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2026年6月29日更新
2026年6月25日、お茶の水女子大学本館にて、第58回SDGsセミナーが開催されました。今回は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の日系サポーターとしてご活躍されているキューバ人のジリアン・ペレス・ロレンテさんを講師にお招きし、ご自身の経験を交えて多文化共生の在り方についてご講演いただきました。
キューバはカリブ海に浮かぶ島で、先住民、アフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系と様々な文化が共生している国です。日系コミュニティも存在しており、約1000人と小規模ながらに文化活動を通して日本の伝統と絆を守り続けています。スペイン語でニッケイ・デ・コラソン(心の日系人)という言葉があり、血縁がなくても日本の文化や精神を心から愛し大切にする人々を指すのですが、ジリアンさんもその一人だといいます。
ジリアンさんが日本に興味を抱いたきっかけは子どもの頃に観たジブリ映画だそうです。映画やアニメに惹きつけられ、次第にただのエンターテイメントを越えて日本文化そのものに関心を持つようになりました。ソーラン節や日本舞踊、コスプレなど仲間と共につくりあげる楽しさを味わったと語ります。日本語の学習も最初は知り合いからノートを借りて独学で進めていましたが、スペイン語を勉強する日本人とつながったことで、日本という国が顔や声をもった国へと変わったのだそうです。日本語弁論大会に出場した際、彼女の選んだテーマは「人」でした。自身のこれまでの歩みは、一緒にソーラン節を踊った仲間やノートを貸してくれた知人がいたからこそ成しえたものであって、チャンスはいつも他の誰かとのつながりの中で生まれたのだと語られました。また、弁論大会を通して、彼女は言語への理解を深めます。言葉を学ぶというのは、ただ文法や発音をマスターすることではありません。言葉は自分自身がどんな人間かを表現するためのものです。言語の意義を人とのつながりという文脈で捉えている点が彼女らしいと感じました。
2026年、ジリアンさんは日系サポーターとして来日されました。大学院で日本語教育と多文化共生について学びながら、実際に日本語の学習支援を行うなど精力的に活動されています。異文化交流は単に新しい事を知るだけでなく、自分自身を新しい視点で見つめ直すことだとジリアンさんは身をもって語られました。日本での経験をキューバに持ち帰り、両国の「文化の架け橋」になりたいと仰っていた姿が強く印象に残っています。
今回の講演を通して、多文化共生の第一歩は目の前の人とのつながりを大切にすることだと学びました。そして、学びや気付きを誰かと分かち合うことで、異なるもの同士の架け橋になれるのだと考えます。この度は貴重なお話をありがとうございました。
(文教育学部人間社会科学科2年 白谷優里香)
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