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2026年7月9日更新
2026年7月1日(水)・2日(木)の2日間にわたり、クルド料理調理会および映画『マイスモールランド』鑑賞会を実施しました。両日とも、所属や専門分野を問わず、さまざまな関心をもつ学生が集まりました。
1日目の調理会では、まず企画発起者である学生から、クルド人とはどのような人々なのかについて、歴史や現在の状況に触れながら説明を行いました。また、日本で暮らすクルド人についても概要を共有し、料理を通じてクルドの文化や背景にふれる時間としました。
その後、参加者でクルドの家庭料理を調理しました。今回は、チーズを挟んだ半月状のクルド風ピザ「カトマジャペニール」を作りました。現地ではヤギのチーズが使われることが多いそうですが、今回はカッテージチーズで代用しました。カトマジャペニールは、朝ごはんとしても親しまれている料理だそうです。
また、赤レンズ豆のスープ「ショルベニスカン」も作りました。味のベースには、クルド料理に欠かせないといわれるトマトの発酵調味料「サルチャ」を使用しました。サルチャは、日本の味噌を思わせるような深みのある調味料です。クルド料理では、採れたてのハーブをふんだんに使うことも特徴のひとつとされており、今回はドライミントを加えました。夏らしく涼しげなミントの香りが鼻を抜ける、とてもおいしいスープに仕上がりました。
調理中は、クルドの音楽を流しながら作業を進めました。鍋から立ちのぼるスパイスの香りと、耳に届く音楽に包まれながら料理をしていると、そこがお茶の水女子大学のキャンパスであることを一瞬忘れてしまうような雰囲気がありました。
クルド料理は、羊肉や鶏肉、野菜、果物などを使った多様で風味豊かな料理であり、家族や友人との食事を大切にする文化が根付いているといわれています。参加者同士で協力して料理を作り、同じ食卓を囲む時間は、クルドの食文化を味わうだけでなく、食事が人と人をつなぐ場であることを感じる機会となりました。
2日目の映画上映会では、『マイスモールランド』を鑑賞しました。本作は、「国家を持たない世界最大の民族」とも呼ばれるクルド人をめぐる現実を、17歳の少女の目線を通して描いた作品です。埼玉県には約2000人のクルド人コミュニティが存在するといわれていますが、日本においてクルド人が難民認定された例はほとんどありません。また、本作の企画が動き出した2017年当時から、出入国管理及び難民認定法をめぐる状況は厳しさを増してきました。
参加者は、前日に作ったスープとピザを手元に、映画を鑑賞しました。難民申請が不認定となり、一家が在留資格を失ったことで、それまでの日常が一変していく物語に、多くの参加者が固唾を飲んで見入っていました。
映画の中には、主人公たちが食事をする場面も登場します。その食卓には、前日に私たちが作った料理とどこか重なるものがありました。食は、遠く感じられがちな誰かの生活に思いを馳せ、その人々の存在をより身近に感じるための、たしかな入口なのだと感じました。
今回のイベントは、料理を作ること、食べること、映画を観ることを通して、クルドの人々の歴史や文化、そして日本社会における難民・在留資格をめぐる課題について考える機会となりました。今後も、学生同士がともに学び、語り合う場をつくっていきたいと思います。
文責:「共に生きる」スタディグループ(「クルド料理調理会」企画発起学生)