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【開催報告】第48回SDGsセミナー「世界の栄養問題:地球も人々も健康になる食事の実現に向けて」(2025年5月1日)

2025年5月12日更新

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講師の野村さん

2025年5月1日(木曜日)、独立行政法人国際協力機構(JICA)国際協力専門員の野村真利香さんをお招きし、第48回持続可能な開発目標(SDGs)セミナー「世界の栄養問題:地球も人々も健康になる食事の実現に向けて」が開催されました。栄養問題についての知識を学び、多岐にわたる課題や取り組みを知ることができました。

栄養問題と聞いて、まず思い浮かぶのは低栄養かと思われます。しかし、実際は過栄養も急速に進行しています。これは個人の健康を害する問題であるだけでなく、食品に関するコストの増大という、社会全体の問題にも繋がっていきます。

授業では、ソロモン諸島の「ヘルシービレッジ推進プロジェクト」について紹介していただきました。このプロジェクトは、気候変動による海面上昇に直面しているソロモン諸島で、「村ごと元気!」を目指す取り組みです。具体的には、土作りから支援して、島国でも野菜を作れるようにすることで食事の栄養バランスを整えたり、健康推進ボランティアによる健康課題へのアドバイスが行われたりしているそうです。

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会場の様子

いちばん印象に残ったのは、地球の限界を逸脱しない範囲内で人間の健康を守っていく、という考え方を意味する「プラネタリーヘルス」という言葉です。これは、食事が、私たちの健康維持に役立つのはもちろん、地球にもやさしくあることを目指すというものです。近年、気候変動は私たちに重大な影響を与え、食生活の変化にも拍車をかけています。普段何気なく生活しているとなかなか意識できないですが、地球の資源は有限で、それをどんどんと消費させているのは、私たち一人ひとりのほんの小さな行動の積み重ねなのです。

「地球を大切にする」ということは、決して環境だけに配慮するという意味ではなくて、地球の裏側にいる人々を大事に思いやることでもあると、私は考えます。同じ地球で暮らす仲間たち、そしてこれから先、私たちとともにこの地球で暮らす新しい命のことに思いを巡らせることで、積極的な取り組みができると考えます。

私を含めて、多くの人は今すぐに栄養問題を始めとする世界の諸問題に働きかけることは難しいと思います。しかし、この授業を受けて私たちにできる第一歩は「知る」ことではないかと思いました。世界の現状を知ること。世界で行われている取り組みを知ること。それらは、どうしても他人事のように思えてしまいます。そうだとしても、世界のどこかで今起きている出来事について知ろうとする気持ちを常に持っていたいです。その心がけはきっと、私たちの周りで起きている問題に気づくための助けとなると思います。

日本は様々な面で比較的恵まれた国ですが、だからこそ個人の小さな苦しみが見えにくいこともあると思います。得た知識を十分に活かして、自分の隣にいる人が幸せでいれるようにとみんなが取り組み、平和の輪が広がる世の中になって欲しいです。

(文教育学部言語文化学科1年 小柳莉穂 )

【関連リンク】
「ヘルシービレッジ推進プロジェクト」
プラネタリーヘルスについて

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