背景などをより深く学ぶことができました。アメリカ社会側のネパール系ブータン難民を労働力として活用する経済的側面や、ネパール系難民自身の文化適応や鬱など社会統合に至る課題、ネパール系コミュニティの相互扶助や文化アイデンティティなど多面的な視点から理解するきっかけになりました。」 「難民についてはブータン国内では比較的アンタッチャブルな話題なので、歴史的経緯を知ることができてよかった。」「幸せの国というイメージの強いブータンにも、宗教や文化の違いによって迫害される人がいて、難民問題もあるのが現実なのだと考えさせられました。」 などのコメントが寄せられました。