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令和6(2024)年度「途上国研究・国際協力分野海外調査支援」を受けた本学大学院生が調査結果を学会で発表しました

2025年3月14日更新

令和6(2024)年度、グローバル協力センターの「途上国研究・国際協力分野海外調査支援」を受けた佐藤寛華さん(大学院人間文化創成科学研究科ライフサイエンス専攻食品栄養科学領域公衆栄養学研究室)が、台湾での調査結果をもとに、2025年3月6~8日開催の第30回日本災害医学会総会・学術集会記念大会において成果発表を行いました。
以下は佐藤さんによる報告です。

題目 2024年台湾花蓮地震における避難所運営とボランティアの活動
報告 本研究は、台湾仏教慈済基金(通称Tzu Chi)の防災担当職員とフルタイムボランティア職員に対するグループインタビューを通して、2024年花蓮地震において、迅速かつ充実した避難所運営を実現できた背景を探ることを目的とした。台湾への渡航は、グローバル協力センターによる助成をいただき、研究成果を2025年3月開催の第30回日本災害医学会総会・学術集会記念大会(口演36「国際支援1」)にて発表した。
 発表では、花蓮県の災害対策において、ボランティア団体に対する事前の役割分担が行われていることや、避難所開設前からのボランティア出動が認可されていることを強調した。この取り組みは、日本など避難所運営に課題の見られる国において、改善のための参考になる体制だと考えられる。また、Tzu Chiは、1分以内で開設・収納可能であり、車椅子使用者も入り口の開閉が可能な「パーティション」やスーツケースのような取っ手と、服をかけるハンガーラック付きの「ロッカー」を開発していたことを、実際の動画・写真とともに発表した。日本や低・中所得国の避難所、難民キャンプにおいては、被災者の生活上のプライバシー問題が指摘されていたことから、多機能なパーティションやロッカーの紹介は、災害支援経験のある視聴者にとって学びになったと思われる。今後は、気候変動に伴う自然災害が増加していくことが予想されており、またロシア・ウクライナ戦争などの人為的要因が災害を引き起こす恐れがあることも無視できない。本研究で得られた知見は、避難所・難民キャンプにおいて課題の見られる国々の防災体制強化に貢献することが期待され、「国際支援」の枠で口演発表させていただいたことは意義深かったと考えている。
  • photo1発表の様子
  • photo2発表の様子

右矢印 大会プログラムはこちらをご覧ください。

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